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別離

色とりどりに囲まれて
瞼を閉じている

ここは砂の城で
うみねこが足跡をついばむから
来た道も忘れてしまった

言葉は
その時だけのもので
振り返っても、目を凝らしても
形にはならない
壊れない代わりに
決して触れられない

月と、手と、花と、それから

薄ぼんやりとした
灯りを見ている

あなたはひとり、瞼を閉じている






*初出:2017/01/20 現代詩フォーラム

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