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名建築で旅をする~東京ジャーミー~

東京のトルコ政府が東京・渋谷区の住宅地に建設した日本最大のイスラム教寺院、「東京ジャーミー」。礼拝堂の他、多目的ホールや会議室、トルコ・イスラム芸術の作品展示スペースなどを備えていて、どこもかしこも本当に素敵な建築・インテリアです。
10時~18時まであれば誰でも無料で見学が可能ですので名建築旅をしてきました。
「ジャーミィ(Camii)」はトルコ語で大規模な「モスク」を意味し、これは「人の集まる場所」を意味するアラビア語を語源としていると言われています。


井の頭沿いにあります。


 もう異国のようです♡



ここは入口入ったすぐの図書スペース。照明がかわいい。

見どころはやはり礼拝堂!

東京ジャーミイの2階に上がると、礼拝堂になっています。入口で靴を脱いで中に入、女性はスカーフで頭髪を覆います。


イスラム文化における宗教建築の頂点を築いたオスマントルコ様式を再現してい、中でも1つの大ドームを6つの半ドームが取り囲み礼拝堂を構成するスタイルは、伝統建築の中でも例の少ない空間構成で圧巻です!!
トルコの伝統職人の手によりカリグラフィー、イスラミックタイル、石材・石膏彫刻、木製彫刻などのトルコ・イスラム芸術を代表する伝統的な意匠が施されており、その美しさはなんとも言えない感動に近いです。

建物の大きな特徴であるドームの施工では,効率化を図るため鉄筋・型枠工事が同時にできるトラスウォール工法が採用されているそうです。
トラスウォール型枠メッシュ(型枠用のネット)を用いるこの方法により,型枠支保工の削減・鉄筋加工組立のユニット化を図り,安全で効率良く作業を行い、内外部の主な仕上げ工事はトルコの伝統職人の手によるもの。
この工事のために,トルコから壁の装飾・石膏の装飾(ムカルナス)・木製の装飾・シャンデリア・プラスターウインドーなど,それぞれを専門とする職人たち約70人が来日し,装飾の材料もすべてトルコから運ばれてきたんですって。
参考:鹿島建設HPより
この東京ジャーミイは,在住するイスラム教徒の拠りどころでもあり,訪問した日も多くのイスラム教徒が来られていた。日本とトルコが協力しあってできた空間が、イスラム文化の交流の場として平和の空間となっていると思うと感慨深さを感じます。


2階は女性専用
2階からみるとこんな感じ
ステンドグラスも美しい!

この礼拝堂は中2階部分も含めると600人以上もの人が入れるそうで、日本にあるモスクの中でも最大級のもの。
真ん中の大ドームを中心に6つのドームが取り囲む空間はまさに小さな宇宙のように感じでした。壮大な空間でありながら、何か大きなものに包み込まれているような安心感。教会やお寺、神社で感じる何か神々しい五感の感じと似ていると思いました。
それぞれ建築方法や材料も違うのに、神をまつる空間は何か似ているのでしょうか。また一見すると美しい模様のようにみえる装飾はすべてアラビア語のカリグラフィーになっていて、その1つ1つがイスラムのメッセージとなっているそうです。
単に「美しい」という言葉では表せないほど、装飾、家具、色使い、建物がどこを切り取っても圧巻でした。それ以上にこの空間を誰のためにどのように使うのかを、考えてつくして建築設計されたのであろう。それが建築の大きな醍醐味であって、その核となるところがぶれないからこそこの美しさが感動になるのであろうと考えさせられた建築でした。

~番外編~

ランチは代々木上原駅近くの
Fresh Seafood Bistro SARU さんで。

海の幸を生かしたビストロで。このブイヤベースは本当に美味しかった!
ワインはナチュールです。

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