見出し画像

保険が必要な理由(社会論)⑤

保険がないとビジネスが成り立たないという側面も欠かせない。

B TO Bを関係継続させる保険

例えば、モノの輸出入のする際、貨物に保険をかけることがある。

輸入会社、海運陸運会社、輸出会社などが貨物に破損や事故がある度に、責任の所在や補償を巡ってモメていたのでは継続した取引が危うくなる。

したがって、貨物保険は輸出入にあたっての必要経費として含まれていたりする。

また損保会社は調査会社も傘下に入れているため、迅速な原因究明が図られるなど、事故の後処理もスムーズになされるメリットがあります。

新ビジネスでのリスク保証

例えば、アプリで家賃支払いをするというビジネスモデルを考えた新しい会社があったとして、

賃貸者による家賃のクレジットカード決済が不能となった場合、クレジットカード会社が経済的損失を被るリスクがあります。

こうなるとクレジットカード会社による審査が通らず、新しいビジネスが頓挫してしまう可能性があります。

そこで、保険を開発して決済不能及び回収不能となった場合には保険金がおりるように仕組みとそのコストを新しいビジネスに組み込んでおけば、クレジットカード会社のリスクは抑えられ、財務が潤沢でない新興会社でもビジネスが成立しうることとなるのです。

まとめ

BtoBの個別の経済的損失は計り知れない。
つまり損失が起こった際、巨額すぎて単体企業ではまかないきれないかもしれないし、いつどこでそういったリスクが現前するかも予測困難である。

保険会社の機能としては、B to Bの保険を一手に引き受けることで、1000社からもらった保険料を1社の巨額損失に充てられるという、損失やリスクの分散化がはかる機能がある。

また保険会社も保険に保険をかけるという再保険の仕組みもあるため、スエズ運河の船舶座礁のような100億を超える損害でも、再保険会社など複数が保険金を出し合って補填するなど、損失を分散をする機能を果たしている。

また、数万社の保険を引き受けて、日々事故を目の当たりにする中で、統計的にどこにどういった損害があるかという分析も社内で蓄積され、新しいリスクに対応した保険開発などに役立てられている。

保険は、事故が起こる前や起こってからも、ビジネスができるだけ滞りなく回っていくための、機能を果たしていると言える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?