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農家という贅沢

こんにちは。

私の祖父は農家でした。
今はすでに亡くなっており、祖母と子供たちでその農地を分配して相続しました。
私の両親はもともと農家ではありませんが、仕事を引退したことをきっかけに少量ですが農作物を作っています。
しかし農家を始める環境が整っていたとは言えやはり素人、スーパーで売られるような綺麗な形のものはなかなか出来ません。
そんな訳で、形の悪いものは自分たちで食べたり配ったりしています。
私ももれなくお裾分けしてもらっています。
お裾分けなんてと思うかもしれませんが、野菜は次々に実りますので形が悪かろうが、収穫時期が来ればどんどん取らなくてはいけません。
廃棄するくらいなら食べる、もしくは配ることで勿体無さを軽減しているわけです。
もちろんもらっているこちらとしては有り難い限りなので、二つ返事で頂戴しています。

農家というと平均年収も低く、一部の農家希望者を除けば人気もない職業であることは自明な話です。
天候にも左右され、朝早くから休みなしで農作業をしなければならず大変な仕事であり、農家になかなか目を向ける方も少ないのではないでしょうか?
一方で食への安全性を意識する方々は非常に増え、一個数百円の野菜たちに対しても厳しい視線が向けられているのが現状です。
そんな情報ばかりが耳に入るので非常にネガティブな印象をもってしまうのですが、間近で見ている私からすると、羨ましい部分もあります。
やはり最大の利点は、野菜を1番美味しい状態で食べられることです。
当たり前ですが、こればかりは生産者でなければ絶対に叶えることが出来ません。
どんなに高い野菜を買っても、1番美味しい状態ではなく、取りたての野菜を食べられることほど贅沢なことはありません。
もちろん漁師の方や、畜産農家の方にも共通することではあります。

魚であれば鮮度が良いことは美味しさに繋がるとわかりますが、野菜も同じでやはり美味しいんです。
収穫したてというフレーズは、消費者の心をくすぐるだけのものではなく、ちゃんと味に反映されます。
取りたてはとてもみずみずしく、おそらく野菜が嫌いな人が嫌がるような青臭さや苦味・エグ味などもあまり感じないと思います。
食に対して私も意識が低いわけではありませんので、美味しい野菜が食べられることはとても幸運なことだと最近になって気が付きました。

農家という話に限ったことではありませんが、自分の背景や周辺環境が他と比べると恵まれているということは意外と多いことがあります。
そんなことを思いながら、今日ももらった野菜で料理します。

では、また。

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