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洗面脱衣室(powder room) part2

前回(洗面脱衣室 part1)の続きです。

設備機能からみたプラン


前回までは人の活動面からみた機能を考えてきましたが、実際には設備機能もあります。
浴室まで含めれば、バス乾燥機・換気扇・洗面台・洗濯防水パン・照明・各種スイッチコンセントを考える必要があります。さらにそれらと関係してタオル掛け・ゴミ箱なんかは位置が左右されます。
これに関しては、本当に関心が薄くなりがちな印象を受けますが、綿密に考えた空間をいきなりストレスある空間とすることがあるので、致命傷にならない程度に考えておくことが必要だと思います。

脱衣室の設備機能

まずは、脱衣室に必要となる設備機能を羅列します。
・バス乾燥機のリモコン
・浴室照明スイッチ
・換気扇(ない場合もあります)
・洗濯機用水栓
・洗濯防水パン
・洗濯機用コンセント
・雑コンセント
・各所照明
・その他:タオル掛け、ゴミ箱(必要であれば)

洗面室の設備機能

次に洗面室に必要な設備機能を羅列します。
・洗面台(給水関係、排水含む)
・各所照明
・雑コンセント
・その他:タオル掛け、ゴミ箱(必要であれば)

これからわかるように、設備機能の観点からも脱衣室の方が多くの機能が集中することがわかります。

前回の脱衣室を例に、設備を当てはめていきたいと思います。


アクセサリー関係も合わせて配置しましたが、このくらい設備が整うとだいぶ使い勝手も良くなると思います。
図に記載しましたが、特にコンセントの位置は重要だと考えます。
ある程度家電をどこに置くか、家具をどこに置くかは決めた方が良いでしょう。
それでコンセントの位置は必然的に決められます。
ドライヤー、電動歯ブラシ、シェーバー、アイロン、ディフューザー、暖房機、サーキュレーター、掃除機。。
何を利用するかは人それぞれなので、お持ちの家電や検討してる物はどんな使い方をするか考えてみる事をおすすめします。

また余力がある方は照明に関してもご考慮ください。
一般的には照度が足りれば問題ありませんが、作業を考えると影をどのように処理するかが問題です。
例えば、、
作業台でアイロン掛けをするとなると手元に影はない方が良い。
しかし上部だけの光では難しいので手元灯を設ける。
さらに作業カウンター上部の照明は手元灯があれば不要。
むしろ通常時とは別で、雰囲気を変えるための間接照明を設置してみる。


作業カウンター上部のダウンライトをやめ、手元灯を設置
作業カウンター下に間接照明を設置

意匠について

設備も概ね整い、次に意匠に関して考えていきたいと思います。
上のプランでは洗面室としての機能がありませんが、ある程度水に対して考慮する必要があります。浴室からの湿気や、洗濯をした際の水や洗剤汚れが発生することを考えると、水に対して耐久性がある材料を採用することが無難だと言えます。

例えば、床やカウンターは木製を避け樹脂製のものが扱いやすいです。
また、収納扉なども表面がメラミンと言われる樹脂製にするとメンテナンス性も含めて高いと言えます。
色合いは白を基調にすると、統一しやすく汚れ具合も把握しやすいと思われます。
機能やメンテナンス性を考慮してくと、ある程度意匠も決まってきますね。

しかし、これに関しては色んな考え方があって良いと思います。
やはり生活する方の趣味思考がありますので、提示しました意匠はあくまで参考程度にお考えください。

変化をつけたい場合のいくつかの手法をこれからご提示したていきます。

水場に近いことは変わりないので耐水性を考えた場合、タイル・石は有効です。
タイル・石にした場合のメリットとしては、まずは風合いですよね。樹脂製の建材ではなかなか表現出来ない立体感や光の屈折具合が魅力です。
デメリットとしては、まず金額的に高いということ。そして、ツルツルしたものだと滑りやすく、滑りにくいようにザラつきのある材料だと靴下などの磨耗が早いので、スリッパなどを検討した方が良いかもしれません。また、素足でご利用される際には冷たさが気になるかもしれません。
床暖房にするには金額的に不都合があるかもしれませんので、暖房器具を用意頂くことをおすすめします。
その他でもちろんフローリングでも構いませんが、耐水性の観点から考えると劣化しやすくこまめなメンテナンス(水気をすぐに除去、表面のコーティングなど)があることを想定して頂ければと思います。

壁・天井

壁については、こちらもやはり耐水性からタイル・石は有効と言えます。剥がれ、落下のことを考えると天井面では採用しないことをおすすめします。
クロスもある程度耐水性があることと、掃除のしやすさから採用されることが多いです。劣化したとしても貼り替えもさほど大変な工事にならないためおすすめです。
塗装という可能性もありますが、汚れやすく汚れが付いた際に拭くことは可能だが、拭き跡が残ることがありますので、なるべく汚さないことを心掛けた方が良いかもしれません。ただ塗り重ねは出来ますので、その手間を許容出来れば排除する必要はないでしょう。

カウンターなどの造作

こちらもやはり耐水性を考慮した場合、石・人工大理石などが考えられます。
石はかなり高額になりますが、それなりの高級感は演出出来るはずです。ただ、カウンターだけ高級感を出すより全体的にグレードを上げた方が統一感は出ると思いますので、ご注意ください。
カウンター含め造作に関しては、水が常に付着することが少なく、拭き取ることも床ほどの大変さがないと考えれば木材を採用することもありえます。


照明

前述した通り、基本は照度を確保することが大切だと思います。
特に洗濯やアイロン掛けなどの作業場としても利用が多い場合、満遍なく明るいことは必須となり、光の色は温白色もしくは昼白色が良いでしょう。
作業を必要としない、もしくは照明を照度確保用とは別に用意して演出重視とする場合は、ブラケットライトや間接照明などをご検討ください。光の色は温白色もしくは電球色がおすすめとなります。

ここまで説明しましたが、先ほどまで出していたプランの仕上げを少し変えて意匠に変化を出してみたいと思います。






大きくは色の変更に留めましたが、インテリアも加え実感が持てれば良いのですが。


今回はここまでとして、次回は洗面室についてやっていきまとめたいと思います。
洗面脱衣室part3

ご参考になれば幸いです。

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