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見ているあなたも、見られている

一人でお酒を飲んで、隣にたまたまいた人とお話しすることもあると思います。そしてそんなやり取りにも慣れてきますよね。

30代前半のとき、何度かご一緒したことのある50代くらいの男性と立ち飲み屋でお話しした際のことです。彼のことをあまりよく知らないのに、何となく独身のテイでお話を進めていったことがあります。その方に「〇〇くん、さっき私が指輪しているかどうか見てたよね。指輪はしないけど、結婚しているよ」と言われたことがあります。会話のために、無意識に見た目でチェックしていたことが、相手からも見て取れていた。知らない人と話すことにこなれていた自分を恥ずかしく思った経験です。そのこと自体が恥ずかしいということを、優しく教えてくれた大切な飲み仲間の一人です。

やっぱり、そういう詮索するような行為は、若い人に多い気がします。それ以降、話す相手をよく見るようになりましたが、やはり指輪は確認されます。僕は男性だから、女性にそうされることが多いかな。だからどうしたいとかではなく、大人になってすっかり確認がクセになってしまっているのだと思います。でも、相手にもその姿見られていますよ。

仕事でも、商談していて初対面なのに足の先から頭の先までじっと観察してから話す人もいます。こういう靴の人はどうとか、スーツの着こなしはどうとかで人を類推する自己啓発本でも読んでいるのかもしれません。でも、失礼ですよね。営業される側ならまだしも、営業かけている側が初対面のクライアントをなめまわすように観察するなんて。

初対面だからこそ、話相手への誠意は必要ですよね。誠意のない行為は、相手からも見えています。酒場での一期一会も、テクニックではなく、誠意を持つことが大事だな、と若いころに立ち飲み屋さんで教えてもらいました。

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