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11. 音色で特定されるディジュリドゥ

前章ではアボリジナルの言語ごとにディジュリドゥの名称がちがっている点について触れました。各言語ごとに存在する名称とは別に、特定の音色や音程によって特定されるディジュリドゥが存在します。

彼らの言葉に注意深く耳を傾けていると、自分達の特定の楽器に対する音程やサイズや形状というわかりやすい特徴から、彼らの世界に属さない人からは理解できないような音の特性から楽器を峻別していることがわかります。

Wadeyeコミュニティの2種類のディジュリドゥ

WadeyeコミュニティのWilliam Parmbukは明確に「これはLirrgaダンスソング向きのチューンで、こっちのはWanggaダンスソング向きだね」といった感じでディジュリドゥの音程によって二種類のダンスソングにフィットする楽器を明確にチョイスしていました。

[Kenbi]60年代のKenbi。WANGGAダンスソングの伴奏に使われる楽器はKenbi/Kanbiと呼ばれ、F以上のハイピッチな楽器がチョイスされるようです。WANGGAの歌はKenbiの1オクターブ以上のハイボイスで歌われることもあり、ハイピッチな楽器がチョイスされるようです。F・99.3cm/1.3kg・4.1-4.3cm/5.7-6cm
[Marluk]Robin Nilco作の現代のMarluk。LIRRGAダンスソングの伴奏に使われる。C~Dくらいのローピッチな楽器が選ばれるようです。最も高いキーから始まってKenbiと同じ音程にもどってくるWANGGAと違って、LIRRGAはMarlukのハミングのトーンからはじまって曲中で音程が上下することもあり、ローピッチなMarlukがフィットするように見えます。C#++・126.3cm/3.1kg・3.1-3.8cm/6.1-6.8cm

ハイキーのKenbiとローキーのMarlukという2種類の楽器が存在していて、それぞれが違う種類のダンスソングの伴奏に使われ、Djambaというダンスソングではディジュリドゥは伴奏されない、とWilliam氏から教わった時は、目から(耳から)ウロコでした。

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