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ドット絵とピクセルアートは違うの?

HD-2Dの話題からちょっとピクセルアートに惹かれて久しぶりに紙の本を買ってしまった。

僕らのようなファミコン世代からするとドット絵とはまた違った魅力を感じる。だけど若い世代では同じものとして見ている人もきっと多いだろう。

僕はドット絵ってのはな〜って説教する程ドットに触れてもないし広義に全部ピクセルアートってくくりでもいいと思っている。
けどゲームのドット絵とピクセルアートはやっぱり違う。違うのだがデータとしてはほとんど同じ。表示する環境や用途が違うからどうしても作りの思想が違ってくる。

今日はそのあたりの雑学と購入した本の話題。

■ULTIMATE PIXEL CREW REPORT ピクセルアートではじめる背景の描き方

ピクセルアートの画集かと思いきや意外とそうでもない。背景画の教本としてもためになること。構図取りやパース、印影の概念とか背景の作り方も結構細かく書かれている。

てっきりガイドになる3Dモデルでも使っているものと思ったけどパース線から描き始めてる…凄い。

●gifアニメで動くぞ

ご覧のように僕らファミコン世代がゲームで見知ったドット絵とは一味違う。

■昔のドットのはなし

僕もドットの時代はユーザーだったので偉そうなことは言えない。だからこれは僕の上の世代から聞きかじった話しになる。

ドット絵全盛期の頃のテレビはアナログのブラウン管。かつて走査線のにじみを計算しながらドットを描くって信じられない作業をするグラフィッカー達がいた。

ウィザードリーよりTVの映像(左)生ドット(右)

これはブラウン管が…って話しではなく、当時のテレビの描画スピードを保つため2つのフィールドを使って描かれていた。その描画手法によってにじんだ絵になるらしい。

当時のTVを織物に例えると2本の糸で毎フレーム奇数、偶数列を折り込むような描画だったので表示されるドットも刺繍的な描かれ方だったので予想外の味が出たって感じだ。

だから上の画像のようにだいぶ印象が変わる。にじみも発色も違うからなんか凄みがあるのが分かるだろう。

あとは、ゲームが入ったカセット(ロム)の容量の制限。色数やスプライトのサイズとか厳しい条件下でより良い見た目を追求するものって面でもピクセルアートとは違う。

違うってだけで、良し悪しや優劣を決める必要はない。どっちもドットを打つ表現形式って面は同じ。
どちらも素晴らしい手間のかかる表現。

■今の表現

今やHDどころか4K、8Kが出る時代。当時とは全く状況が違う。ドットはクリアに矩形が見えるしアナログ時代のドットは特殊なフィルターでも作らない限り見ることはできない。

そんな時代だからこそ新しい表現として注目されるんだと思う。

今のピクセルアートは僕の世代だとスナッチャーあたりの昔のPCゲームを思い出す。アニメとゲームの中間的な表現って印象だ。

YOASOBIのPVに登場する粗めのフレームレートで描かれるアニメ表現は内容や色使いも尖っててニュアンスの比重が高い。商業作品とは違うアプローチで新鮮だった。僕には美大の課題作品を見てるような懐かしさもあった。

何となくそんな自由で尖った世界は今のピクセルアート作品に似てる。ゲームのドット表現は商業。ピクセルアートはアート方向って違いもあるのかもしれない。

HD-2Dも3D空間に置くことで、ポスト処理がかかってアナログTV時代のにじみに似た雰囲気もある。ドット絵もピクセル表現も一時は廃れた技術と思われた。
でも新しいアプローチでまたその魅力に再注目されているのは間違いない。

ここで急に話しを戻すが、そんなことを思いながら本を読むのでした。

〜おわり〜

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