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スタートアップって全社員が主役だよなって話

スタートアップでは、ヒト・カネなどの経営資源が限られているため、部署や役割を超えて、一人二役以上の役割を果たしながら会社の成長にコミットしていくことが非常に大切だと思っています。

「全社◯◯」とはスタートアップ界隈でよく言われるワードですが、例えば全社採用。スタートアップは理念の達成や事業目標の達成に向けて、優秀なヒトを仲間に招き入れ、組織を作り、事業を創っていかなければなりません。つまり、常に優秀な仲間を集めるために採用活動を全社で継続的に動いておかなければなりません。私自身、不勉強すぎて、創業後数年のタイミングでは、採用担当だけが採用に動いてくれれば成果出るだろうと超絶勘違いをしていました。本当に恥ずかしい限りです。。。ただ、今だからこそ、心からわかることですが、人材採用は、全てのメンバーが採用にコミットしないと本当に優秀な人材は仲間になってくれません。だからこそ、全社採用が必要なのです。(しれっと現在採用をしたいエンジニア情報共有しておきますw)

当社は、「全社営業」ならぬ「全社で新規の受注に集中していくぞ!」ということに集中すべきフェーズです。
これを一つの側面から見ると、マーケ・セールスチームのメンバーにとっては「自分たちの責任重大!」と捉えるかも知れないですし、プロダクトチームやカスタマーサクセスチーム、コーポレートチームからしたら「マーケ・セールスチームが成果を出せるように応援するしかないのかな。経営層から期待されていないのかな。」などと捉えることもあるかも知れません。

ただ起業家として、全ての業務をしてきた経験からすると、全ての部署・メンバーが新規受注にコミットすることはめちゃめちゃ可能だという話を今日は書きたいと思います。今から各内容に共感頂ける方は、ぜひ一緒に働きたいので福谷までDMください!

「プロダクトチーム」が新規受注に貢献できること

当社は「ポケットセラピスト」という法人向けのヘルスケアSaaSを開発・販売しています(B2B2E)。会社のサスティナブルな成長を従業員の心身のコンディションという側面から支援をさせて頂いております。

さて、本題ですが、「プロダクトチームが新規受注にコミットする・貢献する」ということを聞くとあなたは何を考えるでしょうか。

例えば、最高のプロダクト作ってProduct-Led Growth実現しようぜ!とか、セールスが半袖短パンで営業に行っても「営業のあなたのことは好きじゃないけど、プロダクトが良いから買います」と言われるようなプロダクトを作ろう!とかとか、いくつも新規受注への貢献方法は思いつくかと思います。ただ、上記にあげた事例は時間軸が長かったり、難易度が非常に高いため、その実現性には「?」がつく可能性も高いと思います。

もっと数ヶ月単位で新規受注に貢献できる方法として、創業時からプロダクトチームにお願いしてやってきたことは、営業時の「アプリのデモ体験」を最高の体験にするために、テスト環境で表示されるデモ画面の表示される数字などの細部に魂を込めてもらうことでした。
特に忙しいときは相談しづらいのですが、ただプロダクトチームが頑張って開発してきてくれたプロダクトが世の中に広がり、対価として料金を頂くために、そこの一工夫があるとないとでは、成約率に大きな違いが出てくるので、こだわりたいのです(これまでの経験上、営業で最も魂を込めるべき部分はサービスのデモです🔥これはマジで。あの有名なキーエンスのデモの場の作り方とか最高峰だと思っているので見習うべきだと思っています)。

例えば、あなたが従業員3万人の製薬企業に営業に行っているとします。
その製薬企業はこれまで健康経営施策をやっても「なかなか従業員が応募してこずに集まらない」という課題感を持っていて、新しい施策を実行することで、これまでの施策に対する反応率の低さという課題も同時に解決したい。というニーズがあったと仮定します。

商談には、人事部長さまも同席していて、「ぜひプロダクトを見たいな」と期待の声を頂いて、実際にアプリのデモ画面を見せるときに例えば、下記のような画面を出したら、ファーストインプレッションはどのように感じるでしょうか。

従業員3万人の製薬会社の部長にこの画面を出すとどう思われるだろうか

おそらく、テスト環境のデモ画面なので、特別な意図なく、数値が表示されていることも少なくないと思いますが、前述した製薬会社の人事部長さまの体験からすると「うちの会社は3万人なんだけど、利用可能ユーザー62人、専門家との面談を実際に利用しているのは14人とか見ても実感わかないな。やはり他の施策と同じでこれくらいしか来ないものだろうか。。。」という懸念材料を炙りたてるようなサービスデモになってしまうことが多いのです。
セールスの現場では「これはあくまで仮の数字ですので、〜」と補足をするのですが、その補足をする数秒の時間があれば「ご契約いただきたいです」という言葉を伝える時間に時間を割いた方が受注率は高まります

だからこそ、例えば、その製薬企業さまが肩こり・腰痛の社員が多くて、生産性低下をどうにかしたいというニーズがある場合は、従業員3万人のうち、肩こりや腰痛で生産性低下をしている従業員は、先行研究や当社の統計調査からするとXXXX名で、面談を実際の利用すべきハイリスクの方々はYY%なので、これくらいと事前に試算をして、その数値をデモ画面に表示させておくと、本当に導入しているような感覚になり、導入後をイメージした商談の場になり、リードタイムが短くなったり、受注率が上がることが多いのです

あくまで一例ですが、プロダクトチームが新規受注に貢献する方法としては、セールスメンバーが営業前にテスト環境に従業員数等を簡易入力すれば、実際の統計データに基づき、「え!これってうちのデータじゃない?」と、あたかもすでに導入しているような体験を提供できるアプリのデモが出来ると、確実に新規受注に貢献できるのです(ただ、その環境作るのが難しいんだよって話もあるかと思いますが、それくらいプロダクトのデモって超最強で、営業時も投資家へのピッチ時もプロダクトでストーリーを語るので、それくらい魂を込めたいのです🦄)。

「カスタマーサクセスチーム」が新規受注に貢献できること

さて、次にカスタマーサクセス(CS)チームが新規受注にどう貢献するのかについて、具体的な事例を用いて、説明したいと思います。
CSは、実はマーケ・セールスチームより、新規受注しやすいチームだと思っています。一般的には、CSはカスタマーの成功を実現し、満足度を上げてアップセル・クロスセルを狙っていくとされているかと思いますが、これからの時代のCSチームは、いかに契約を取ってくるかのクロージング力が重要な時代になってくると感じています。

私自身が、セールスとCS両方をやっていたときは、鉄則の新規受注の流れというものがありました(笑)すべて書くとノウハウが流出してしまうので、あくまで一事例を書いていきたいと思います。

例えば、毎月でも四半期に一回でも導入企業の意思決定者と担当者向けの勉強会・交流会を企画して、ポケットセラピストの対象をどう選別したのか、どのような告知を行ったら、どのような反応率だったのか、生産性向上効果やメンタルヘルス・フィジカルヘルスのスコアはどうだったかなどを情報交換会や勉強会をまずは企画します。企画時に「普段よく情報交換をしている会社様の人事部長さまなどいらっしゃれば、ぜひこの機会にお誘いください。当日は、健康経営に関する最新情報の勉強会コンテンツも提供しますので、ご満足頂けると思います。」と声をかけると、だいたい声をかけてくれて、懇意にされている企業の新規リードがコストかけずに取れるのです。かつ、そのコミュニティは大半の企業がすでに当社と契約をしているわけですから、新規でも超HOT度が高いリード状態にすることができ、「後日、うちにもプロダクトの詳細を説明しに来てよ」と言って頂けることが多いので、CSメンバーでも誰でも新規営業に行って、契約を取ってくるのです(もちろんセールスメンバーに商談を渡してもOK)
そして、その訪問前には、必ず紹介をしてくださった導入企業の担当者の方に、A社の意思決定者さまの特徴などをヒアリングします。そうすると、「事前にポケットセラピストの良いところ、運用が難しいところ、率直にシェアしておくよ」と言ってもらえることが多いので、商談当日になると、「すでに◯◯さんから聞いたので、今日は実際の導入をイメージしたうえで議論したい」というすでに契約前提の姿勢で商談に望んでくださることが多くなります(つまり、導入企業の担当者さまに営業の一部を自然とお願いしてしまうようなイメージ。当社の社員が新規で営業するよりも、実際に契約している企業担当者さまから説明いただいた方が説得力が断然高い)。

あとは本当に細かいのですが、CS商談として企業さまを訪問した際に、「いつも情報交換など懇意にされている会社の人事部長さまなどいらっしゃいますか?」とさり気なく聞くと、「◯◯社のXXさんは知ってる?」などを言って頂けることがあり、「知りません!◯◯社さんには当社のプロダクトやその他の事業ってフィットすると思いますか?」などとコミュニケーションを取っていると、「ちょっと今オフィスにいるか聞いてみようか?もし時間あったら名刺交換だけでもしに、◯◯社さんのオフィスに寄っていったら?」という流れになることがあるのです。この流れを自然に、ただ本当は意図的に作り出す方法や前提条件がいくつかあり、これがあたかも自然に出来るようになると、CSチームでも、普段のCS業務をしながら、新規リード獲得や新規受注獲得に直接的に貢献できるのです

「コーポレートチーム」が新規受注に貢献できること

当社の顧客はプライム市場の上場企業が多く、セキュリティや契約書の内容に非常に厳しいため、「契約の合意」ができても、法務レビューで下手したら3ヶ月以上かかって、リードタイムが長引いてしまうということが、よく生じがちです。このような課題に関して、コーポレートチームが存分に力を発揮してくれるとリードタイムが短縮し、入金日も早くなるという着地になりやすいので、やはり全社一丸となって、新規受注を追っていく必要性があることが分かります。

新規受注の目標を達成するために「いくらで新規リードを獲得して」→「受注までにどの程度のリードタイムがかかって」→「支払い完了するのがいつになるか」みたいなことを意識するのですが、契約書の工夫など、コーポレートで出来ることはめちゃめちゃあって、特にリードタイムの短縮やキャッシュフローを良くするために一括支払いをベースにするなどの工夫がいくらでも出来ると思っています!

最後に、どこのチームがすごい頑張れば良いとか、どこのチームがサポートに回るとかではなく、やはりスタートアップって全社員が主役だし、全社員にスポットライトが当たるべきだよね。と書きながら再認識。

ぜひ部署や役割に縛られず全社横断的に動き回って、事業成果(=社会課題の解決)をしたい方、ぜひカジュアルにまずはお話させてください!


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