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DQ10 二次創作SS日誌サルベージ

2020年にいくつか冒険日誌で投下していた二次創作SSをサルベージしてきました。
全体としてはver5.2「王の戴冠」までのネタバレがあります。各見出しの括弧内にネタバレバージョンを付記しています。
ギャグもシリアスも入り乱れてます。

取り急ぎ公開。気が向いたら画像でもつけようかなと思ってます。

いつ帰ってくるの?(2020/5/27投稿、5.0バレ)

「魔王軍との衝突による被害は軽微なものでありましたが、」
「盟友エックス殿が...未だ安否不明です。現在捜索隊を派遣しております。」

「そんな...」

「私のせいなのね。私が弱かったから...」

「アンルシア姫、あのエックスがそう簡単に倒れると思うか?彼は必ず帰ってくる。」

「そうですよね、ルシェンダさま。私、決めました。彼が帰ってくるまでに強くなるって。」

「そうか。ならば私と共に修行をするか。」

「はい!」

〜数日後〜

「これはエックス殿!!ご無事でありましたか!探したんですよ!」

「うん、僕は大丈夫...魔王軍と戦闘があったと聞いたけど、アンルシアは...?」

「アンルシア姫さまは現在ルシェンダさまと共に修行の旅に出ておられます!」

「修行?どこへ?」

「わかりません!」

「いつ帰ってくるの?」

「わかりません!」

「そっか(´・ω・`)」

血迷う錬金術師(2020/6/7投稿、4.5バレ)

妹のミーナがエックスの自宅で暮らすことになった。

ある朝、眠っていたエックスが耳を劈く爆音に叩き起こされた。
エックスが緊張しながら一階に降りると、ミーナが錬金術の器具が並べられた部屋、通称「実験室」から顔を覗かせてウインクしていた。

「ごめんお兄ちゃん。爆発しちゃった〜」

実験室からは煙が立ち込め、爆風のためか内部は散乱しているようだ。

「そんな危険な練金するなよ!」
「えー。でも爆発くらい、ウルベアでは普通だったけど。」
「ほんとかよ」
「ほんとよ!」
「じゃあミーナ。キィンベルに行こう。錬金術師が多いから、ミーナの錬金術が本当に普通かわかるだろ。」

~ゼフの店~

リンカはエックスの妹が錬金術を披露したいというので、興味津々でミーナの手元を見つめていた。
お手製の錬金釜にミーナが慣れた手つきで素材を入れようとすると、リンカが制止した。

「なんだその手順は!」
「え、いつもこうしてるんだけど」
「一歩間違えば爆発するよ!」

エックスが噴き出すのを尻目に、ミーナは懐から分厚く仰々しい書物を取り出した。

「これが私が参考にしてる錬金術師の著書よ!5000年前だったら、ちょうど彼が影響を与えていた時期だと思うんだけど、知らないの?」

リンカが表紙を覗き込むと頭を抱えた。

「やっぱりか。ミーナちゃん。確かに彼の錬金術は一時期主流だったけど、あまりに危険で多くの錬金術師が犠牲になったんだ。」
「え」
「このキィンベルではすでに彼の錬金術は規制されている。その本も禁書扱いだろうね。取締りを受けたくないから、それ持って早く出て行ってくれないかな。」

リンカは背後で怯えている魔法生物たちを一瞥した。


「この店を吹っ飛ばされたくないし。」

二人は店を後にした。

「やっぱりミーナの錬金術は危険なんだよ」
「そうかもしれないけど、キィンベルの規制が厳しすぎるのよ」
「どうしてもやりたいなら誰もいない屋外でやってよ。吹っ飛んでも助けに行くから。原型を留めてれば...多分。」
「そんなヘマしないわよ...多分!」

新コンテンツ「マデサゴーラのアトリエ」(2020/6/15投稿、5.2バレ)

「マデサ〜、ご飯できたよ!まだアトリエにいるの?」

「ぐぬぬぬ、やはりアストルティアでは余の芸術も本調子ではないのかぁ...」

「聞いてる?マデサ!」

「なんだ、勇者の盟友。余はもう少し創造の女神に挑戦するぞ!」

「しょうがないなー。あ、また作品が増えてる...作りかけの。」

「そろそろ失敗作を廃棄しにいかんとな」

「あれ、この絵ってもしかしてトーマ王子?」

「ああ。紛い物の勇者だ。戯れに描いてみたのだ。だが描いたところであれが戻ってくることはない...」

「マデサ、トーマ王子に会いたい?」

「いい道具だったよ。余の期待によく応えてくれたからな。」

「そっか...」

〜翌日〜

「ねえマデサ、ちょっとこっち向いて」

「邪魔をするな盟友、今余の才能が溢れんばかりに芸術を進化させて...ん?」

「美容院に行って整形してきたんだ。トーマ王子に似てるかな?」

「な...なんだと!貴様、紛い物の紛い物になろうとでも言うのか!」

「え、ちょっとびっくりさせようとして...怒らなくてもいいだろ!」

「トーマには全く似ても似つかんよ。大魔王ともあろう者が、そんな格好をするな。」

「そこまで言わなくても...ぐすん」

「だが...ふむ。」

「その姿を余が描いてやるのも良いかもな。」

謀る錬金術師(2020/8/4投稿、5.2バレ)

5.3の展開予想でもありました。

エックス「ミーナ、あの日はなんなんだよ?突然戴冠式をめちゃくちゃにして...また死ぬかと思ったんだけど!」

ミーナ「うん...ごめんなさい、お兄ちゃん。どうしても必要なことだったの。わかってほしい。」

「ミーナを疑いたくなんてない。でも説明もなしに分かれなんて無理だよ」

「私も、説明しようと思って来たのよ。私が魔界に飛ばされてからやってきたことを。」

「まず、魔仙卿を継承してから、最初の仕事をしたの。魔仙卿の役目は、お兄ちゃんに教えたよねっ?」

「魔界を守って、大魔王を選定すること?」

「うん。それも、ジャゴヌバの託宣をもって。私は初仕事で、先代の大魔王にそれを告げた。」

「...え?先代ってまさか、マデサゴーラ?」

「お兄ちゃんも薄々気付いてたでしょ。あのマデサゴーラを大魔王にした魔仙卿は私なんだって。」

「ええ?そんな...。」

「そして私は、お兄ちゃんも知ってるあの計画を立ち上げた。アストルティアの勇者転生をすり抜けるため、神殿レイダメテスをアストルティアに作らせた...。」

「...っ!」



「死者の魂を素材にして、冥王ネルゲルを産むための錬金釜をね。」



「はあ?冗談だろ?あいつを、ネルゲルを、ミーナが産んだって?」

「ごめんなさい。ほんとうのことなの。」

「お前、エテーネルキューブで何度も村の襲撃を止めようとしたって、それでどうしてもできなかったって、なのに」

「必要だったから...。」

「ひ、必要って、ネルゲルが?マデサゴーラが?はぁっ、やつらに苦しめられた人たちも、必要だからって、全部お前が?」

「そうなるよね。でも、お兄ちゃんももうすぐわかるよっ!」

「分かるかー!絶対に。なあミーナ...タチの悪い冗談じゃないなら、それじゃあオレはここでお前と戦わなくちゃいけなくなる。」

「殴りたいよね。殴っていいよ。」

「何でだよ!いつもみたいにセンスのないギャグなんだろ!?またへらへら笑えよっ。なんだってそんな...感情のない目で。」

「ごめんなさい、お兄ちゃん。辛い思いさせて。でもね、私の方が辛かったよ。何百年も、何千年も...。この使命から逃げたかった...。」



「...そうか、ミーナ...オレがこの手で終わらせてやるーーー」



「ーーーな!?」

「ああ、よかった。最後の“素材”が回収できそう。」

「ごほっ。何で、体から魔瘴が...イルーシャに取り除いてもらったはずなのに...。」

「お兄ちゃんの中にある限りない光。女神ルティアナと種族神らの祝福。これを絶望と憎悪で相転移させる。お兄ちゃんの真っ直ぐな性格のおかげね。」

「見込み通り、必要なエネルギーに足りるね。お兄ちゃん、少しの間だけ眠ってもらうよ。」

イルーシャとアンルシア(2020/9/5投稿、5.2バレ)

びっくりした?これはね、アンちゃんが描いてくれたの。だれの絵かは教えてくれなかったけど...あたたかい筆遣いでしょう。

最初アンちゃんが私の部屋に来たときは、全く口をきいてくれなくて。いつも朝も夜もなく眠って、悪夢にうなされて起きるみたいで...あっ、ううん、私は大丈夫よ。

あなたがこの前持ってきてくれたゆめみの花も全然効かないって怒ってたわ。でもほら見て、...うふふ。枕元にずっと飾ってるのよ。

興味がなかったお絵描きも、今日筆を渡したらこれを描いてくれて。すごく熱中してた。これからきっと良くなっていくはずだわ。

アンちゃんのことは私が見守っているから、安心して大魔王のお務めをしてね。

でも、時々は顔を見せに来てほしいな...アンちゃんは確かに敵だったけど、あなたのことを大切だと思ってるはずだから。

お願いね、エックス。

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