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リトアニアでなにもしない贅沢

7月の最後の日からリトアニアに来てすでに2週間過ごしている。
今日も朝から清々しく、快晴だ。
避暑に来たわけではなく仕事でリトアニアを訪れているが、東京のひどい湿り気と息もできないくらいの猛暑の地獄から、ここで涼しさを過ごすことができるだけで、寿命が伸びたと感じる。

午後から取材だが、午前中から昼過ぎは時間があるのでデスクワークをしている。こんな素晴らしい日に遠い国から来て引きこもったままでもったないと思う自分もいる。「外に出たら?」と思う自分自身と対照的に、無駄な時間があるのが、旅をしながら生活をする喜びでもあると感じるのもまた事実だ。
部屋は太陽が当たるところは温かいが、窓をあけるとたちまち涼しい風がふんわりと流れ、天然の冷房が発動する。読んでいた本を閉じ、それから目を閉じていたら結局寝てしまっていることも多い。

民家の庭

その年や時期によってリトアニアの暑さもさまざまで、過去夏に訪れた時には6月だったが30度を超える暑さで、冷房という設備ががない部屋の場合は寝苦しいこともあった。
だから、すべてに該当するわけではないが、今年の8月は総じて東京の10月程度の気候だと言える。

暑すぎない夏は、花が枯れることなく庭や街で色とりどりの色を放ち、ミツバチは花の蜜を採取する仕事に励む。私が今回の旅で見た花々は薔薇、ガーベラ、菊、スモークツリーの花、ゼラニウム、ダリアなど猛暑の日本では枯れてしまう品種が多かった。涼しいという利点は花のもちも良いということでもあるのだと気づいた。

ダリア
スモークツリー

さわやかな夏を全身で感じたい私は、日中の日差しがある時は、半袖で過ごしている。もっとも、荷物を少なくするために1つのスーツケースをこの先の目的地であるエストニアのバスターミナルまで送ってしまっているから、半袖と1枚の薄い長袖しか持っていないのだが……
すると、太陽が傾きかけるとリトアニア人は「寒くない?」と私を心配してくれる。ふと、街を見ると半袖の人々はいなくなり、トレーナーを着ている人ばかりになった。
ここ、リトアニアの夏は太陽が出ている時間が長いことも旅に最適だ。どれだけ寝坊しても、日暮れが遅いから遅くまで外にいられる。
少し腕がひんやりした夜8時半ごろに宿に戻るのだ。

夜8時半ごろの街

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