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失われた古代文明の痕跡Part1


 映画『インディジョーンズ』に代表されるように、失われた古代文明やお宝を発見するのは人類のロマンだと思います。

 今回、失われた古代文明を調べることが未来を紐解くのに、とても重要であることに気づきました。シリーズに分けて皆さんと一緒に探索の旅に出かけたいと思います。

 未来予測において重要なことは、大きな出来事になるまでの異常(サイン)をみつけるかに懸かっています。

 差し迫る危機や状況は、先にメディアを通して私たちの潜在意識に刷り込むよう情報を流し続け、トレンドを作り上げます。そして顕在化を図るのがセオリーです。

 これがわかるとメディアは「事実を伝えている」のではなく、それによって何かに繋げる「トレンドを仕込んでいる」ことがわかります。その「何か」こそ「サイン」であり「兆候」です。

 物質世界の生活は確率的平均値の中で営まれますが、共時性という現象は確率的な平均値や古典物理学の法則から逸脱した現象になります。

 予測の難しいところは次元の異なった世界では、時間の概念が直線的ではないので、反映される時期を的確に示すことは難しく、反映される可能性を提示するに留まるんじゃないかと思います。

 集合的無意識や共時性(シンクロニシティ)の提唱者であるカール・グスタフ・ユングは、この「意味のある偶然の一致」を証明する唯一の測量は、人間の意識によるものであり、人間は起きた出来事に自分だけの意味をつける自由があるという表現を用いています。

 個人の潜在意識と集合的無意識になぜふれたかというと、個人の潜在意識と集合的無意識の領域には、神話にまつわる登場人物や逸話が個人の出来事とシンクロすることが多く、神話という大きなテーマも以下のような法則があります。個人の出来事と神話の法則は↓の記事をご参照ください。


天地創造→悪への堕落
→英雄の誕生と冒険と帰還
→善神と悪神の闘争
→洪水や天変地異による滅亡
というサイクルがみられます

 実は、この記事を書く決め手となったのが、X(Twitter)のスペース仲間であるAiさんが『ラスコー洞窟と天文学知識』を取り上げていたことがきっかけです。

 本編に入る前に『洞窟』と私の得意分野である『キノコ』との関係を取り上げます。



タッシリ・ナジェール

 アフリカ大陸のアルジェリアとリビアの国境沿いにあるタッシリ・ナジェール。トゥアレグ族の言葉、タマシェク語で「水の多い台地」という意味を持ち、言葉のとおり、今から約3500年前には湿潤な土地があったといわれています。

 全長800km、幅50km、平均高度1,700mの広大な荒野に、当時の生活を今に伝える1万点以上の岩壁画が点在しています。

左:セファールの白い巨人
右:泳ぐ人

 神ともシャーマンともいわれる「セファールの白い巨人」や素潜り漁とも幽体離脱ともいわれる「泳ぐ人」など神秘的な岩絵が残されています。

 7000〜9000年前の壁画には右手にキノコの様なものを持つ「踊り子」が描かれています。これはタッシリ・ナジェールに限らず、多くの洞窟壁画に
同様の表現が用いられています。

洞窟で天使ジブリール(ガブリエル)から
啓示を受けるムハンマド

 これは宗教儀式や精神修行に用いられるシチュエーションに「暗室・洞窟・閉所・高所・太陽光・性交・断食・不眠・一定速度と同じ音階を鳴らし続ける等」「幻覚剤(ドラッグ)」の使用などが「変性意識」状態になるための「儀式(セッティング)」に大きく関係していると思われます。

 つまり、宗教儀式や精神修行に見られるこれらの行為は「変性意識」になるための「条件」や「環境」であると考えることができます。それを最も容易な形で獲得できるのが、個人差はありますが「幻覚剤」の使用です。

 シロシビンなどの「精神活性物質」が投与されると、通常の状態ではつながっていないネットワークが複雑に絡み合い、新たなネットワークが誕生します。

 これにより新たなバイパスが構築され、思考や感覚に新たな「体験」が発生します。

 『Modern Drug / 現代の薬』で取り上げたロバート・ゴードン・ワッソンは、魂という概念の認識や、宗教の起源においてこうしたキノコや他の向精神性植物がきっかけになったのではないかと考えており、これらは畏怖、崇敬、愛といった感情を高い水準に到達させるような、啓示的なものを呼び覚ました可能性が考えられると指摘しています。

 余談ですが、先住民によるキノコの宗教的な使用の調査のため、メキシコに遠征したワッソンの探索資金はCIAによるMKウルトラ副計画58」から出資されていたことが判明しています。

 この情報を知っている方が、私を「あちら側の誘導要員」としてレッテルを貼ってきますが、私からすれば自分の生命をかけて「この話」を書いているので「リスク」でしかないのです。

 私が「侵入した世界」と「研究されている世界」が同じであれば、私がその体験やヴィジョンを後世に残すことは「私たちにとって有益である」と判断した上での行動なので、あたたかく見守っていただけたらと思います。

 

 Aiさんが取り上げたラスコー洞窟も色々な動物が描かれています。ラスコーのような洞窟壁画は、陽の光が入らない(届かない)洞窟に描画されたものが多く、洞窟の環境下で低酸素状態になると毒キノコの中毒のような幻覚症状が起き始めます。

 これも共通する「変性意識」になる条件が揃っています。ここからAiさんの記事をそのまま引用します。



ラスコー洞窟と天文学知識

この雄牛の広間はただ無作為にいろんな動物が描かれたわけではなく、現在では現地の考古学者の研究を基に、二万年前のクロマニョン人は、既に天体の動きを観察し理解した上で、星座を壁画として描いていたという説が有力視されています。
当時の星座の表し方は現在の黄道十二星座とは違ったようですが、壁一面に描かれた壁画が現代の星座の位置とリンクしている事が分かっています。有難いことに、この興味深い説を取り上げている日本語の記事もありました。

例えば以下の雄牛の周りには黒点があります。

消えてしまっている部分もありますが、この点を星だと考え繋げると以下のように解釈ができます。

雄牛はそのまま牡牛座(Taurus)を表し、向かい側の左の点はオリオン座のベルト。そして右上の点はプレアデス星団を表すと推測されています。

このように二万年前のクロマニョン人は壁画を描いたアーティストであっただけでなく、天文学者であり、数学者であった事が分かっています。

天文学や数学の起源といえば、古代バビロニア、エジプト、ギリシャ、インド、中国、マヤ、ペルシャなどの文明が浮かぶかと思いますが、実は彼らよりもずっとずっと古代からクロマニョン人がその知識を持っていたとなると、そもそもこれらの古代文明に知識を伝達したのはクロマニョン人だったのではないかとすら思えてくるわけです。

 私もラスコー洞窟の象徴に刺激され、過去に右脳に作用した”情動的象徴”を思い出しました。Aiさんのポストにある「右脳」の働きはとても重要なので深掘りします。

象徴が人類という種の進化に織り込まれているということです。洞窟の象徴を見た者は、描いた者の智慧をインスピレーションという形で与えられ同調し、これにより"概念が形成され伝播すること”となります。狩猟の象徴はホモサピエンスの集団に精神的表象を共有することを可能とし、劇的な進化をもたらしたのです

霜月やよい


「右脳」の働き

人間は、宗教的経験を伝達することを唯一の目的とする特別な回路を進化させてきたのではないだろうか。

『側頭葉の特定の部位』が、このような宗教的体験に他のどの部位よりも直接的な役割を果たしていることはあきらかである。

V・S・ラマチャンドラン

 ↑の指摘はインド出身のアメリカの神経科医・心理学者・神経科学者です。先述したとおり、幻覚剤によって脳のネットワークが変わります。

 右脳と左脳の働きの違いと「知覚」について、↓の記事でラマチャンドランの著書『脳のなかの幽霊』を引用しながらまとめたので、ぜひご一読ください。

 ↑の図は、周波数を視覚化したものと統合失調症を患っていたイギリスの画家ルイス・ウェインがネコを描き続けた作品です。こうした共通点も偶然ではなく、見えている世界と捉えている世界が人それぞれ「意識の違い」によって発生している表れだと思います。


 また、神経科学者のジル・ボルト・テイラーは、37歳のときに左脳の脳出血ですべての認知機能と身体機能を失いました。その後、8年間のリハビリを経て、彼女はすべての機能を取り戻しています。

 その過程で自身の経験と神経解剖学の科学的視点に基づき、「脳の仕組みを知れば、思考や知覚の好ましくないパターン(クセ)を変え、今までと違った人生を送ることができる」と指摘しています。

 言いかえると「私たちがバランスの取れた心理状態を維持できるのは、情報の処理方法や感じ方において、4つの正反対の性格を持っているからであり、脳の伝達回路が常に1つの性格だけに優位に反応すると、思考や感情のパターンが偏り、価値観や人間関係に大きな影響を及ぼす」ということ。

 ラマチャンドランとテイラーの指摘を要約すると「側頭葉の特定部位」の回路が進化すると「変性意識」や思考体系の変化など、今までの自分とは違った「変容(進化)」が起こるメカニズムがあるのではないでしょうか?

 宮﨑駿監督の『君たちはどう生きるか』の主人公「眞人」は、道端の石で自分の頭を殴って出血を伴う大ケガを負い、人間の言葉をしゃべるアオサギと対峙します。このアオサギは後に「擬人化」しますが、これもよくある「幻覚」のパターンです。

局所性発作が辺縁系に起こった場合は、感情の症状が最も顕著な症状となる。患者は強い恍惚感から深い絶望、破滅の時が迫っているという気持ち、果ては極度の怒りから恐怖まで感情が燃えさかるという。

脳の中で電気的なバーストが繰り返されることによって、ある回路が永久的に促進されるのではないか?突出性の経路が増強され、脳構造どうしのコミュニケーションが増加する。

人や出来事を見る感覚領域や声や音を聞く感覚領域が、情動中枢とより緊密に結合するようになる。

V・Sラマチャンドラン「脳のなかの幽霊」より
左:ベンヌ
右:ペリカン

 その後、「下の世界」に落ちた眞人はペリカンの大群に襲われ、「我ヲ學ブ者ハ死ス」と刻まれている墓の門を開けて物語が進みます。アオサギは「ベンヌ(フェニックス)」であり、ペリカンは「自己犠牲」の象徴です。

 私自身、まだ映画を観ていないのですが、眞人が「この世界は僕の来た所と全然違うけど、似ている所もあるんだと思う」というセリフあるようで、それでこの映画の主旨を「確信」しました。

 「この世界は僕の来た所と全然違うけど、似ている所もあるんだと思う」の具体例は、映画『ゼイリブ(They Live)』や『マトリックス』をイメージするとわかりやすいと思います。

 また、眞人が大叔父に「この石が、この海の世界をつくったのですか」と聞いているシーンがあるようですが、後の記事に関わる重要なポイントなので覚えていてください。


 ここで話を戻し、ラスコー壁画に描かれたオリオン座の三つ星と福岡県の宗像大社に祀られている「宗像三女神」とした場合、牡牛座のヒアデス星団にあたるところに沖ノ島があると直観的に閃きました。

 ここでは触れませんが、それをエジプトに置き換えるとダハシュールになると思います。



沖ノ島

 沖ノ島は、2017年に「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成資産の一つとして、ユネスコにより世界文化遺産に登録され、シルクロード経由で介した遺物が多数発見されています。 

 別名「神の島」と呼ばれ、島全体が宗像大社沖津宮の御神体で、今でも女人禁制の伝統を守っています。また、男性でも一般人は毎年5月27日の現地大祭以外は上陸を基本的に認められていません。

 また、「不言様(おいわずさま)」と呼ばれる島で見たり聞いたりしたことを口外してはいけない掟や、海に入り禊をおこなうことなど、禁忌は今日まで守られています。

 この沖ノ島は九州をアフリカ大陸になぞるとクレタ島になります。次回、クレタ島に焦点を当てていきます。


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