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自殺を考えている、君へ

気分はどうだい?
いいわきゃないよな。

でもね、それ。言い方は悪いけど「今だけ」なんだ。
逃げちまえばいいんだよ。
できない?
そう思ってるのは、君自身だよ。
死ぬ気になれるぐらいなら、本気で逃げれるよ。

逃げたくない?
なんで?
恥ずかしい?

でもね、それ。
「今だけ」なんだよ。

学校でも会社でも家庭でも、逃げちまえば無関係だ。
その後?
それは、本当の「その後」に考えればいい。
でもな、
死んじゃったら、それでおしまいだ。

君がもし13歳なら、その13年を差し引いても100倍楽しいことが待っている。
君がもし40歳なら、なんてこたぁない、たったの人生半分じゃねえか。
君がもし60歳とか80歳なら、そこまで生きたなら最後まで生きてみてもいいじゃん。

たった一度の人生だよ?
何のために生まれてきたんだ。
自分のためだろ?
誰かのためじゃないだろ?

だったら
後悔してもいいから、まず生きてみようよ。
後悔したら、あとでやり直せばいいんだから。
死んだら、それもできないんだぜ。

俺はね、
死にかけたことも死のうとしたことも何度かあるけど、こうして生きてる。
それは「生きていたほうがいい」って思えたからなんだ。
それはプラスの意味じゃなく、マイナスの意味で。

「死んでなくなるのは美しいかもしれないけど、それだけだ。醜く生きたほうが、美しいことも汚いことも一緒くたに味わえる」

そう思ってたんだろうな。
だから生きてる。死ねなかった。
それで幸せだ。
当時の100倍幸せだよ、悪いけど。
結婚して幸福な家庭を築けるなんて、あの頃は思ったこともなかったよ。

生きてりゃ、可能性はあるんだよ。
ショーペンハウエルは「自殺もできないことこそが絶望だ」って言ってた。
君らは、死ぬことが選べている。選択権を、自分で持ってる。
だからまだ、

絶望さえ、してないんだよ。
まだ。

惜しいだろ?
君を苦しめた奴への復讐だろうけど、奴らはのうのうと生きるぜ?
君がいなくなっても、それは「俺も若い頃、馬鹿やっちまってさあ」「あたしも昔はちょっとあってねぇ」なんていう、居酒屋の武勇伝になっちゃうだけなんだ。
それでそいつらは、のうのうと子供を作って80まで生きる。
それって、君の負けだぜ。
そいつらには勝てなかったんだよ。命を賭しても。
死んだ時点で、君の負けなんだ。

だから、
そいつらを馬鹿にできるように、気高く生きようぜ。
いっそ孤高を気取って、見下して生きてやれ。

そのためには、今からでも遅くない。
逃げるんだ。

友達が邪魔なら、友達も(そういう時に助けてくれない友達は、友達じゃない)。
親が邪魔なら、親も(そういう時に助けてくれない親は、血が繋がっているだけの他人と思えばいい)。
会社が邪魔なら、会社も(そこは君が「勤務中にいる」だけの場所だ)。
プライドが邪魔なら、プライドも(結局はそれだ! おまえ自身だよ!!)。

手首を切っても足を切っても首に傷をつけても
生きる奴ぁ生きるんだ。
そしてそいつが、最後に勝つんだ。

たから俺は、負けずに、勝つんだ。
死にたいほどの苦しみを、知ってるからね。できるんだ。
いっそ見下せ!

負けんなよ。
もったいないぜ。
俺だって、ここにいる。まだ生きている。
苦しいのは、長い人生のほんのいっときだ。
永遠に思える「あまりに長い今」は決して永遠じゃないし、何より「今」じゃない。

「過去にする」んだ。

まずは、俺に会ってから死んでくれ。
悩む君たちを俺は誰も知らないけど、まずは俺に会ってくれ。
君たちも俺のことを誰だか知らないだろうけど、まずは俺に会ってみてくれ。
それから決めてくれ。
じゃないと、君を知らないままの、俺が哀しい。
そして申し訳ない。
君がいなくなって、俺だけが、まだ生きているのも。

だから、お願いだ。

こういう言い方は、変だけど。
まずは、俺に会うまでは、生きていてくれ。

(先日、13歳で自らの命を断った、勇敢な女性に捧ぐ)

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