見出し画像

生活の建築知識.68

おはようございます。

住宅には取り付けなければいけない設備があります。
当然生活をするためには明かりが必要であり、照明器具を取り付けます。
夏場や冬場の生活を快適にするために空調設備としてエアコンを取り付けます。
しかし、それらとは異なり感知器は生活には必要ありませんが、取り付けをしなければいけません。
感知器が必要となる状況は出来ることなら避けたいものですが、それらがどのような役割を果たしてくれるのか今回は説明をしていきたいと思います。

住宅において設置される感知器にはいくつか種類があります。
熱感知器・煙感知気・ガス感知器が通常設置されるものでしょう。
またそれぞれにも細かい種類はありますが今回は割愛します。
ただ熱感知器だけ少し説明しますと、熱感知器には2種類あり、定温式と差動式と呼ばれます。
定温式は一定の温度に達すると作動し、差動式は一定の時間内での温度変化が大きいときに作動します。
例えばキッチンに感知器を設置する場合、調理中は煙が出たり、温度も急上昇する可能性がある場所であるため、定温式の熱感知器を設置するのが適しています。
脱衣室などでも近い状況が起こり得ます。
一方で、熱が普段から発生しにくいリビングや寝室では温度変化があった時点で作動する方が初動の速さとして有利になりますので、差動式の方が適していると言えるでしょう。

次に煙感知器ですが、キッチンには適していないことを説明しましたが、それ以外では熱感知器よりも火災発見を早期に知らせてくれる性質があります。
煙感知器は当然煙に反応するわけですが、火災発生時は熱より先に煙が感知器まで達します。
天井面に付近にある感知器に熱が達するとなると、すでに火災はある程度の規模となることが想定されるため、煙での感知は迅速な避難に有効と言えます。
特に天井高が大きい空間であれば、その効果はさらに大きく、階段などではとりわけ有効に働くでしょう。

ガス感知器に関しては、以前ガスの説明をした際に触れました。

お使いになっているガスの種類によりますが、都市ガスなら天井面に、LPガスなら床付近に設置されます。

戸建の住宅だと、簡易な住宅用感知器などを設置することが多く、電池式となっており定期的に交換する必要があります。
しかし、マンションなどの共同住宅ですとシステムが複雑になっているケースがあります。
共同住宅のどこかに(多くは管理室)防災設備盤というものが設置されており、各住戸の感知器が作動すると信号が行くシステムとなっております。
さらにその信号を感知すると建物内の防災ベルや防火扉とも連動しており、それらも作動するシステム構築がされている場合があります。
たまに火災を建物にアナウンスするサイレンが鳴り響いている場面に遭遇することがあるかと思いますが、あれは感知器が反応してそれが建物全体のシステムを作動したということです。
感知器がそのようなシステムである場合、インターホンとも連動しており、誤報であった際はすぐにインターホンにおいて感知器音の停止や管理室に連絡することで止めることも出来ますが、一定時間経過してもそれらの操作がなければ各防災設備が作動し、消防への連絡もなされます。
誤報でパニックになることもありますが、あくまで非常時における初動を早める観点から考えれば非常に有効なシステムと言えると思います。

稀に消防設備や避難設備の不備で、悲惨な事故が発生してしまいますが、いざというときにこれらの設備がないと人命に関わるということは歴史が証明してきました。

日頃の生活には直接関係しないことから、つい意識が向かない設備ではありますが、住宅設備で最も重要な設備です。
共同住宅であれば、定期的な検査を行なってくれますが、戸建住宅にお住まいの方は定期的な検査をすることを家のメンテナンスと合わせてスケジュールすることをおすすめします。
感知器が全く作動しないに越したことはありませんが、ご自身の命を守ってくれる設備ですので改めて感知器がどこにあり、作動するかを確認するきっかけになればと思います。

では、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?