煩わしい記憶を超えたくて
ふと考えた。そして気付いた。
私は失恋したり、人生のしくじりを感じた際いつも長い髪の毛をバッサリと切ってきた。
だが、切ったところで何も変わらないのだ。
私が髪を切ろうが時間は経つし世界は進むし、何より胸の蟠りも脳内の煩わしい記憶も残ったままなのだ。
だが、同じような毎日に何か変化が欲しかった。
変わりたかった。
大きな刺激で煩わしい記憶を超えたかった。
髪を切る事で刺激が加わるが、それはほんの一瞬であり、泡のように消えていく。
そして日常に戻っていくのだ。
それにふと気付いた夕方、絶望を感じながらカーテンを開け夕日を全身に浴び夜を待った。
夜は余計な思想を呼び込む。私は弱い。
だが、そんな弱い自分を愛せたら何か変わるかもしれないな。
髪を切るより、何より、弱い自分を受け入れ、愛し、寄り添う事が前に進む最善策なのかもしれない。
まぁ、やってみないと分からんが。
物は試しだ、自分を愛そう、昨日より。
本日はそんな夕方だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?