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スペイン留学を決めたワケ

前回の投稿でカオティックな香りが充満していた横浜の住まいを友人たちの助けを借りて断捨離したことを書いた。
その後どうなったか。

結論を先に言うと、丸3年住んだ大好きな横浜に別れを告げ、6月から3ヶ月間スペインに行くことにした。

2月、身軽になった勢いで次の行き先も決まらぬまま部屋を解約したまでは良かったが、その時点ではピンとくる場所が思いつかなかった。

「私、3月末に引っ越します」
「家はまだ決めてないけど」

と会う人ごとに報告するも、決まらなかったら最悪実家に戻ればいいやという気安さから(失礼)のん気なムードがダダ漏れていたようで、家族や友人をはじめ美容院のお兄やんにまで「次どうするん?」と心配され、弟夫婦に至っては自分達との同居まで提案してくれた。

私は頭で計画を立てるのが苦手な分、良くも悪くも感覚的にこれだと思った時には深く考えずチャチャっと決断する。
むしろ直感でしか判断できないと言うほうが近いかもしれない。
なので、それがやってくるのをひたすら待っているのだが、いつまで経っても「ここ」という場所が降りてこない。

そう言えば、大阪から横浜に転勤する時も直前まで物件が決まらないのを見かねた上司や仲間がみんなで部屋を探してくれたっけ。
人間関係はもちろんのこと、もろもろ引っくるめて本当に良い職場だった。

あの時は通勤を考えていくつかの候補の中から選んだが、今回はそういった条件や縛りは何もなく選択肢は無限大。
「どこにでも行ける」という自由は、時にどこにも行けないという不自由を作り出す。
今の私は糸が切れて飛ばされた凧か、波に漂う千切れた海藻のようなものなのだ。
などとゴニョニョ格言めいてひとりで悦に入りそうになっているところに一つのweb広告が飛び込んできた。

それが「スペイン留学フェア2023」というスペインのいろんな語学学校を紹介するオンライン説明会だった。

「ん??」

自分の中でフラグが立つ。
思わず私しかいない部屋でしばらく考えるフリをした。

「説明をちょっと聞いてみるだけだし」
「参加は無料だし」
「気に入った学校がなかったら行かなくてもいいし」

などと数々の謎の言い訳を自分にしながらも、その日のうちに参加申し込みをしていた。

今考えると私の直感は「あーーーこれだったか!」と、前のめりでGoだったのだが、その言い訳こそが思考の可愛くもニクいところで、いつもこうしてビビりと無鉄砲の間でけなげなせめぎ合いを繰り広げる。

そしてその後もしばらくは決断をなるべく先延ばしにしたくて「あくまで検討中」という言い方をして粘っていた。

ところが。
誰も止めてくれない。

むしろ「良いじゃんバミちゃん!スペイン似合うよ!!」というのが、親しい友人達が示した概ねの反応であった。

ますますあとに退けない・・・。

その上、そのうちの1人は6月からお隣の国ポルトガルに3ヶ月間滞在する予定だとか言い出した。
何それ、向こうで会えるじゃん。

さすが私の大切な仲間たち。
イカしてる
ってか、イカれてる
もちろん良い意味で。

私のガタガタ言ってる思考なんてこれっぽっちも見ちゃいないのだ。
嗚呼この方たちの前では全てが透ケルトン💀

しかし何故にスペインなのか。
この留学フェアがスペインでなく、他の言語圏の国だったらどうだったろうかと考える。
なぜなら私の中のお利口バミちゃんはいまだにこう言ってくるのだ。

「普通に考えたら英語だろ」
「スペイン語の前にまずはそのカタコトのなんちゃってイングリッシュをどうにかしろ」
「無職のアラフィフが今さら何のために」

ああ私って、本当に自分に意地悪!

ためしに「語学留学」で検索すると、英語圏の魅力的な留学先がダダダーっと出てくる。
アメリカ・カナダ・オーストラリア・マルタ島・フィリピン等々

が、どれにもフラグが立たない。
旅行で1~2週間というのなら、それなりに楽しそうなイメージは湧くのだが。

一方、ヨーロッパに移住や長期滞在されている方のSNS投稿を見る時、私の目には星マークが点滅し、夢と妄想が果てしなく広がる。

特にアカウント名からしてなかなかの射手みを感じてしまう「Rita🍊53歳でスペイン留学」さんを知ってからは自分に謎の意地悪を投げかけることが激減した。
一方的にフォローし、その存在にひとかたならぬ勇気を頂いている。

うん、これはもう仕方ない。
数日かけてこの投稿をちまちま書いてきたけれど、
どうにか理由をつけるとするならば

「もうそろそろ暑い季節はカラッとした場所で心おきなく短パンとビーサンで暮らしたい」
というところなのかも知れない。結局。







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