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【アイカツ】孤独のプラネ【初プレイ】

『アイカツプラネット!』が面白い。

元々日曜朝のアニメを見る習慣はなかったが、私が応援しているアイドル『私立恵比寿中学(エビ中)』の元メンバーがメインキャストを務めるということで興味を持ち、気が付けば虜になっていた。

日頃アイドルを応援している身からすれば、アイドルがテーマの学園ドラマが面白くないわけがない。アニメやCGのクオリティも高く、劇中の楽曲もアイドルらしくジャンルが豊富。この面白さ、誰かと共有したくなる。

だが、私が楽しんでいるのはあくまで映像作品としてのアイカツで、その大元である筐体はプレイしたことがない。理由はただひとつ、私が女児ではなく男大人だからだ。家庭用ゲーム機でプレイできるのならいいが、人前で筐体をプレイするには羞恥心が伴う。

しかし、ツイッターでアイカツについて話をしていると、私みたいなアイドルきっかけのアイカツファンもちゃんと筐体をプレイしている。そうなると、まだプレイしてないことの方に恥ずかしさを感じ始めた。プレイしていないことの言い訳がほしい。

「近所にアイカツの筐体がないから」
という言い訳を作るために、遊べるお店を検索した。

自宅から約2km離れたMr.Maxに置いてあった。チャリで10分程度。しょうがないので、Mr.Maxに行くことにした。

自転車を漕ぎながら、次の言い訳を考える。
「女の子がプレイ中だった」
こうなったらプレイ出来なくてもしょうがない。女の子向けのゲームなんだから女の子が優先してプレイすべきだし、アイカツをプレイしている女の子の後ろに大男が立っていると、店内に防犯ブザーの音が響き渡りかねない。

そんなことを考えながらMr.Maxに入店すると、今まで見てきたアイカツプラネットで聞いたことがある声が耳に届いた。
「やっぱりプレイしている子がいるか。今日はあきらめよう」
と思って筐体の方を見たら、私と同い年くらいの男性がプレイしていた。

言い訳がなくなってしまった。その方のプレイが終了するまで後ろで待つのも気まずいので、店内を物色しセール中のお菓子を購入する。再び筐体の元へ向かうと男性はいなくなっていた。

「財布に100円玉がなかった」
と言い訳できればプレイを諦めたが、6枚入ってた。

100円玉を1枚入れると、ゲームをプレイするか、スイングをもらうか、スイングをもらいつつゲームをプレイするかの選択肢が表示される。最後の選択肢に決めた。もう1枚100円玉を入れるとスイングが排出される。

なるほど、これは集めたくなるかもしれない。昔プレイしたムシキングのような紙製ではなく、少し厚みのある正方形のプラ製カード。トナカイを縁取る線が輝いていてカッコいい。

アニメキャラクターによる案内に従い、筐体の操作を続ける。家を出る前に万が一に備えて登録したアイカツライセンスのQRコードをかざすと、プロフィールとアバターの作成モードに突入した。女の子のキャラクターの顔パーツや髪色等を変更できる。設定中、左上に残り時間が表示されていたので焦りつつアバターを作成。名前をどうするか悩んだが、私がラジオ番組『深夜の馬鹿力』に投稿するときに使う『じゃが山りこ』にした。エビ中のメンバーである中山莉子さんの名前をもじったもので、自分の中でも気に入っている。

入らなかった。

いよいよゲームプレイの時間。プレイヤーは好きな曲を選択できる。アイカツプラネットを見てきた人にとって、グレイテスト・ヒッツかのようなラインナップ。「レディ・レディ・レディ」を選択。ゲーム内容はタッチ形式のシンプルなリズムゲームである。

楽しい。何が楽しいかというと、好きなアイドルの曲でリズムゲームをプレイできている、というところにあるかもしれない。認知度の高いグループの認知度の高い曲ならリズムゲームに収録されることはあるが、私が推してきたアイドルのリズムゲームはあまりなかった気がする。日曜朝に聞いてきた曲を、日曜朝に見た覚えのある振り付けでアバターが踊っている。なるほど、これは沼だ。足を踏み入れたときに、ようやくそこが沼だと気付く。

勝った。後ろに人がいないことを確認し、もう200円入れる。『またまたまたまたまた明日』を選択し、プレイしていると警備員さんに
「一応言うとくけど、9時に閉店だよ」
と声を掛けられた。携帯を見ると20時45分。このプレイで今日は最後にした。プレイ終了後に、その日のランキングが表示されるのもゲーセンの筐体ならでは。

私の名前が浮いている気がする。私の前にプレイしていた男性は、かんなだったのか、みなみだったのか。財布の中にある残りの200円をスイングと引き換え、手を消毒してMr.Maxをあとにした。

自転車に乗りながら次の言い訳を考える。
「Mr.Maxではお菓子のセールをやってるから」
これを言い訳に、またアイカツをプレイしに行こう。


いつもキレイに使っていただき、ありがとうございます。