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芝生と四季折々の花々が海岸線を彩る花の渚〜種差海岸〜

こんばんは。BabyMintです。明日から新しい年度ですね。私は特に何か環境が変わるわけではないのですが、心を入れ替えて頑張ろうと思います。さて、本年度最後の投稿は、私と国立公園で紹介する最後の国立公園になります。最後に紹介するのは、私の地元・八戸市にある種差海岸です。ここも三陸復興国立公園に導入されています。小さい頃から足繁く通った思い入れのある場所で、今でも大好きな場所です。帰省するたび毎回海辺を歩きます。この場所の特徴は、花と芝生と海岸風景です。ぜひ読んでみてください。

種差海岸は、青森県八戸市南東部に位置する海岸で、砂浜や海岸崖が連続する海岸風景が特徴です。ウミネコの繁殖地として有名な蕪島や、天然芝生が美しい種差天然芝生地などの総称を種差海岸と呼びます(写真1)。高緯度地域にあり、やませが吹き付ける寒冷な気候から、高山植物などが海岸線に咲き乱れることでも有名です。四季折々にさまざまな花が海岸線で見られることから、「花の渚」という異名を持つ種差海岸。国の名勝にも指定されている絶景が魅力です。海が好きな人も、花が好きな人も楽しめるスポット。本日は、そんな種差海岸の見所を簡単に紹介していきます。

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写真1 種差海岸の地図

まずは、蕪島です。蕪島は岩を登った先に神社がある小さな島で、現在は陸続きです。多くの市民に愛される信仰の島。そこは、豊漁の神と大切にされてきたウミネコが毎年飛来し、繁殖する場所としても知られており、天然記念物にも指定されています。その数は数万羽に及び、春は島中がおびただしい数のウミネコで埋め尽くされます(写真2)。上からの爆弾には注意が必要です。種差海岸の北端・みちのく潮風トレイルの北の起点になっている場所です。

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写真2 蕪島とウミネコ

蕪島からしばらく歩くと、小舟渡という場所にたどり着きます。この場所は岩崖が荒々しく、遠浅な海が続きます。前々回取り上げた気仙沼市の岩井崎に雰囲気が似ています。岩をよじ登ったり岩渡しをするのが楽しい場所です(写真3)。

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写真3 岩と遠浅な海が連続する小舟渡海岸

小舟渡海岸から歩くことまもなく、大きな石造りの展望台が姿を現します。葦毛崎展望台です。その姿形から、「八戸のラピュタ」とも呼ばれているそう。展望台から見える景色も素晴らしく、遠く水平線を望むことができます(写真4)。さらに、この辺りから芝生や花が目立ち始めてきます。初夏にはニッコウキスゲやハナショウブが、緑の芝生を鮮やかに彩ります(写真5)。秋には芝生の緑が薄れ、黄金色に変わってきます。ススキなども生えてきて、夏とは違った景色を見せてくれます(写真6)。

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写真4 展望台から眺める大海原

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写真5 ニッコウキスゲが咲き乱れる初夏の葦毛崎展望台

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写真6 黄金色に変化しつつある秋の葦毛崎展望台

展望台の麓には、ホロンバイルという軽食屋があります。ソフトクリームが美味しいことで有名です。そして店内がまた素晴らしいオーシャンビュー(写真7)。お立ち寄りの際は海を眺めながらソフトクリームを食べてみてください。個人的には、タコの唐揚げもおすすめです!

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写真7 海を眺めながら頂くソフトクリーム(ホロンバイル店内)

ここから先は遊歩道が整備され、見どころも満載です。種差海岸で最も花が咲き乱れる中須賀、鳴き砂の砂浜が2kmほど続く大須賀海岸、奇岩の連続する田村崎、鬱蒼とした松林の中を歩く淀の松原など、多様な海岸景観が連続する遊歩道は、歩いていてとても楽しいです(写真8〜10)。アップダウンは多少きついですが、道も整備されており比較的歩きやすい道です。

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写真8 大須賀海岸の砂浜

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写真9 田村崎遊歩道

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写真10 淀の松原

淀の松原を抜けると、視界には広大な芝生が広がります。種差海岸のメインスポット、種差天然芝生地です。以前は馬を放牧していたこの芝生は、植えられた訳ではなく自生していたとのこと。これほど広大な芝生が海岸沿いに広がっていることは、全国的にみても珍しいそうです。青い海と緑の広い芝生のコントラストにはいつも感動します(写真11)。そして、芝生に寝そべるのがまた気持ちいい。さらに、海際まで行くと、海岸線は岩場になっていて、ここでも岩渡をして遊ぶことができます。岩場眺める芝生も、また違った景色に見えて好きです(写真12)。

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写真11 緑と青のコントラストが美しい種差天然芝生地

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写真12 岩場から眺める芝生

この景色を見た人は、異国情緒あふれる海岸と言います。ですが、八戸市民にとっては慣れ親しんだ故郷の海。当たり前だと思っていたその景色は、決して当たり前ではなかったんだと気付かされます。そして、種差海岸は司馬遼太郎や東山魁夷など、多くの作家や画家にも愛された景色だそう。特に、東山魁夷の代表作である「道」は、ここ種差海岸がモデル。道路沿いには道の碑も建てられています(写真13)。私は東山魁夷の描く風景画の大ファンで、とても嬉しい気持ちになりました。このように多くの人が故郷・八戸の景色に心を惹かれて感動するというのは、とても光栄なことだと感じます。

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写真13 東山魁夷「道」の碑

本日は、私と国立公園シリーズの最後として、私の地元・種差海岸を紹介させていただきました。この投稿で、少しでも興味を持っていただけることができたら幸いです。ありがとうございました。


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