タイトル詐欺
「黄色い本」と言われて、皆さんはどの書物を思い浮かべますか?
私が思い浮かべるのは一冊だけ。
「ふたりエッチ」です。
おそらく名前だけは知っているでしょう。
「タイトルだけは知っている漫画ランキング」があるとすれば、間違いなく上位候補だと思います。
私も読んでいたわけではないのですが、あのタイトルと黄色い表紙は深く脳に刻まれています。
子供というのはどういうことが ”エッチ” なのかはわかりません。
しかし、”エッチ” がタイトルに入っている漫画が ”エッチ” だということは間違いありません。
”ふたり”で”エッチ”、なんてわかりやすいタイトルなんでしょう。
”ポテト"・"チップス” くらいわかりやすい名前。
子供のころ初めてそのタイトルを本屋で目にした私は、あの黄色い本のページをめくりたくてしょうがなかった。
でも買うことはできない。
理由はエッチだから。
少年だった私は、あのただただ黄色い表紙を眺めることしかできませんでした。
しかしある日、チャンスが訪れました。
住んでいるところの近所にセブンイレブンができたのですが、あろうことか漫画のコーナーに「ふたりエッチ」が置いてあったのです。
しかも立ち読みできる状態で。
「これを立ち読みしているのを人に見られたときは、一生クラスの笑いものだ」
そんな覚悟をして、私はあの本を立ち読みするチャンスをうかがってました。
そして、ある客足が少ない日に、わたしは深呼吸をして黄色い本を手に取り、一瞬だけページをめくりました。
5人でエッチしてました。
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