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峯田和伸のルーツたち★音楽

わたしの大部分のどこかを確実に担っている、「銀杏BOYZ」という存在。「峯田和伸」というひと。

8/31、そんな人のトークイベントに行った。

内容は峯田と音楽評論家の小野島さんという方の対談形式で、好きなレコードや影響を受けたバンドについて話す、というもの。

峯田は「沢山持ってこないと心配になったまうんだよ」と少し恥ずかしげにレコードを披露してくれた。

「爆音じゃないと意味が無いっすよ」と。これから峯田の芯を食べている音楽が爆音で流れる事が嬉しくて、楽しみで、ワクワクしていた。

小学4年の時、友達のお姉ちゃんに「これ聴け」と言われ峯田少年は''THE BLUE HEARTS''に出逢う。ここでは定番の「キスしてほしい」を流す。

初めて聴いた時、「何だこれ!?こんなの聴いたことねえぞ!」「身体中に衝撃が走って稲妻に打たれたようだった」と言っていた。

その衝撃を家に持ち帰り、高揚したまま弟にこの話をして、実家の峯田電気でCDを借りて車の中でかけていたらしい。家族全員ブルーハーツが好きで、おじいちゃんとか特にハマって熱唱してたって。明るいエピソードも聞けて良かった。

中学生の時、「フリッパーズ・ギター」に出逢う。一緒に対談なさってた小野島さんは、フリッパーズの2人にインタビューをなさったことがあって、「小山田は好青年だったけど小沢は性格が悪くてね〜」と言ってて笑った。峯田は椅子から転げ落ちそうなぐらい笑ってた。

2ndアルバムの「恋とマシンガン」と「カメラ!カメラ!カメラ!」をここでは流した。

フリッパーズ・ギター。わたしが初めてジャケ買いしたバンド。オザケンと小山田さんがやってるなんて知らずに、名前と曲名がポップで、「ロリポップ・ソニック」って書いてあったからかわいくて買った。単純だけど、ここからビビっとくる音楽に出会えてサイコー。と自分の感性に感謝してる。

ボサノバ風の「恋とマシンガン」。イントロが流れた瞬間改めてビリビリきた、快感ってこのことを言うんだなあって。目の前に峯田がいるって言うのも相乗効果だった、絶対。頭をばくばく振って踊った。隣のお兄さん(怖め)と踊った。他人が少しの間知り合いになる瞬間がすき。それ以外は喋りたくないけど。

フリッパーズのレコードはとても価値が高く、''ヘッド博士''の盤は20万円するらしい。何故かと言うと、「音にサンプリングを多く使ってるから」らしい。初めて聞いたお話だったから嬉しくなっちゃった。その頃は当たり前だったんだって。今再販したら、何億単位の請求がくるとか。

高校生の時、「NIRVANA」に出逢う。

あんな大きい音で''Smells Like Teen Spirit''を聴くのはもちろん初めて。フリッパーズが流れた時よりも、なんていうか、心臓の鼓動が、ばくばくどくどく動いたんだ。走り出したい、ここから抜けたい、叫びたい。何度もこの曲を聴いてるけど、やっぱり大きい音で聴くと全然違うんだなあって。

峯田がこの衝撃を、受け止めきれ無かった理由が、よく分かった。サビを峯田が歌う。叫ぶ。歪む。会場全体は、少し涙ぐむ。

そしていつもの、あの話を。

「初めてNIRVANAを聴いたあの日から、全部夢なんだ。お前らは全員モブ。高校生の頃からなんにも変わらないんだよ」

私は「高校生の時からずっと醒めない夢の中にいる」ってこの世を認識してる、峯田和伸というひとが大好き。

だがNIRVANAのボーカル、カート・コバーンは1994年、27歳という若さで拳銃自殺する。

当時のことを小野島さんは、こう語った。

「ロックはNIRVANA以前、以降で絶対に分かれている。それぐらい音楽の歴史を変えた人が、自殺をしてしまうんだ、と。世界中が衝撃だったし、ロックはそんなもんなんだ、ロックは死んだんだ」と。

その話を受け、峯田は

「僕がやっていることは、カート・コバーンを、ロックの神様を、甦らせる儀式。僕が生贄になって音楽を作っているんだ。」と。

言葉も無かった。自分にとってのスターが、神様みたいな人が、お星様になってしまう。自分の手によって、この世を去ってしまう。それを乗り越えた人達は、とてつもない強さがあるんだろうな。って声を詰まらせながら、遠くを眺めながら話す峯田をみて、そう思った。

1994年は峯田家にとっても、峯田自身にとっても暗い年だったらしい。おばあちゃんもカート・コバーンも死んで、その年のヒットチューンを思い出すだけで、線香の匂いがしてくる、と。だけど、そんな時に救ってくれたのが「Weezer」という存在だって、言ってた。

メンバー4人が青い壁をバックに突っ立ってるジャケ写。あのアルバムに、明るいポップスっぽいロックに、何度も救われて、「人生で1番聴いたレコードだ」と言っていました。(なのに、今回持ってこなかったんだって!)

峯田は「10代に出会った音楽は、なにがあっても、離れても、絶対に戻ってくる。だからずっとこんななんだよ。」と言っていた。

私にとって、銀杏BOYZが、そんな存在になるように。大人になっても、自分が流されないように。

''今''、銀杏BOYZに、峯田和伸に出逢えたことが将来糧になりますように。

自分語りも混じえてでしたが、峯田和伸の音楽遍歴。他の話もあったけれど、私が語れるのはこのぐらいかな。楽しいイベントでした。

そして、この後、思ってもみなかった奇跡が起こる。

「峯田和伸と話した」

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