2024/07/11 ようやく「静かなるドン」読んだよ

ずっと横になっていると腰が痛くなってしまいますね。今日あったのはこれくらい。

ようやっと「静かなるドン」という漫画を読み終えた。いつ読み始めたのだっけか、コロナが流行り始めたのは2019年の末くらいだったかしら。
2020年になれば、それはもうパンデミックもパンデミック、お笑いなんかやったら殺されるのではないかという雰囲気すらあった。
そんななか、新宿で「イケメン人狼」というあきらかにやばいイベントが開催され、そこで巨大なクラスターが発生、尾上松緑さんがブログで大激怒というニュースがありました。

関係ない話をした。で、コロナでお笑いもできないよなというときに、無料の漫画アプリを入れてみることにする。そこで静かなるドンを読み始める。静かなるドンは電子書籍でとんでもない大ヒットをしているらしい。私もまさにそれの後押しをした形だ。
とても面白く、どんどん読みたいのだが1日1話とか2話ずつ無料なので、なかなか読み進められない。かしこい私は気づいた。これは無料の漫画アプリを複数入れればいいのだ。A、B、Cとアプリを入れてAで第1話を読んだらBで第2話、Cで第3話。という読み方だ。あまりにもかしこい。日本政府は私をホワイトハッカーとして雇うべきだ。

そんなこんなで、毎日無料の話を読んでいたら、50巻くらいだったろうかで、完全有料となる。いくら待とうが続きを読むことはできない。そのタイミングだろうか、少し前かにU-nextに入った。U-nextが良いのは月々2000円程度とサブスクの中では値段が高めだが、毎月1200円分くらいのポイントがもらえる。そのポイントはサイト内で現金のように使うことができる。このポイントを使って、月に1冊から2冊を読み続けた。
100巻くらいまで読んだところで私の悪い癖が出てしまった。最終回が近づくと、見たり読んだりが急激に面倒くさくなる癖だ。この癖はいつか直せたらいいとは思うが、別に迷惑をかけているわけでもないからこのままでもいいかとも思ったりする。

約1年くらいほったらかしてしまった。そんな中で、ここまで暇を頂戴することも無いから、思い切って最後まで読んだ。
昨日分では「七夕の国」を絶賛したが「静かなるドン」もかなり面白い。

物語をいまさらながら簡単に説明する。
昼は女性用下着メーカーのさえないデザイナー、夜はヤクザのドンをこなす近藤静也が会社で大慌て、ヤクザで大暴れという痛快ギャグ任侠漫画である。
この説明は読んだことが無くてもなんとなく知っているという方も多いかもしれない。この説明はあっているようでちょっと違うのが、終盤に入っていけば、静也は日本最大の任侠団体のドンでありながら「日本からヤクザを無くす」という目的に向けてあれやこれやと頑張る。その頑張る中で、世界を裏で牛耳る組織と戦ったり、時には国内の他の団体と力を合わせたり、抗争したりする様が描かれる。

前半のギャグメインの展開はもちろん面白い。後半は半ばバトル漫画のようになっていく。最初はギャグで途中からバトル漫画化する展開はだいたい飽きてくる。しかし、静かなるドンはバトル中にもかなりのハイペースでギャグを入れて、バトル漫画が好みじゃない私でも楽しく読めた。
お下品ギャグを挟みながらのバトルは、ジャングルの王者ターちゃんをほうふつとさせる。どっちが影響を受けたのか、影響をそもそも受けていない可能性もある。じゃあ言うなよ。いや、似た雰囲気があるなと思ったから言いたかったのさ。

静かなるドンの魅力はキャラクターの活き活きした感じだ。うーん、と思ってしまう漫画では、役割をこなすために登場したかのような動きばかりするキャラクターがしばしば現れる。この漫画では、全員が自由にありありと動き回る。だからこそ予想できない展開になることもあるし、それでもこの人ならそんなこともするよなと納得できる。
その点においてはドカベンのようでもある。ドカベンの有名なエピソードに、山田を三振させようとスイングの様を描いていたら思ったよりもかっこよく、鋭いスイングの絵が描けたもんだからホームランにした、というのがある。山田太郎が漫画の中で生きて、打席に立って、本当に投手と戦っているからこそ、本当の野球のような臨場感が感じ取られるのだ。
静かなるドンにおいて、メインヒロインとなっている秋野明美は物語の開始当初は若手で少女のような三つ編みをした、近藤にとってはデザイナーの先輩だった。秋野は物語の中でぐんぐん出世していく。果ては敵対組織に一人で向かって見たり、拳銃で暴れてみたりと大立ち回り。これ、作者はここまで想定していなかったんじゃないかなと思う。秋野が活き活きと自ら、自分の生き方を切り開いているように見えた。

全108巻で、割とセリフが多めなのでとてつもなく時間がかかるが、まだ読んでいない人はぜひ読んでいただきたい。と言っては見たが、連載開始が1988年の作品をいままで読んでいない人が今から読むとは思えない。読まないか。
同じ作者で「凡人組シリーズ」もあるが、こちらも似たようなテイストで面白い。全部読んでね。

終わりー。
今日面白いと思ったことは「有名な漫画はやっぱりおもしろいから有名なのだ」

こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。