男が赤ブーのイベントに参加したら案の定売り上げゼロだった話

何故申し込んでしまったのか


去年の十二月頃から、僕は初の同人誌作成に打ち込んでいました。夏コミに出る予定だったのでその新刊を描いていて、作業は順調に進んでいました。そして四月か五月(詳しく覚えていない)頃になって、

「これ、もう一つイベント出れるんじゃね?」

と思いつきました。実際、納期には余裕があり、結果的には夏コミで新刊三冊、赤ブーブー通信社様のイベント、全空の覇者(GOOD COMIC CITY)(ギリギリ今日)に一冊発行することができました。

では何が問題だったのか。それは参加者の層。後から知ったんですけど、赤ブーブー通信社様のイベントって女性向け(特にBL)が多いんですね。多分。しっかり調べていないので間違っていたらすみません。

しかし僕は勢いだけで全空のページへと辿り着き、少しも調べずノリで応募してしまいました。

「グラブルのオンリーならマイナーキャラ本でも買ってもらえる可能性高いしいいじゃん!」

この時の僕は全空がホール単位で開催され、参加者の殆どが男性なものだと完全に信じ込んでいました。だって僕のTLにはグラブルの可愛い女の子のイラストがポンポン上がってくるし、と言い訳しておきます。そういうのを描く人ばっかフォローしてるから当然なんですけど。更に蛇足ですが僕の推しカプはグラーサ、つまりグラン×サラーサです。グラサラではないのはサラと言うキャラクターがいるからでしょうね。増えろグラーサ。

まあそんなことは今回どうでもよくて。次の話をしますね。


日付が近くなって

全空のカタログはお金を払うと早めに、払わない場合は直前に見ることのできるシステムで、夏コミも終わり、冬コミと冬の東京開催の全空に向けて原稿を描いていた僕は、休憩がてらイベント(全空)三日前になって初めてカタログを見たんですね。

びっくりした。

まず予想以上にスペースが少ない。その数なんと24サークル。まあこの数字を少ないととらえるのは飽くまで僕の主観ですし、誰に文句を言えることでもないんですけども。でもグラブル好きとしては少し寂しいものがあります。
そしてそれ以上にびっくりしたのが、

22サークルBL。

グラブルの女子(特に腐女子?)人気は知っていたつもりなのですが、ここまで占有するほどのものなのかと驚愕しました。
そこで併催のオンリーを見てみると、

「あー、なんかBLが描きやすそうなジャンル多いなぁ。」

予防のために言っておくと、僕は腐女子の方々に特に偏見は無いし、難なら普通の女の子よりオタク趣味に理解のある腐女子の女の子と付き合いたいなと思ってるくらいです。僕も百合作品読むし似たようなもんでしょ、くらいにしか思ってません。

まあそれは置いておいて。

調べると、どうも赤ブーブー通信社様は女性向けが多い、とのことで。これじゃああんまり売れないかなー、参ったなー、と思っていました。それでも折角頂いたスペースを無駄にするわけにもいかないのでとりあえず行ってみることにはしました。ワンチャン売れるかもしれないしね!と期待も込めて。

行ってみて

特定が怖いので細かくは話しませんが、乗り換えたり電車に乗ったりすると段々上がっていく女性率……

「コミケの逆だなぁ……」

なんて考えながら電車に揺られ、
着きました、ビッグサイト!(写真撮り忘れた)
コミケの時はサクチケ持ってると待たずにスルっと入れたのに対して今回は長蛇の列で、驚きました。動き自体はかなりスムーズだったのですぐには入れたんですけども。

「これは男女の違いだったりするのかな……?」

なんて思いながら入りました。

入って設営。コミケで一回やって慣れたので、新刊一冊分増えたのでスペースはキツくなりましたがサクッと終わり。結果的には一時間半くらい開場を待ちました。
コミケの時は両隣のサークルさんがお休みだったので少し寂しかったですが今回はお隣さんがおり、小さな夢だった開場前の「今日はよろしくお願いしまーす」もできて気分上々。やることがなくて隣のサークルさんを少し見てたら新刊が良さそうだったので開場したら買おうと決めて、開場の前にトイレ行っとくか……とトイレへ向かったところ、

「女子トイレになっとる!?」

どうやら男はホール外のトイレを使えとのことだったのでUターンしてホール外へ。小便器一つと個室一つの小さなトイレでした。なんだかんだイベントの男女比を一番感じた瞬間だったかもしれません。

開場! おはようございまーす!

アナウンスが流れます。皆でパチパチ手を叩きました。正直この辺まではワンチャンあると思ってました。

【悲報】ワンチャン、無い

んなもん無かった。そもそも天下のコミケで(身内を除き)一部づつしか売れなかったサークルが女性がほとんどの場で売れるわけが無かった。辛い時間でした。あまりに辛かったのでサークルを売り子の友人に任せて出張編集部へ。

出張編集部

漫画は単行本派の僕、あまり出版社の名前に詳しくなく、ブースの周りをうろうろしていると、

「出張編集部希望の方ですかー?」

スタッフのお姉さんが声をかけてくれた。このお姉さん、とても優しく、描いているジャンルを言ったら、

「それならこの辺かこの辺、あとは今回は~」

等ととても丁寧に応対してくれた。これだけで赤ブー様への好感度が上がった。それと驚いたのが、男性の描くラブコメでも対応してくれる出版社さんが多かったこと。今までが今までだったので正直びっくりした。レパートリーがあるのはいいこと。

正直知ってる出版社もあったが小心者故ビビッて大手は避け知らない出版社のブースへ。(お世話になった出版社さんへ。知らないのに行ってホントごめんなさい。画面越しに土下座をしておきます。)

必要事項(名前、ペンネーム、連絡先など)、来た目的(商業希望、もしくは同人のクオリティを上げたい)、してほしいコメント(甘口、中辛、辛口、僕は他人の言葉に弱いので甘口に)等書いていざ編集さんの前へ。ド緊張しました。

その後編集さんが僕の同人誌を読んでいる間プロのネームと本原稿を見比べさせてもらい、面接スタート。
ちなみに面接は10分厳守、と言われていて、読んでいる時間入れたら実質5分くらいでは……? と思っていたのですが、ちゃんと話し始めから10分でした。

面接内容は甘口にしたお陰で誉め言葉からのスタート。ここがいい、ここがいい、と褒めてもらって嬉しかったです。一方ダメ出しはというと、柔らかめに少し入れてもらいました。正直自分でも直したいなーと思っているところが多かったので、やはりここらへんを直すべきなのだなと再認識。その後はいくつか質問をさせてもらって終了。あっという間の10分でした。かなり身になった気がします。何よりプロの編集の方に見て貰ったという事実そのものが嬉しい。

スペースに帰って

やはりというべきか売れてはいませんでした。その後はただただ虚無。丁度会場の時計が目の前にあったので時がゆっくり流れるのを感じながら通り過ぎる人を見つめていました。

帰る

これ以上居ても、売れないという事実に精神と創作意欲が削られるだけだと思い、少し早めに撤収しました。

まとめ

赤ブー様は女性向けのイベント会社です。会場には男性もちらほらいましたが殆どは女性。サークル参加者も殆ど(こっちは見た限りでは全く男性を見なかった)女性。女性の世界です。意外と男性もいるよ、とかいうネット記事もあったのですが、少なくとも男性向けを描く同人歴2週間(初参加から数えて)の駆け出しサークルは売れないか、売れても極少数だと思います。まあ、事前の知名度とかでも変わってくるんで何とも言い難い部分はありますが……

出張編集部は行く価値アリ! 駆け出しの拙い作品でも真剣に向き合ってくれます!

あとトイレは小さい。でも混まない。

ということで出張編集部の魅力に僅かばかり後ろ髪を引かれますが僕は冬の全空には出ません。出れるイベントが減った悲しみと同時に一冊仕上げなくて良くなって去年の冬からずっと原稿に追われていた生活が少し落ち着くと思うとホッとした気分になります。

初めての拙いnoteをここまで読んでくれてありがとうございます。


あ、コレエアブー(赤ブー様のオンライン同人誌即売会)のために一応作った通販ページです。https://bakushishin.booth.pm/

サラーサちゃんが好きだったら買って下さい。そしてグラーサ本を作ってください(切実)

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