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島のインじぃ言いたい砲台30 〜走水低・米ヶ濱砲台 in 東京湾要塞〜  2023.7.14・15

走水低はしりみずてい砲台

 前回の観音崎から横須賀行きのバスで4駅、歩ける距離ですが、東京は35℃を超える暑さなんで時間と体力の節約です💦
 走水低砲台は口径27cmカノン砲4門を配置した、明治18年起工・明治19年竣工(完成)の砲台です。綺麗に整備されていて、土日祝は公開されています。

①走水低砲台説明板に写真位置記入

 まず大砲のあった砲座に上がります。前回の観音崎第4砲台で前心軸と中心軸の大砲の話をしました。ここのカノン砲は中心軸で、大砲をがっちり固定したアンカーボルトと台座のコンクリート片が残っています。

②口径27cmカノン砲砲座
③中心軸のカノン砲(走水低砲台説明板より)

 横墻おうしょう(砲座の横の土手)の下にある弾薬室に入ってみます。後ろからジィちゃんが入ってきて、「独居房や、酷いの〜」と言ってそそくさと出ていった。違うんやけど🙄まあ雰囲気はそうかもしれん。

④横墻の下の弾薬庫

 弾薬室は中で2室に分かれています。レンガはフランス積みです。独居房にこんだけの手間はかけるまい‥

⑤弾薬室入口
⑥弾薬庫奥壁
⑦弾薬庫から入口方向を見る

 弾薬室の前に揚弾井ようだんいや引火防止のため弾薬庫からランプを遠ざけて置く灯器台があります。

⑧前室通路:左が灯器台、右手前が弾薬庫内に光を取り入れる小窓、右奥が揚弾井
走水低砲台説明板に写真位置記入
⑨揚弾井を下から見上げる
⑩揚弾口:滑車で砲弾を引き上げ、ここから取り出して砲座へ

 ここでは揚弾井のしくみがよくわかりました。では砲台のど真ん中にある掩蔽部えんぺいぶにも入ってみます。(冒頭写真)レンガ壁はフランス積みです。

11 掩蔽部奥壁
12 掩蔽部内から入口方向

米ケ濱砲台

 横須賀市街地の米ケ濱砲台は公園化されてて、掩蔽部しか見るものはありませんが、横の横須賀市自然・人文博物館とセットで見学。

13 米ケ濱砲台
14 米ケ濱砲台説明板より
15 掩蔽部

 横壁がレンガ5段ほどで、ほぼほぼ半円の天井です。兵隊さん横っちょで頭打つんじゃねえか?

なぜにフランス積みか?

 では隣の博物館へ。フランス積みの教則本が展示してありました。

横須賀市自然・人文博物館の展示
横須賀市自然・人文博物館の展示

 幕末の勘定奉行小栗忠順は横須賀製鉄所の建設を進め、そこで招いたのがフランス人のヴェルニーで、日本の近代化はフランスとの強い結びつきではじまりました。そしてレンガ製作や積み方もフランスから伝えられた、が答えのようです。

小栗忠順像(横須賀港ヴェルニー公園)
ヴェルニー像(横須賀港ヴェルニー公園)

 近代工業化のスタート地点、首都の防衛線、米軍の窓口‥ いろんな顔をもつヨコスカ。アンタ、日本の何なのサ?

イージス艦、背後が横須賀製鉄所(造船所)


 

 
 
  

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