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16. どういうバリエーションが理想的? 2

理想的なバリエーション5本

[現在のぼくの5本のバリエーション]基本的にこの5本をベースにして、例えば2のナロー系のイダキをキッズに変えたり、オールドファッションなイダキをもっと楽に鳴らせるものに変えたり、出し入れしながら、この5本のバランスを中心に組み立ててます。こうやってある程度系統立てて5種類を作って抜き差しすると変化を楽しみながらセルフラーニングできます。
  1. 鳴らしやすさを感じるセンター的なイダキ(「F~G#」)

  2. 鳴らした時に制限される印象を受けるナロー系かキッズ・イダキ(「F~G#」)

  3. 乗りこなせない、まとめきれないと感じるオープン系のイダキ(「F~G#」のハイピッチ)

  4. 歌の伴奏が可能な「F~G」のピッチのMagoかKenbi

  5. 「C~D#」前後のローピッチで、マウスピースが大きいオールドファッションなイダキ

この5本が伝統奏法を一番ミニマムに楽しめるセットだと感じています。これはおすすめの購入の順番になっていて、その理由は

  1. 楽しく、一番ナチュラルに感じる楽器でスタートした方がいい

  2. 本来はこれが1本目におすすめですが、メンターがいないと混乱しそう

  3. チャレンジ感の強い楽器を加えることで演奏感全体の底上げにつながる

  4. 結局ハミングの感覚を深めることが何より重要なので、MagoかKenbiが必要になる

  5. リラックス方向に転じながらもパワフルな演奏を目指すのに役に立つが、4を乗りこなせない時点で演奏してもわかりにくい

というのがそれぞれの順番の理由です。1~4の楽器がハイピッチであることは、現地のトレンドに合わせた傾向になっています。また、人によっては1と2を入れ替えてもいいんじゃないかなとも思います。いかがでしょうか?


楽器からのインスピレーションを通じてセルフラーニングする

これは伝統奏法をセルフラーニングするためにおすすめな組み合わせで、もしディジュリドゥを習っているメンターがいるなら、その人のおすすめの楽器を買うというのが一番いい方法だと思います。ぼくもまったくのイダキ初心者の時、イダキ・マスターD. Gurruwiwiにお願いして彼にファースト・イダキを選んでもらいました。

[マイ・ファースト・イダキ]はじめて北東アーネム・ランドを訪れた2001年にイダキ・マスターD. Gurruwiwiにアートセンターで選んでもらったイダキ。「イダキのことが右も左もわからないので、ぼくに1本選んでもらえませんか?」とお願いしました。彼は何本か「Dit Dit」とか短いフレーズを鳴らして、グイっとこのイダキを手渡されました。当初は全く理解できない謎のイダキでしたが、時間がたつにつれて、なぜ彼がこのイダキを選んだのかを感じ取れるようになっていき、今ではすごく意味のある1本になっています。

このような5種類の楽器を用意して振れ幅の大きなバリエーションの中で演奏することで、5種類の楽器どれにも通用する演奏感が育ってくるように感じます。万人にフィットするものだとは思いませんが、現在の自分の演奏感を作り上げるのにすごく役立ったメソッドだったので、楽器からの刺激を得て実感をともなった学びがあるおすすめの方法です。

イダキ・コレクションのページにはLarry Wuduku Gurruwiwiが気に入っていたイダキWLG-0801があります。この楽器に対して「こういうイダキが僕にインスピレーションを与えてくれるんだよ」とLarryが語っていたのは非常に印象的でした。

[Larry Wuduku Gurruwiwiのイダキ]この楽器を作った時、Larryは木陰で一人で長い時間このイダキを鳴らし続けていました。細身だがオープンな空洞でマウスピースのサイズは小さめ。ハイピッチでマウスピースが小さいのに振動はモワモワでオープン・アパチュアになる独特の演奏感が際だつイダキです。【Larry Wuduku Wunungmurra】F#/G#--・138.7cm/2.9kg・2.7-2.8cm/11-11.4cm

Larryほどのイダキの名手でも今なお楽器からのインスピレーションを得て、楽器を通じて成長をするんだから、ぼくらも楽器からのインスピレーションをバンバン感じて伸び代全開にしたいですね。


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