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「磯田道史と日本史を語ろう」

「磯田道史と日本史を語ろう」磯田道史著・文春新書2024年1月発行

著者は1970年生まれ、国際日本文化研究センター教授。「武士の家計簿」などの著書がある。

本書は各界の著名人と歴史の裏表を語る対談集。半藤一利は歴史上リーダーのトップに織田信長と源頼朝の二人を挙げる。信長は西の文化のリーダー、頼朝は東の文化のリーダーである。

歴史的に「西の文化」と「東の文化」が交代で、日本を支配してきた。平安時代までは西の文化、遊牧的、商業的文化、物を動かし、重箱の隅々まで資源を広げた。最後の西の文化のリーダーが信長である。

東の文化は農耕的文化、土地という限られた資源をどう分配するかが重要な文化。なるべく出っ張らないように振る舞う。東型文化のリーダーが頼朝であり、家康による江戸時代である。それが明治維新で薩長閥政権となり、西型文化に移転した。

戦国時代の三河武士で、のちに禅僧になった鈴木正三が述べた「リーダーの七つの条件」がある。

①先見の明
②時代の流れを的確に読む
③人の心をつかむ
④気遣いができる、
⑤自分の属する組織の構想を持っている
⑥大所高所で全体を見渡せる
⑦ふさわしい言葉使い、態度を持つ

鈴木正三は関ケ原の戦い以後、徳川秀忠に仕えた旗本だったが、42歳で遁世、出家した。今でも参考になる言葉である。


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