コロナの業界別影響を網羅的にまとめてみた②
仕事柄、多様な職種の企業と関わっている。コロナ禍は業界ごとに全く異なる影響を与えているのを目の当たりにしてきた。今回はここ2年の総括をして特筆すべき事柄を思いつく限り伝えて行こうと思う。
予防対策の良し悪し
感染予防のために、商談ブースでのアクリル板、消毒、検温や訪問記録などは知られていることである。
業種を特定して話すことは控えるが、作業場をカーテンで仕切って、感染が広がらないようにしている事業所があった。
注意すべき点は、これが消防法の違反の恐れがあるとの事だ。
近くに火の気や照明などはないか、カーテンに防炎性能はあるか、スプリンクラーなど消防設備に支障はないのか、などを確認しなければならない。
また近くの消防署などへ問い合わせて、それら基準が満たされているかを確認しなければならないようだ。
逆にうまいやり方だなと思った対策として、アクリル板に穴を開けて結束バンドにてポールに固定することをされていた会社があった。
(イメージ図)
こうすることで、机の上などの小規模なパーテーションより、大きく空間を区切ることができる。
このような日曜大工のような取り組みを行なっている会社も2社ほど知る機会があった。
また、アベノマスクを付ける人は見かけないが、通常のマスクの中にアベノマスクを二重ガーゼとして入れて、より密閉性の高めている職員の方もいた。
コロナ関連特需
何社かコロナ関連の特需で儲けていたり、売上減を下支えしようという会社もあった。
例えばマスク。
大手企業は、それを制服や作業服の一部として取り入れようとしていたりする。
そこで、布マスクなどに企業のロゴを入れるための受注があったりする。
その他、検温機。
中国で作られた機器類が多くにある情報を嗅ぎつけ、急遽、仕入れて販売して、大きく売上を伸ばす会社もあった。
パン屋。
リモートワークが増えたサラリーマン。彼らが住まう中心街から離れたベッドタウンで営むパン屋さんは、お昼時など特需というほどではないが、いつもより売上は好調なようだ。
セミナー。
これまで実際に講習会場へ足を運び、集客していた講師の方。
これがリモート講義できるようになり、物理的な制約がほとんどなくなった。
自宅や会社にいながら、大量の受講者に対してzoomなどで講話することが可能となったとこのとだ。
消費者や仕事場の変化
コロナを機に、構造的なライフスタイルの変化が起こっている。構造と言うからには一時的なものではないため、これらに関わる会社は存亡に関わりうると思う。
・リアル店舗よりUber eats。
飲食店は持ち帰り用、宅配用に備えることは、必須の時代になりつつあると思う。
・出張よりzoom会議。
出張にかかわる電鉄、宿泊などは売上減の要因となっている。
・新年会忘年会の意義や文化が薄れる。
・年配者の同好会のより集りが少なくなる
これらにより飲食店では、まとまった団体客が少なくなっている。
・世の中全体として紙よりデータへ。
これらに関わる印刷業界はますます苦戦を強いられると思われる。
またテレビよりYouTubeなどネットへの関心が全世代的に進んだということもあると思われる。
労災への請求
会社によっては複数人陽性者が出てきているところもある。この場合、業務によって病気になったと推定され労災請求が可能となる。
健康保険の傷病手当は給与の6割強補償されるが、労災となると8割補償されることになる。
また民間の労災上乗せの保険に加入している場合、そこからも支給されることが多いようだ。
厚生労働省の指針では、感染経路が不明確であっても、不特定多数の人と接するような飲食や介護、タクシーなどの業種では労災として取り扱うようにしている。
また、この労災の休業手当に加えて、休ませたことによる雇用調整助成金も申請している会社もある。
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