生活の建築知識.87
おはようございます。
これまで多くの実施してきまして、そのうちほとんどがマンション一室の改修となります。
また、その中でもほとんどスケルトンにする規模で実施をされる方が多く、仕事としても充実した内容であり大変有り難く感じております。
しかし、毎回そのような内容ばかりというわけではなく、小規模で改修を行うケースもあり、それも大切な仕事となります。
何せ建築工事は高額な買い物であり、小規模とはいえ100万円を超えることはざらです。
100万円に行かずとも数十万円であっても決して安い買い物ではないでしょう。
さらに全てを入れ替えるような建築工事を人生で何度も実施される方は多くなく、むしろ小規模な改修をすることで長くお住まいになることは、理想的かと思います。
今回は改修を実施するきっかけや、改修の目安、また効果的な改修内容について少し説明していきます。
まず改修のきっかけとなる要因ですが、私のクライアントの場合ほとんどが家族構成が変わる、もしくは変わる可能性がある方々となります。
お子さんが生まれた、お子さんが大きくなってきた、お子さんが一人暮らしを始めていなくなったというものです。
順に年齢層を考えると、お子さんが生まれたという方々はやはり若い方が多くなります。
30代前半から40代前半くらいでしょう。
お子さんが大きくなってきたという方々も割と若い方が多いですが、30代後半から50代前半くらいとなります。
そしてお子さんが独り立ちされるとなれば、50代から60代前半くらいの年齢の方々から依頼があります。
今のライフスタイルの多様性を考えればどの年齢できっかけが来るかはまちまちで、明確な目安はありませんが、やはり家族構成が変わればマンション暮らしの方々は住宅の変更を視野に入れるようです。
ただし、家族構成の変化で行う改修はほとんどが大規模な改修を見込むことが多く、必ずしも万人に参考になることもありません。
住宅の維持を目指すのであれば、家族構成の変更だけがきっかけとなると適切なタイミングとなるかは成り行き任せとなります。
住宅にとっては、ある程度定期的に改修を行うことで長く快適な住まいを保つことが可能になります。
大規模に実施するのではなく、部分的に改修を重ねることでそれが叶うと思います。
そのようなタイミングの目安は、住宅内の箇所によって異なります。
まず住宅において、もっとも劣化が進行しやすい箇所を把握することが大切です。
そしてそれは外部と水廻りです。
劣化の原因は1番が紫外線と水です。
この2つに対処すれば住宅はかなり長持ちすると言っても良いでしょう。
紫外線と水の影響を受ける箇所はもちろん屋根と外壁です。
屋根と外壁は決して容易に劣化するような材質で構成されていません。
しかし、これらが劣化すると途端に住宅内部も含めて劣化が進行します。
悪質な営業も多数報告は受けますが、それは絶対無視してもらい定期的なメンテナンスをする計画を立ててみましょう。
期間としては10年を目安に考えることをおすすめします。
立地による影響で早まることやあまり劣化しないことも考えられますが、概ね10年毎に塗り替えなどをご検討頂ければ問題ないと思います。
ちなみ塗料メーカーの材料性能の目安は、種類に当然よりますが、やはり10年程度のものが多くあります。
また水廻りに関してですが、キッチン・浴室・洗面・トイレが該当します。
これらも10年を目安に交換などをご検討頂くと、ある程度の機能を保ちながら使い続けられると思います。
水廻りは設備機器が多く集中しますが、10年も経過するとほとんどの機器は性能が良くなり、交換するだけでも利便性や経済性が向上する可能性があります。
さらに水廻りは水分により設備機器周辺の仕上げが劣化する傾向がその他の部分より早い傾向があります。
ただし、勿体無いのがその周辺の仕上げだけを改修して設備も他も何もしない方がたまにいらっしゃいます。
もちろん判断は人それぞれですが、設備を入れ替えたら基本的には周辺の仕上げも改修しなければならなくなりますので、周辺の仕上げだけを改修することは避けるべきでしょう。
汚れやすく劣化しやすいですが、日々のメンテナンスを怠らず、設備入れ替えのタイミングと合わせられるように維持することをおすすめします。
屋根・外壁・水廻りの改修はおそらく多くの方にとってもよく耳にする内容であると思いますが、それ以外の改修を実施しない方は結構いらっしゃいます。
もちろん日々のメンテナンスが行き届いていると、する必要がないということもあり得ます。
しかし雰囲気の変更や利便性を向上させたいと考える方もいないわけではありませんが、いざ何をすれば良いかなかなか分からず、情報も手に入らないことも少なくないでしょう。
私の意見とはなりますが、そのような時に見直して頂きたいのが収納です。
はっきり言って収納力が改善すると、他のこともほとんど解消するという場合があります。
部屋を少し狭くしてでも収納力を向上させると部屋は片付き、これまで出来なかったインテリアも楽しむことが出来る可能性があります。
もし、それだけでは満足出来そうもなければ次に家具を変更してみましょう。
家具変更は改修ではないですが、本当に今の部屋にお使いの家具が合っているのか検討してみてください。
先入観でダイニングにはテーブル・椅子やリビングはソファとレイアウトしていませんでしょうか?
他の部分も然りですが、無理に家具を設置して部屋を窮屈で不便なものとしてしまうケースを多く目にします。
設置するにしても大きさが適切か、折りたたみ出来るものでも良いのではないかと検討してみましょう。
さらに雰囲気を変更するのに手っ取り早く、そして効果的なのは照明です。
つい壁紙を変えたり床を張り替えたりしがちですが、照明が変わる方が圧倒的に雰囲気が変わります。
注意としては、既存の照明器具を継承して交換すれば良いのではなく、光の照射の仕方を変える必要があります。
これを叶えるためには、場合によっては電気工事を行う必要もあります。
しかし、まずは今の環境で出来る照明計画を考えるのが良いでしょう。
多くの方がシーリングライト一台で照度を確保しますが、ペンダントライト・スポットライト・スタンドライト・フロアライトと幾つもの光源を検討していくことで空間に奥行きが生まれてきます。
きっと想像以上に部屋の雰囲気が変わると思いますし、金額的にも試すのに障害が少なく済みますので、一度ご検討してみてください。
それ以上こだわりたい方は、プロに依頼してみましょう。
多くの知識と材料を把握していますので、きっと良い提案をしてくれると思います。
しかし、まずはご自身でどのような対処が出来るのかを把握することで、プロに依頼した時もより正確なイメージを伝えることが出来るはずです。
身近な改修から手をつけてもらえるとより良い生活につながることでしょう。
では、また。
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