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コロナの業界別影響を網羅的にまとめてみた

仕事がら20代の頃より年間、数百社の様々な業種の経営者とお話しする機会に恵まれている。

今回のコロナ災害は、業界ごとに全く違う様相の影響を与えている。
これらを今回、出来るだけ誰もがあまり知らないようなポイントを網羅的に話していこう思う。

●消費性向が業界ごとに違う

タクシー業界は、緊急事態宣言下で、人の行き来が無くなったため、大きく売上を落とした。

一度、失った売上(乗車してもらう)は、後で取り返せない。

一方、製造業や建設業は、一旦中止停止になるが、売上がずれ込んで後でまとまって発注があるという傾向にある。

このように売上が、消失するタイプと、ずれ込むタイプがあると思われる。

また飲食などのようにすぐ売上減につながるところがある一方、建築業界では、例えばマンションやビル建設などは、3-4年のスパンで計画が進められているため、すぐに影響は現れず何年後かに大きく影響が出てくる業界もあるとの事だ。

●特に大きく影響を受けている業界

飲食や宿泊、イベントを思い浮かべる方が多いと思う。

一つは、産業用機械器具製造業が影響を受けている。

これらに使われる半製品は、以前のように日本では作られず、アジア各国で作らせたり、現地メーカーに依頼するようになっている。

アジアではコロナのロックダウンなどの影響が非常に大きく、モノが輸入できなくなっている。アジアで作られたものは、自国優先で使い回されているようだ。また、中国が国策で買い占めたりしていると考えれる。

イベントというと、コンサートやスポーツ、文芸などの主催者を思い浮かべる方も多いが、イベントいわゆる催事は多種多様にあり、そこには多くの業者が関わっている。

例えば、そこに食品や食器類を納入していたり、案内の立て札や看板を制作しているメーカーなどが影響を受けているのだ。

宿泊も、ホテルのシーツや飲食のお手拭き、またサラリーマンの制服などのクリーニング店も大きく影響を受けている。

サラリーマンが、出張もせず、リモートワークをする事で、クリーニングの需要は減り、宿泊も減り、紳士服店も大きく売上を落としている。

人や物を運ぶ業界も影響は多種多様のように思う。

人がこもりがちになったことで、ネット通販が隆興し、それを運ぶ運送業は、売上が上がるどころか、人材不足にまで陥っていると思われる。

ただ、産業用に使われる機械類を輸送する運送業者は、売上を落としていると聞く。
先程のネット通販は小物類が多いが、機械類の運送は何トンという大きな部材を運んでいる。
特に輸入が減るなどしているため、輸入した物をメーカーへ運び入れる運送屋は、売上が減っているのだろう。

人を運ぶ航空便は売上を落としているが、ものを運ぶ航空便関連は、単価を上げるなどで売上は堅調とのことだ。

同じ金属加工業でも、輸入した大きな鉄板を切る業種は、売上を大きく落としているが、機械に使われる小さく高度な技術が必要な金属加工業は、売上が堅調だ。

百貨店も売上が下がっている業種だが、百貨店の店舗入れ替え時の内装などの業種も大きく売上を落としている。

また、番組制作は下請け構造となっていて、その下請けの番組制作会社も、ロケや海外撮影などは中止となるなど、影響を受けている。

もう一つ、コロナを機に、ますます紙が使われなくなり、データでの情報提供が進むため、印刷業も苦戦を強いられていると思われる。

特に、電鉄も厳しいが、例えば電車内の広告に関わる業種も以前厳しいと思われる。

総じて、どこも20%ほど売上を下げている印象であり、それ以上売上減がある会社は、コロナの影響が大きいと考えていい。

●ロビー活動の強い業種が支援金多いのか?

このように、宿泊飲食店が売上を落としてるとはいっても、それに関連する業者も大きく影響を受けている。

それなのに飲食店が時短協力金などで、政府から手厚い支援金をもらっているのは何故だろう。

これはおそらく、個人店が加盟する全国の飲食店組合が、政治家の要人へのロビー活動を積極的に行っているからと推察される。

飲食、宿泊や旅行業、医療機関は、かなり政府からの支援が行き届いているが、これらの業界組合と政治家との距離感が近いのだと思う。

それ以外の業種で、大きに財政的支えになっているのは、持続から給付金200万円ではなく、従業員を休ませてもらえる雇用調整助成金だ。

次に商工中金による5000万円の融資だ。これは無利子、無担保で借りられ、5年間返済不要というものだ。

借金に変わりはないので、今後不良債権化して、焦げ付いたりしないのかは気になる。

5年間の据え置き期間の利子は、国が金融機関に支払いとのことだ。

もう一つは、ものづくり補助金なるものだ。
これも国や地方自治体など様々助成金があるようだ。
例えば、5000万円の設備投資をするにあたって、4000万や3000万円行政が助成してくれるというイメージ。

色んな製造業の方々が、この申請をしている。30%の確率で審査が通るらしい。
税理士や中小企業診断士など、助成金申請のプロがいるようで、彼らとともに申請を行っている。

国としても、コロナを機に立ち行かなくなった業界の業態変化を促したい意図があるため、積極的に助成金で支援していこうとしている。

50代前後の経営者がこういったものを有効活用しているが、高齢で家族経営の町工場ではあまり知られていないようだ。

●影響が少ない業界はあるのか?

総じて売上が下がっていら印象はある一方、底堅い会社もある。

公官庁から受注している会社。
システムやデザインなど情報で完結する会社。

上記が、比較的売上が良いケースはある。

ただ、システム会社でも相手先のメーカーが設備投資に躊躇することも多く、発注を落としていたりする。
システムを新規受注するための営業活動もできないと売上を落としてしまう。

デザインも百貨店のアパレルで使われるものだと、売上は落としてしまうわけだ。

●働き方、仕事の仕方が変わったか?

先程の情報で完結するような業種は、軒並み在宅勤務が多くなっている。

会社の中でも、総務担当などは、パソコン入力だけで済むケースもあり在宅ワークの人もいる。
ただ、伝票など紙が会社あって、それがないと仕事ができないなどもあるため、様々まだ試行錯誤している段階だ。

ビデオ通話を介したリモート商談も、会社によって違う。
ビデオ通話の方が、東京、大阪、九州の3社にまたがって同時に協議できたり、特にこれまで出席されなかった相手先の経営者が同席したりと、良い流れになっているケースもある。

逆にこれまで海外に直接行って商談した方が、細かい部分のやりとりが出来るのため、ビデオ通話に対してあまりよい効果を見出せていない会社もあった。

本社とフランチャイズ契約をしている会社などは、定期的な情報提供の場は、直接会場からzoomやteamsなどのリモート会議に置き換わっている。

企業相手に、新人向けマナーや資格取得などのセミナー業の会社も、少しずつ対面セミナーから上記のシステムを使った講義に変えつつある。

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