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ダメ出しホメ出しより大切なこと

どうもバックステージです。

普段は稽古場か劇場に居て演劇やミュージカルを作ってます。みなさんに舞台業界のリアルを伝えて行こう思って発信してます。

・今日のお話

今日のテーマは「ダメ出しあるいは褒め出し」です。

ボイシーさんのハッシュタグ企画のほめて伸ばそうというテーマを舞台業界の目線から語りますね。

・ダメ出しなんて死語!!

なにそのテーマ?っていうところからですが、これは舞台用語だと思うのですが、昔からダメ出しという言葉があります。
言葉の意味の通りダメを出すということで、相手に対して否定的な評価をすることですね。

一般的なイメージとしては、演出家さんから俳優さんに対して演技のダメなところをお伝えするということです。

実はこの言葉はもう舞台業界でほとんど使われてないのです。

・代わりにノート!でも中身はダメ出し!

代わりに海外で使われる「ノート」という言葉が通例になっております。

ダメ出しという言葉自体がもうこの2022年にハラスメント排除社会に合わないのと、かつてキャストさんはじめスタッフさんもダメ出しに苦しめられてきた方が多いので現場では避ける方向になっております。

個人的にはすごいこの流れはいいことだなと思ってます。

前時代的な誰かにプレッシャーを与えてものつくりをするというスタイルに現場も観客もうけつけなくなってきているのは大事なことです。

ただ一つ言いたいのは「ノート」の中身はダメ出しということですね。

たまにダメ出しという言葉は使わない=ダメは出さないと思われる方がいるのですが、全然海外の演出家さんもダメを出してます。作品を修正をするためにはとても重要なことですからね。

・じゃあ、褒めて伸ばそう!・・・だけでいいのか?

もちろん我々側もちゃんと褒め出しも使用します。あそこはよかったとか、そのままキープしてくださいとか、素直に感動したとか俳優さんやスタッフさんのモチベーションを下げないように努めますね。

ただ、俳優のみなさんも褒められるだけだと不安になる人も多いです。ダメ出しください!とか、なにか修正点ないですか?とかきて「まじでよかったよ!」だけで返すとかなり心配そうな顔になりますね。なんでだろ?あれ、自信

・これからは「悩み出し」!自分で解決させようぜ。

ここからは個人的には理想的な方法ですが、人に対して修正をお願いするときに良い結果をでる方法は

「入口がダメ出しであろうと、褒め出しであろうと、最終的にはその人に考えさせて答えを出させるですね。いわゆる悩み出し」

結局人間って自分で考えないと納得して行動しないんです。

この間あったのが、あるキャラクターに心配そうにちょっと振り返る演出を付け加えようとしました。

ダメ出しの場合、

ハケ方がシンプルすぎると思います。今のだとそれ以降がストーリー繋がらないですね。もうちょっと心配そうな顔をお客さんに見せたいからハケるときに少し振り向いてみてください。

→はあ、やってみます・・・

褒め出しの場合、

ハケるまでがすごい良い!ちゃんとストーリーとして繋がってる、さらに最後ちらっと振り向いてくれれば次のシーンに繋がるので次やってみてください。

→はい、やってみます。(ほんとかなぁ?)

悩み出しの場合、

ハケるまでの流れはOK!ただ今こちらにはやや無機質に見えてるんだけど、あなたのキャラクター構築方向ってあってますか?違うのであればもうワンポイントどこかで心配するような一面がお客さんが見れれば変わってくるかと思います。どこでそれを入れるかはお任せします。次また見せてください。

→なるほど・・・わかりました。(どこだ?ハケる時にちょっと振り向いてみるか?)

これで正解を言わずして俳優さんと同じ答えに辿り着いたときは嬉しいですね。

一見遠回りかと思いますが、僕は俳優さんがキャラクターを構築する近道だと思ってます。なぜなら俳優が納得してはじめて自由に演技できるので。

ダメ出し、褒め出し、ノート、言葉はなんでもいいんです。最終的に自分の言葉がちゃんと伝わって相手が行動を起こしてくれる、この結果のために最適な方法をその場その場にあった最適な選択と言葉選びができればいいと思います。

演出家って大変なお仕事ですね・・・でもそこが面白いですよね。

今日はそんなところです、

バックステージでした、ではまたー

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