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【結果報告】プレゼン提案型の職業体験は中学2年生のキャリア意識をどう変えたのか?

11月11日(木)・12日(金)の2日間、生駒市立光明中学校・生駒中学校・生駒北中学校の2年生330人に対して「2030年へのインターンシップ」をテーマにした職業体験をオンラインで実施した。

【新しい職業体験のポイント】
1.受注を目指して企画を練りあげる、ビジネスの基本プロセスを体験
2.将来活きる「力」を軸にした5つのコース設定
3.中学校3校で同時開催することで多様な意見を知る
※詳細はリリースより

<2日間の様子を7分半の動画にまとめたもの>
※私の手作りなので、非常に素人作品です。。

「大人になること」「働くこと」「2030年」について15%以上のプラス変化が見られた

今回は授業を通して生徒たちのキャリア観がどのように変化したのか?
インターンシップ直前(回答数308)と直後(回答数310)のアンケートを比較。今回はその中の5つの項目結果をピックアップしてご報告。

Q1:大人になるのが楽しみですか?

インターンシップ① (2)

「1.とても楽しみ」「2.楽しみ」を選択した割合が53.7%から69.4%に変化。直前アンケートより15.7ポイント上がった。

■今日の授業を受ける前は不安だったけど、今はちょっと自信がついてきたと思ったからです。
■仕事をやっていて悔いはないとおしゃっていて、自分のやりたいことをしているという印象を持ったからです。
■プレゼンの資料を作るのはすごく大変だったけど、出来上がって発表し終わったときの達成感と喜びが込み上がってくる感じを味わうことができたので。
■大人になったらしっかりしていけるのか、など不安が少しある。だけど今回の職業体験を通じて、前よりかは大人になって就職して、仕事してみたいと思った。
■プレゼンをして1位じゃなくて2位だったから、大人になってプレゼンをする時は自分が提案したプレゼンが企画などになって選ばれたいから。"
■今回来てくださった方々は何していても楽しそうにしていました。そんなに楽しそうに見える大人になってみたいと思ったからです。

Q2:働くのは楽しみですか?

インターンシップアンケート

「1.とても楽しみ」「2.楽しみ」を選択した割合が55.9%から72%に変化。
直前アンケートより16.1ポイント上がった。
「働く」という言葉からイメージするキーワードの変化をワードクラウドで比較。

ワードクラウド

直前は「稼ぐ」「大変」が多かったが、直後は「大変」と同列に「楽しい」「やりがい」がランクイン。そのほか「自分のために」「誰かのために」という言葉が新たに出現。

Q3:2030年は良い社会になっていると思いますか??

インターンシップ③

「1.とても良くなっている」「2.よくなっている」を選択した割合が41.5%から58.5%に変化。直前アンケートより17ポイント上がっている。

気づきは「ポジティブ思考」「協働」「多角的視野」

Q4:インターンシップはどうでしたか?

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93.9%が「とても良かった」「良かった」と回答。

<この体験をキッカケに将来に向けてどんなことをしたいですか?>
人との関わりを大切にしていきたいなと思いました。
■かわちさんが言っていたのですが、AIが勉強は教えるかもだけど、先生は人に寄り添うんじゃないかなといっていたので人の気持を分かる人になりたいと思いました。
■人との会話と誰かの意見をすぐに否定しない。
ポジティブ思考をしていきたい
■色々なことに積極的にチャレンジしていきたいなと思いました。
■日常生活に違和感を感じたらそれを大切にして、意見を言うことを大切にしていきたいです。
■社会の仕組みなどに興味が出たから、これまでよりもニュースとかを積極的に見たい。
■自分が考えたことを、しっかりと発言して周りの人の意見に耳を傾ける。何事にも本気で取り組む。
■一つに意見を絞らず色々な角度から物事を見る

Q5:3校で実施してどうでしたか?

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85.5%の生徒が「とても面白かった」「面白かった」と回答。

■他校との交流なんかあまりないし、名前も顔も知らない人がどのようなことを考えているかを、共有できたから。こんな考え方があるんだ。と、人間の可能性を実感できた。
■3校でやったことで他の学校と競い合いそれが未来に繋がっていくんじゃないかと思う。
■他校の子とか全然知らんから、初対面やったけどプレゼンをして他の学校の子たちの考えを知れて良かったなと思ったし、楽しかったからです。
■知らない子にリモートだったけれど会えたし、こんな意見があるんだというきずきがあったから。

先生たちも「不安だったが、やって良かった」「生駒市の全ての中学校で実施しても良かった」

Q7:インターンシップは生徒たちのキャリア教育(職業体験)の場としていかがでしたでしょうか?

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<感想>
■自分たちで考え、話し合い、発表をしていく、という一つの流れを、教師側が作るのではなく、生徒たちのみで作っていくという作業はめったに体験できるものではありません。それを他校も交えて競争の中で作り上げる緊張感は、今までにない教育活動でワクワクしました
■中学生の柔軟な発想力が仕事にも行かせること、今生徒たちが頑張っている学習の意義にも触れていただいたので、よりこれからの学びにいかせる内容だったと思っています。
■「人事」という、今まで知らなかった分野の課題を与えられたことにより、「経営する」側からの視点に目を向けることができ、「仕事」に対するイメージが、大きく広がったと思いました。
■クイズや、問題解決型の課題を提示してくださり、生徒が主体的に取り組めた必死になって取り組む必然性がうまれたので得られた学びが多かった。
■オンラインで職業体験をすると決まってから当日終わるまで、不安ばかりでした。しかし、生徒の当日までの事前学習や当日の様子、事後の感想をきいてみると前向きな姿ばかりだったので、やってよかったなあと今は思っています。
<終了後の変化>
■将来どうしようかと考えるきっかけになっています。将来が見えている生徒も見えていない生徒も、勉強を今より頑張らないと(頑張っておこう)という気持ちになっている様子が伺えました。
■フォロワーシップについては理解できているところもあって、集団作りにはとても役に立っています
■将来のことを、以前より深く考えるようになったのかなと思います。
■3校で実施したことにより、本校の生徒たちの課題、また我々が今後力を入れていかなければならない取り組みが見えてきました

地域密着の職業体験とオンラインのビジネス体験両面から。

もちろん、良い部分だけでなく、オンラインで行ったインターンシップの課題もたくさん見えてきた。
生徒、先生とも今後に向けた改善点の意見も集めている。
今年はコロナ禍のため実現できなかったが、今まで行って来た地域企業や店舗、施設などでの職業体験はすごく重要なもの。地域がどんな仕事に支えられているか学べるだけでなく、地域の方々と顔の見える関係になることは生徒たちのセーフティーネットにもなる。
既存の職業体験にプラスしてオンラインでのビジネス体験もあると、さらに生徒たちのキャリア観が広がると実感した。

約半年間、一緒につくってくださった全ての学校、先生、生徒、企業、団体、市役所の皆さんには感謝しかありません。
新しい取り組みをするにはみんな不安だったと思います。私も不安でした。しかし、誰1人後ろ向きな発言をすることなく、前に進めていくことができたので、素晴らしい時間を過ごすことができました。

本当にありがとうございました!

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