見出し画像

グラボの適正価格 ~これからグラボ、ゲーミングPCを買う方へ向けて~

2021年初頭から半導体不足とマイニング需要でグラボの価格が高騰しています。この記事ではRTX30シリーズの適正価格について書こうと思います。
この記事は2021年6月初旬に書かれたものです。

PCパーツの価格について

この記事をお読みの方ならご存じだと思いますが、CPUやGPU等のPCパーツは発売直後は割高でご祝儀価格と言われています。その後数か月で価格が下落し、一定の水準で安定します。

ここで2016年夏頃に発売されたGTX10シリーズの価格を紹介します。

GTX10シリーズ

メーカー想定価格, 発売後数か月の安定価格(税込)
1060 $299 32000円
1070 $449 55000円
1080 $599 80000円


RTX30シリーズの価格

RTX30シリーズは品薄により価格が高騰しておりまともな価格設定がされていません。以下のような価格設定がされています。

2021年6月頃のRTX30シリーズの価格
3060 9万円
3070 15万円
3080 20万円


ここで、半導体不足もマイニング需要も無く普通の価格で取引されていたGTX10シリーズの価格を参考にRTX30シリーズの適正価格を算出してみたいと思います。

10シリーズのメーカー想定価格と実売安定価格の比率を30シリーズに当てはめ、以下のように計算します。
A: 30シリーズメーカー想定価格
B: 10シリーズメーカー想定価格
C: 10シリーズ安定時価格
D: 30シリーズ適正価格
D=A/B*C

計算したRTX30シリーズの適正価格は以下のようになります。

RTX30シリーズ
メーカー想定価格, 適正価格
3060 $329 35211円
3070 $499 61125円
3080 $699 93359円

現在つけられている価格からは想像も付かない価格ですが、これが発売から数か月経った辺りで想定されるRTX30シリーズの本来の適正価格です。これは発売から2,3か月経過後の適正価格であり、発売から1年以上経過すればさらに適正価格は下落します。

売る側も買う側もRTX30シリーズは高いのが当たり前になってしまっています。その為現在よりもグラボの価格が下落したとしても適正価格より割高な可能性が高いと私は考えています。高騰した価格に慣れてしまうと本当は適正価格よりも割高の商品であっても安く感じて購入してしまうかもしれません。RTX3060が5万円だったら安いと感じませんか?しかし3060の適正価格は高くても4万円までです。

まとめ

私は品薄が改善したとしてもすぐにRTX30シリーズを買うべきではないと思います。その理由は以下のようになります。

1.品薄が解消して価格が下落したとしても適正価格より割高である可能性が高い。
2.高騰の後なので割高でも安く感じてしまう。

割高であるにも関わらずその価格で売れ続けるといつまでも適正価格にならないので適正価格になるまで待った方がいいと思います。












以下、雑談です。
--------------------------------------------------------
私は日本でもっとPC人口が増えて欲しいと考えています。その為にはPCパーツの購入や交換はもっと一般的であるべきです。ここ数年は高性能PCの市場が活況のようですが、高性能PCはマニアか金銭的に余裕のある人の為のものというイメージが未だに根強いです。
GTX10シリーズの登場はコストパフォーマンスの高さから高性能PCの敷居を大きく下げました。RTX30シリーズも本来10シリーズのように手頃な価格で高性能な環境を提供することでさらに高性能PCへの間口を広げるものであったはずです。しかし現状のRTX30シリーズの価格は高性能PCの敷居をさらに高いところへ押し上げようとしています。
最近はPCショップでRTX30シリーズがかなり割高な価格設定がされており、しばらくは割高な価格設定が続きそうですが、もし在庫が潤沢に回復したらすぐに適正価格に改めるべきだと思います。もし目先の利益にとらわれ適正価格に戻さなかった場合、長期的に見るとマニアと金持ちしか残らず市場の縮小を招く恐れがあります。
PCパーツが安価になることで購入の敷居が下がることがPC人口拡大に重要なことだと思うので割高な価格設定は是正されるべきだと考えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?