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エグゼクティブ・アシスタントは身体拡張の夢を見るか?

エグゼクティブ・アシスタント、日本語でいうところの「秘書」って感じかなと思ったら全然違うらしい。
え?それってある意味、相対的剰余価値が爆上がりでは??
それすなわち、身体拡張とかクローンみたいなものでは〜〜??

・・・というのが、こちらのインタビュー記事の執筆をさせていただいての感想です。

◆アシスタントが必要になる人はどんな人か?

閑話休題。アシスタントが必要な人ってどんな人でしょうか?
パッと思い浮かぶのは会社経営者など大企業で重要な役職を務める人々。
小難しく言うならば、「何らかの能力に秀でていて、その能力を行使することで利益を生み出す」人々。

つまり、その能力を出張準備(切符やホテルの手配)や資料のホッチキス止めのために使わずに、経営判断をしたり商談をしたりする時間にあてたほうが良い。利益を生み出す専門的な仕事に専念するほうが良い人


◆おまかせ可能な業務はおまかせして、専門的な仕事に専念する

出張準備などのおまかせできる事務業務はアシスタントに任せる。
無理やり図にするとこんな感じ。左が社長で右がアシスタント。1マス1時間としましょう。

この5マス=5時間が社長の作業できる時間で、2マス分の事務作業(ピンク)をアシスタントに任せる。

2マス分の事務作業(ピンク)を任せると、当初は3時間しかできないはずだった専門的な仕事(グリーン)に5時間フルで専念できる。
(しかもアシスタントは事務作業のプロなので、社長にとっては2時間必要な作業が1時間でできる。)

・・・という感じで労働を圧縮していくことで、専門的な仕事(グリーン)に使える時間が増えて、より多くの利益を生み出すことが可能になる。


◆”専門的な業務”をおまかせして、専門的な仕事に専念する

さて、前置きが長くなりました。
冒頭でお話したエグゼクティブ・アシスタントの場合はどうなるでしょうか?
インタビュー記事を読んでいただくとわかるとおり、エグゼクティブ・アシスタントはボス(上司)の事務作業だけではなく専門的な業務の一部を担います

ボス(上司)の生産性および生み出す利益が爆上げですね?

そもそも、24時間という時間は誰しもにとって平等です。翻せば、どうあがいても24時間以上は働けません。
その上限をぶち破る裏技こそがエグゼクティブ・アシスタントだと言えるのではないでしょうか?

2人の人間がそれぞれ働いて2人分の仕事を成果を上げるのとは意味が異なります。
1人の人間の生産性を上げることで、1人の人間が生み出せる利益を増幅させる。クローン人間を生み出したり、影武者となるわけではありませんが、まるで身体が拡張したかのように手の届く範囲が、目の届く範囲が広がっていく。その繰り返しが確かな成果につながっていくのだと思います。

◆属人性を剥がし、暗黙知を形式知に置き換える

その人にしかできない仕事、その人に聞かないとわからないこと、その人に仰がねばならない判断。”その人にしかできない”ということは大きな強みです。しかしその属人性の高さは時に弱みにもなる場合があるかもしれません。

あるいは、弱みにはならなくても、そこが補われることでより強くなれるかもしれません。
なんらかの判断を仰いだり、なにかを確認したりしたいときに、その相手は会議に出ている。その会議が終わるのを待つ・・・ではなく、エグゼクティブ・アシスタントの人に聞いてそれが解決する。これが可能であればどれだけ強みになるでしょう?

記事では以下のようなやりとりが登場します。

Q:村上さんの分身のように村上さんの仕事を把握されていると思うのですが、由香里さんの時点で仕事の判断ができる部分もありますか?

由香里:
情報共有や事前確認を欠かさないことで私が即答できることも少なくありません。あとは、「こういう感じで返しておきますね」「うん、よろしく」で完結する場合もあります。必要があれば、「あとこれも伝えておいて」みたいな感じで。ある部分の権限移譲もあって、そこが秘書のイメージと違う部分かなと思います。仕事のサポートをするというのは当たり前で、EAに求められているのはその次の部分をプロアクティブにやっていけるかということだと思っています。

エグゼクティブ・アシスタントによる伴走が属人性が(一部)なくすことで、生産性をさらに高め、より良い仕事を生み出すことにつながっていくのかもしれません。




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