2023/4/3 君はなんの虫だと思う

今日は10時ころに起きた。
ここのところ天気がいい。天気が良すぎるとなんだか気持ちが落ち込んでしまう。私の前世はアジサイだったのだろう。でも、アジサイもたまたま雨の時期に花が咲いてしまうだけで雨が好きではないかもしれない。
雨が降ると多少うまくいかなくても雨のせいにできるから良いものだ。

今日は15:20から東洋館で10分間の出番だ。

まだ時間に余裕があるので、朝食のカレーを食べて支度をしてウーバーをやる。天気がいい日にウーバーをやるととても気持ちがいい。
私の前世はヒマワリだったのだろう。
私は台東区に住んでいる。おのずと東側の東京をよくバイクで走ることになる。以前は椎名町に住んでいた。こちらは西側の東京だ。
椎名町に住んでいた時に出前館でアルバイトを始めて、池袋、新宿あたりをよくバイクで走っていた。西と東どちらもバイクで走った経験をもっている。

やはり東側のほうが性に合っていると感じる。西はアクティブな人が多くて頑張りを強要されている感覚になる。

今日はバイクで走っていて、ふと右のサイドミラーを見るとスカイツリーがミラーに移っていてエモーショナルな気分になった。
鏡越しで見ることで、直に見るよりも情緒がでる。
まさに、漫才でも婉曲的に表現することで「いとをかし」となるのに似ている。また漫才の話してるよ。

14時ころに東洋館につく。まずは今日のネタを合わせて、ポッドキャストの録音をする。
そこから10分間の漫才だ。今日はナイツさん、おぼんこぼんさんと漫才協会の二大巨頭がお目見えする日だ。お客様もたくさんいる。

お客さんがたくさんいると、私は嬉しい気持ちと嫌だなと言う気持ちのどちらも発現する。私自身、今の自分たちの漫才にまったくと言っていいほど納得できていない。もちろん全力でやってはいるが、こんなものをお客様からお金と時間をいただいて見せることは罪を犯しているような気持ちだ。お客様の数が増えるほど罪の重みが増していくのだ。

漫才を10分やる。なんとか自害しなかった。私の偉いところはどれだけ自分を責めても自害しないところにあると思う。
ゴキブリといっしょである。ゴキブリも人間の家に入ることに申し訳なさを感じているはずだ。恥ずかしいことをしていないと自信があるなら、あんなに逃げ回らなくてもいいはずだ。あんなに生きることを恥ずかしいと思ってこそこそ生きているのに、ときたま人前をサーッと通り過ぎる。我々の舞台のようだ。

普段、陰に隠れており、そのままこっそり死んでいけばいいものを、ときたま頭がおかしくなって人前にサッと現れる。そして殺されそうになる。
また陰に隠れる。これを繰り返す。
まさに、私はゴキブリと同じなのだ。

さて、出番を終えて帰宅することにした。東洋館を出たところで、おぼん師匠が私はどなたか存じ上げない方とお話をしていた。
あいさつをして帰ろうとすると。おぼん師匠は「歯切れのいい漫才をやっていたな」と言葉をいただいた。表情やニュアンスからおそらく褒めていただいたのだろう。うれしい限りだ。
私がゴキブリならおぼん師匠はカブトムシである。漫才協会の漫才師が東洋館の前で堂々と立ち話をしている。王者の風格である。
夜に山に行ってクヌギの木を探せばカブトムシが見つけられる、とみな知ったうえで山に行く。本当にいる。
浅草の東洋館に行けば漫才師がいる。とみんな知ったうえで行って、おぼん師匠がいる。
まさにおぼん師匠はカブトムシだ。

まったく関係ない話をひとつ。
おととしくらいの漫才新人大賞の決勝戦で私はお客様の検温消毒作業、袖の手伝いなどをやった。検温消毒をやっていると、おぼん師匠がやってきてお客様に「たのしんでってな~」などとカブトムシとして声をかけていた。
その後、Twitterでこの大会について調べていると「おぼん師匠が手伝いをやっていた。若手は見習え!何をしているんだ」とつぶやいている人がいた。
私はそのおぼん師匠のすぐ隣で手伝いをしていた。若手も手伝いをやっていたのにあなたが知らないだけでしょ。殴るぞと思った。

と全く関係ない腹立ちエピソードが出た。腹が立ったことって一生憶えているもんである。ひとの腹を立たせないように生きたいものである。

カブトムシから褒められたので、まあ私はカナブンということでいいのだろうか。いや、カナブンほどきれいな羽も持っていない。
やっぱり私はゴキブリとしてタンスの裏でネタ作りを頑張ります。いまでていったらはたかれて殺されますので。

帰宅して、ランチタイムだ。今日はキャベツと豆腐、おにぎりをいただいた。健康的である。
その後、30分ほど昼寝をしてまたもやウーバーをやった。

帰宅後にYoutubeの撮影を行って23:00くらいになる。そこからなんだか気が乗ってきたので「ウィッカーマン」という映画を見た。
なんだかおもしろそうだと思いながらも見れていなかった。この映画は面白かった。とても面白いのだが、この映画はまさに私のような影に潜んでいる人間が好むタイプの映画だった。

敬虔なカトリックの主人公が、よくわからないカルト宗教を信じる人々が住む島に上陸してドイヒーな目にあってしまうというものだ。
もうこの二行ほどのあらすじで面白そうだと思わないだろうか。思わないよね。
世間はタイタニック最高!と思うタイプの人がメインだ。イケメンと美女がいろいろ苦難を乗り越えて愛を手に入れる。こんなのが世間的には最高の映画だ。

いろいろ感想を書こうと思ったのだが、バイトに行かなければいけない時間になった。
はー。働けど働けど、我が暮らし楽にならざり。

でも私はゴキブリだ。働きまくって、ある日ひとつのミスで殺される運命にあるのだ。今日がその日でないことを祈って出発することとしよう。

でも、こんなに暗いことばっかり言っている日記を読んでくれているような皆様にはウィッカーマンも面白いと思って見られると思う。
おすすめです。

今日面白いと思ったことは「自分がなんの虫か自認して生きると面白そうだ」





こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。