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図面コミュニケーションの効率化で最適な部材調達を実現する。作図・設計知識を活かした建設スタートアップでの新たなキャリア。(カスタマーサクセス / ドメインPM・赤堀)

「テクノロジー × リアルビジネス」で建設業を最適化するBALLASのカスタマーサクセスチームのメンバーのインタビュー記事です。

機械設計や3DCADなどの経験を活かしドメインエキスパートとして、プロダクト開発に参画した赤堀さん。天井クレーンメーカーである「株式会社日立プラントメカニクス」でのご経歴や図面知識をどのように事業へ活かしているのか、聞いてみました。


━━ まずは、BALLASでの現在の役割を教えてください。

現在は、カスタマーサクセス(CS)とプロダクトマネジメント(PM)の2つの組織(*1)に属して担当業務を推進しています。

CSチームでは、3D-CADを用いた設計モデリングを担当しています。一品一様、少量多種といわれ、標準化がなかなか進みにくい建設部材の「作図標準化プロジェクト」を推進しています。

PMチームでは、作図標準化を目的とした作図・図面のシステムをつくっていますので、その要件定義や仕様設計を行っています。BALLASのPMチームでは、システムの開発経験が豊富なメンバーだけではなく、製造業や建設業での現場経験のあるドメインエキスパートも活躍しており、私自身は3D-CADでの作図を行ってきた経験を活かしドメインPM(*2)として要求定義をリードしています。

作図経験を生かしたキャリアに変わりはないものの、作図標準化プロジェクトへのアサインにより働き方が随分と変わったように思います。

*1:職種説明、役割等についてはこちらを参照
*2:「ドメインエキスパート」×「プロダクトマネージャー」の意

━━ 「作図標準化プロジェクト」とは、具体的にどのように進めているのでしょうか?

プロダクト開発責任者である遠藤も話していますが、BALLASとして「モジュール化」をキーワードに部材調達業務全体の最適化を目指しています。

私自身は設計のキャリアをいかし、顧客である建設工事会社さんの窓口となるセールスチームと協力して、顧客が求める部材の要点を正確に把握・整理し、設計をモジュール化できるかを検討します。
続いて、パートナー工場さんとの窓口であるパートナーサクセスチームと、どのような図面であれば部材を正確に製作できるかを協議し、最終的なアウトプットとしての製作図面を作成します。

実務として、3DCADを用いて図面をモジュール化しますが、作図そのものに加えて、汎用性の高いデータの蓄積や、再現性のあるワークフローを構築し、図面を介したコミュニケーションをより効率化することを重視しています。

作図モジュール化への取り組みそのものが、作図自動化をプロダクト上で実装するための課題抽出や改善策の発見に繋がります。図面やモデリングのデータ、作図自動化の課題、効率的なワークフローなどが蓄積されていきます。PMチームで、これらの課題や要件を協議し、最適な形でプロダクトに実装されるよう取り組んでいます。

建設サプライチェーンは、設計・施工・調達・製作のように、多くの工程があります。BALLASが取り組む調達領域だけをみても、積算・部材の作図(設計)・製作と、分業化されており、情報の断絶が発生しやすくなっています。

建設に関わる製品の作図をされてきた方はご存じだと思いますが、建設現場で用いられる施工図面と製作現場で用いられる製作図は、表現する情報の粒度が大きく異なります。
これにより、図面を介した意思疎通に齟齬が生じやすく、発注者である建設工事会社がイメージした部材とは異なるものを製作することが起こります。

このような情報の断絶による課題を、作図効率化や図面情報の最適化を通して、解決していきたいと考えています。そのために、建設業に関わるデータの標準化や利活用に貢献できるようなプロダクトの開発を進めています。

━━ 3DCADなどのドメインスキルを活かし、DXや効率化といったことに携わられていますが、これまでにもそのような経験があったのでしょうか?

大学では機械工学を専攻していたので、その知識を活かせることと大規模な製品に関われることに魅力を感じて、天井クレーンメーカーの日立プラントメカニクスへ就職しました。
業務としては、受注後の顧客との仕様折衝から、詳細設計、3DCADを使用してのモデリングや作図、また電気設計や製作部門・品質保証部門・調達部門などとの調整を行っていました。

効率化といった観点では、同一案件の中で近しい形状の設計や、類似の案件が発生した場合に、CADの機能を活用したモデリングの自動化・効率化に取り組んでいた経験があります。

━━ BALLASへの転職の経緯を教えてください。

作図にかかる工数が膨大で、設計者の負担が大きくなりやすいことを課題に感じモデリングの自動化・効率化に取り組んでいましたが、前職ではそれらはあくまで補足的な業務として位置づけられていました。

似たような製品で似たような設計であっても、寸法が少しでも違えば、ゼロからの作図を都度行わなければならないのですが、この業務の効率化にしっかりリソースを使うことが出来ない状態にもどかしさを感じていました。

図面を軸にしたプロダクトを作ろうとするBALLASであれば、作図や関連する調達業務も含めたより広い業務スコープで建設業界の最適化に関わっていけると思い転職を決めました。

━━ プロダクト開発という新しいチャレンジにおいて、意識していることはありますか?

スピード感を持って仕事をすることを大切にしています。
「すぐやる、必ずやる、最後までやりきる。」というBALLASの行動指針がありますが、周りを巻き込み、成果を出していくためにはスピード感が重要だと感じています。

業務の進め方としては、まずは、アイデアを簡単に整理してメンバーへ共有します。反応を見ながら、仕事の優先度や検討の粒度をコントロールするようにしています。

BALLASは、メンバー全員が「建設業を最適化し、人々を幸せに。」という企業使命を意識しています。社内の日々の業務や体制においても「最適化」を目指す文化があると感じています。

新たなチャレンジを意識するあまり、目先のことを蔑ろにしてしまうことは本質ではありません。私自身もスピード感とあわせて、最適化を意識しながらプロダクト開発に取り組んでいます。

━━ 作図標準化プロジェクトは「図面 × プロダクト」という建設業界に新しい価値を提供しようとしていますが、赤堀さんが考える面白さとはなんでしょうか?

「図面 × プロダクト」という観点においては、作図業務の効率化のために工程を改めて設計しなおして仕組化していくことや、それらがプロダクトに実装されていくことに面白さを感じています

これまでは自分で考えて作図・設計した物や機能が、実体をもつ形状として実現されることが作図の面白さだと思ってきましたが、課題に感じていた「効率化、自動化」といったプロジェクトに携われていることにやりがいを感じています。

━━ 今後、どんなキャリアを思い描いていますか?

今までは製品そのものの設計者としてキャリアを積んでいましたが、現在はより上流の設計手法をプロダクトとして開発することにチャレンジしています。
プロダクトの開発初期から関わることが初めての経験ですが、プロジェクトチームで積極的に協議を重ねて、建設業界のエコシステムとなるようなプロダクトを完成させたいと考えています。

設計者としての専門性を高めつつ、図面や設計そのものを俯瞰した位置から捉えて業界全体の最適化に貢献したいです。


実体験から課題や作図効率化の必要性を感じていた赤堀さんならではのお話でした。
作図・図面に関するドメイン知識が、これからのBALLASのプロダクト開発に影響していくのが楽しみです。
赤堀さん、ありがとうございました。

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