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憧れの浮力


歪んだ世界
つまらない日々
可愛くない自分

嫌悪と不安の渦に
行き場を失い 
暗い海に沈んでいく

苦しいという感覚すら
もうわからない
あぁ どうでもいい

空を仰いだその瞬間

雲を貫く一筋の光
眩さのその先に
奇跡の片鱗を見た

なんという美しさ!
その神々しい光に
近づきたい

いや
己の禍々しさで
曇らせてはならない

つまらぬ自我など
いっそ焼いてしまえ

憧れの浮力で
空を飛べるほどに
神経は熟達し
魂が磨かれている

それが推しの力
魔法のチカラ

凶暴な熊も
愚鈍な豚も
推しの前には
気高くやさしい
亀になる





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