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新潟医療福祉大学硬式野球部<佐藤監督時代(2013〜19)>ベストナインを選出してみた!

 選抜高校野球の中止、見通しの立たないプロ野球の開幕。野球関連メディアがコンテンツ不足から仕掛けるものあり、野球ファンが心のすき間を埋めるように発信するものありで、このところ「歴代ベストナイン企画」のようなものをよく見かけるようになりました。野球ファンの私としても、当然、心にすき間はありますし、時間もある。そこで、新潟医療福祉大学硬式野球部の歴代ベストナインを選んでみることにしました。

時間があるとはいえ、このような作業をしようと思った背景

私は家族とともに創部間もないころから、関甲新学生野球連盟に所属する新潟医療福祉大学硬式野球部を応援しているのですが、創部以来7年間監督をつとめていた佐藤和也氏が昨秋のシーズンをもって勇退、総監督に就任しました。そのニュースを知って以降、我が家では「佐藤監督時代の新潟医療福祉大ベストナインはどんな感じになるだろうね」という話をしていました。「そこはやっぱり◯◯選手でしょ」「いや、◯◯選手の存在も大きかった」などなど、家庭内選考が難航するポジションがいくつもあり、また、誰にたずねられるわけでも、締め切りがあるわけでもないので、いつまでもベストナインが出そろいませんでした。そんななか、やってきた生の野球がない日々。たびたび見かけるベストナイン企画。そこで、ベストナインを「決める」ところまでやってみよう!と思い、選手名鑑や成績、スコアブックを見直して、あーだこーだやること数日。ジャジャジャーン、いよいよ、新潟医療福祉大学硬式野球部<佐藤監督時代(2013〜19)>ベストナインを選出し終えました。パチパチパチ。

世代も嗜好もバラバラなファンが選ぶベストナインもそうであるように、正解なんてなく、さまざまな思いが強く反映されるのが、「ファンが選ぶ」ベストナインではないでしょうか。鉄道紀行文で知られる作家の宮脇俊三は、国鉄全線完乗を前にしたとき、ある旅行家に「証拠になるものはとってあるの? 写真とか切符とか」と聞かれ、「そんなものはありませんよ。自分自身のためですから」と答えたと著書『時刻表2万キロ』にありましたが、つまりはそういうことです。基準は自分。理由は思い入れ。自分の野球ファン歴を振り返り、人生を彩るための個人的な遊びです。うちうちの評価や事情も知りません。ただただ、部外者としてスタンドから選手を、試合を見ただけの私が選んだ結果です。ということで、いよいよ発表させていただきます。表記は、ポジション:選手名(在籍年度/出身高校)となっています。

ベストナイン、発表!!

投 手 :笠原祥太郎(2013〜16/新津) 
捕 手 :柴崎大悟(2016〜19/前橋育英) 
一塁手 :宮島巧(2013〜16/新潟明訓) 
二塁手 :吾妻光一朗(2016〜19/小諸商) 
三塁手 :坂巻智大(2013〜16/上田西) 
遊撃手 :熱田隆介(2015〜18/専大附) 
外野手 :水石英佑(2015〜18/小諸商) 
     大藪将也(2016〜19/上田西) 
     須貝祐次郎(2017〜/村上桜ヶ丘) 
指名打者:荒木陵太(2017〜/日本文理)

選考理由・選考過程<投手・捕手> 

投手:迷いなく選んだのは笠原選手。2016年のドラフト会議で中日ドラゴンズに4位指名され、「新潟医療福祉大学」とコールされたときの感慨はいまも忘れられません。4年春の「6勝」は圧巻で、特に上武大戦、3-0でリードして迎えた9回に2点を取られながらねばって完投勝ちした試合は、チーム歴代ベストゲームではないでしょうか。チームが3部から上がっていくなか、「初代エース」ともいえる存在だった板垣瑞希選手(2013〜16/酒田南)も印象深いです。そのほか名前が挙がった選手:笠原選手卒業後のエース・漆原大晟選手(2015〜18/新潟明訓)、勝っても負けても負けても投げ、大学最終シーズン最多勝のタイトルを獲った飯塚亜希彦選手(2016〜19/上越)。

捕手:迷いました。四番をつとめたこともあり、くだんの上武大戦で最後にマスクを被っていた1期生の堀口晃平選手(2013〜16/専大松戸)、キャプテンもつとめた大塚雅也選手(2014〜17/上田西)の名前も挙がりましたが、汗だくの泥んこになって守り、打撃面でも勝負強い印象がある柴崎選手を選出。やわらかいバッティングやその体型から、心のなかのニックネームは「越後のおかわりくん」でした。

選考理由・選考過程<内野手> 

一塁手:医福大を応援するようになったきっかけの1つが、高校時代から応援する宮島選手の存在です。初めて医福大の試合を観に行った2014年春、チームは当時3部でしたが宮島選手の大学初のホームランを観ることができ、大学野球観戦のおもしろさはリーグの知名度やチームの強さ、歴史だけではない、と思ったものです。成績面でも、2015年秋、初の1部でのシーズンながら打率.316を残したのも立派(同シーズン、白鷗大の大山=現阪神が.326)。また、高校・大学と計7年間、佐藤和也氏の指導を受けたこの世で唯一の野手ということから、いろいろと大変な大学野球生活だったのではないかとも想像します。そんなわけで、満場一致(満票2票)となりました。

二塁手:もっとも迷ったポジションです。そこで、決定的要素を求めて通算成績を集計し、1年時から試合数と安打数を重ねた吾妻選手に。ややおとなしめだった当時のチームに、新しい風を吹かせてくれそうな選手でした。そのほか名前が挙がった選手:スマートな守備を見せてくれた小池那弥選手(2015〜18/新潟明訓)、3代目主将にして初の3年生主将の安野颯人選手(2015〜18/金沢)。

三塁手:2014〜16年、医福の試合を観に行くと、いつも、必ず、試合に出ていました。なのに、「四番以外すべて経験したのでは?」と思うくらいにいろいろな打順をこなしていた印象。その奮闘ぶりと、安定した守備に、こちらも満場一致。

遊撃手:2019年春のベストナインに選出され、とにかく守備のうまさが際立っていた河野誠也選手(2016〜19/上田西)の名前も挙がりましたが、2016年春ベストナイン、2017年秋にベストナインと首位打者のタイトルを獲った熱田選手に。

選考理由・選考過程<外野手・指名打者> 

一番手は水石選手。ソフトバンクの柳田を思わせる力強いスイングに、「水石にまわせば何かが起きる」と期待したくなる勝負強さ。ケガにより3年秋の出場はなし、その後、成績は下降線をたどってしまいますが、それでも現時点での歴代No.1野手は水石選手だと思っています。大藪選手は1年春から出場、四番を担うことも多く、コンスタントに安打を重ねて3年秋から主将もつとめた選手。須貝、荒木両選手も1年時から出場、通算本塁打数は須貝選手が3、荒木選手が6と、ともに長打も魅力の選手です。1.2番として打順に名を連ねることが多く、コンビで試合に貢献。2020年の1年2シーズンを残していますが、ベストナイン選出異議なし、となりました。

ベストナイン<番外編> 

ポジションからの選出ではありませんが、野球ファンの個人的な“遊び”なので、番外編として3人を挙げたいと思います。

1人目は「ぜひ凱旋してほしい枠」として、現主将の横田勝大選手(2017〜/横浜商)。1年時から出場機会を得て、チャンスに強い打撃、そして「うまい!」と思わず声が出てしまうバントを見せてくれている選手です。新潟をはじめ北信越出身の選手が多い部にあって少数派の関東出身。横浜出身の私としてはY校出身というだけで応援したくなるのですが、特に願っているのが神奈川凱旋。秋のリーグ戦で2位までに入ると出場できる「横浜市長杯」に進出し、神奈川球児の聖地である横浜スタジアムでぜひプレーしてほしいです。チャンスはあと1回。がんばれっ!!  

2人目は「サポート枠」として、中重拓巳選手(2015〜18/西武台千葉)。スタンドで試合を見ていると、プレーする選手より近くにいるのがビデオ撮影などでチームをサポートする選手たちです。残念ながら、プレーする姿より、サポートする姿を見ることが多かった中重選手ですが、スタンドで見かける背中から責任感と選手への思いを強く感じた選手でした。負ければ入替戦、という大学最後の試合、勝利に沸くグラウンドの選手たちを見届け、いつもと同じようにビデオカメラを片付ける姿には、グラウンドで活躍する選手と変わらない、すがすがしさ、りりしさを感じました。

3人目は「優勝を見てほしい家族枠」として、S外野手のおじいさん。試合経過をメモしながら、孫に送るその声援はとても力強く、スタンドにいれば「あのおじいさんのためにも打ってあげて」と、つい思ってしまうに違いありません。しかも「打て!(→凡退)」「(次の打席で)今度こそ打て!」というバリエーションも絶妙。チームを優勝に導く活躍をするお孫さんの姿を、ぜひぜひ見てほしいです。

最後に……

心のすき間を埋めようと始めたことですが、「あぁ、試合見たいぃぃー」「あの選手たちの残された時間があと……」と、いっそう野球に対する思いが強くなるというわかりきった結末を迎えました。でも楽しかったし、新しい発見もありました。そんな結末でよければ、「基準は自分、理由は思い入れ」のベストナイン選出作業をみなさんもぜひ。また、このような楽しい作業ができたのも新潟医療福祉大学硬式野球部、ならびに野球部OB、現役選手のみなさんの存在あってこそ。心から感謝するとともに、今後のますますの活躍を期待しています!

※成績に関する数字は手元計算をしているものもあります。間違いがありましたらごめんなさい。


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