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国立国会図書館に著書を納本しました~わたしの墓標~

しばらく前に、Amazonにて販売されていた著書2冊を一旦販売停止し、その後、新しい現バージョンを再び同じAmazonにて販売しておりますが、販売停止していた間に何をしていたかというと、公式ISBNとJANコードの取得をしておりました。
Amazonで取得できるISBNはAmazonでの流通ルートでしか通用しないものです。そのため、代行会社に依頼し、公式ISBN及びJANコードを取得しました。

それは、国立国会図書館に著書を納本したかったからです。

そして今日、国会図書館から著書2冊が正式に受領されたとの受領書が届きました。

4冊とあるのは、著書2冊を2部ずつ納本したため。
国立国会図書館の本館および関西館にて保管されます。

わたしは、もうずっと長いこと前から、自分の最期について考えてきました。終活というやつです。
終活というと、老いてから考えるようなイメージがありますが、ヨーロッパなどでは30代くらいから終活を考えるのが大多数だとか。


わたしは独身です。犬や猫の子供たちはいますが、彼らは「わたしが看取る存在」であり、後継者ではありません。

今のわたしには配偶者もなく、人間の子供もなく、これから先それらを持つ可能性も低いと思います。
そんなわたしが何よりも長年考えて考えて、悩み抜いてきたこと。
それは、「どうすれば自分が亡きあと子供たちと共に眠れるか」です。

これについて、本当に本当に色々と検討しましたし、事例なども探しました。

わたしは、自分の遺骨を、子供たちの遺骨と離れ離れにさせたくなかった。
これまでに看取った子供たち、そしてこれから看取るであろう子供たちと共に眠る事、それがわたしの生前の、最大の望みです。


出来れば、今もそうしたいと思っています。
しかし、現時点では人とペットが同じ墓に入ることはかなり難しいようでした。それが出来たとしても、墓の購入や、それが本当に為されるのか(遺言として守られるのか)、など納得できる答えがありませんでした。


そこでわたしは、「著書」を墓として、国立国会図書館に墓標を建てることにしたのです。


そのために公式ISBNとJANコードを取り直し、著書が国会図書館への納本基準をクリアしていたため、納本しました。

わたしの言葉で綴った、わたしの記憶から紡ぎ出された、子供たちの記録。そして、それを見てきたわたしの文章。
それらが集合した、「本」という媒体。

これが国会図書館で半永久的に保管されます。
紙の本も勿論、国会図書館のデータベースでも検索が可能となります。(検索可能となるのは上記画像の通りやや後となります)


ああ、これは、わたしと子供たちの墓だ。
そう思いました。
そして、「書いていたからこそ」「生前にどうしても叶えたかった願いが叶ったのだ」そう、思いました。



わたしと、わたしの子供たちは、わたし自身が作り出した「本」という形で、国立国会図書館に半永久的に残る。
そこに、わたしと子供たちの墓を作れた。


わたしは本当に、何が一番心残りかというと、「子供たちとともに埋葬されたい」ことでした。どうしてもどうしてもこれだけは譲れない。何を賭しても叶えたい。人生最大の望みであり、生前の最も大きな願望と言っても過言ではありません。いえ、過言ではなく、そのものです。

納本のために本を郵送した後、長年悩んできたこのことが、本当にスッキリしました。
生前に叶えたかったことで一番大きな事を、やり遂げた。クリアした。
心が楽になる、の本当の意味を実感したことでもありました。

もしも、わたしがこれから数十年後に子供たちを全員看取って、その後自分が死すことになっても、「わたしたち」の墓はもう、既に在る。
骨と骨は別々になり、継ぐ人がおらずいつかないがしろになったとしても、国会図書館にはわたしの文章で刻んだ子供たちの思い出が、「わたしたちの墓標」として遺る。

『保護猫・しぶき』はわかるけど、なぜショートショート作品集の『ワラ時々 奇妙』まで納本?? と思う方もいるかもしれません。
w本の最後のショートショートは、愛犬リキをモデルとした「令和版鬼退治コメディ」です。本となるまでは、ここnoteでも連載しておりました。(現在は書籍化に伴いnoteでは非公開です)
この作品の扉絵に、幼い頃のリキの写真を使いました。
そのため、しぶき本のみではなく、w本も納本しました。

そして、もちろんしぶき本も。
Amazonで再販前に手を加え直したのは、納本を見越しての事です。

今、国立国会図書館には、わたしと彼らの墓標――「本」という形での墓があります。生前に建てたこの墓に、わたしは幸福と安堵を感じています。

そしてこれからも、書いていくつもりです。
子どもたちの話だけではなく、わたしの創作も、もしかしたらわたし一人用の墓標として、遺るやもしれません。

機会があれば、探してみて下さい。
もしくは遠い未来に、今はまだ生まれてもいない誰かがこの本に出会い、「こんな猫がいたんだ、こんな犬がいたんだ、こんな物語を書く人がいたんだ」と知ってくれるかもしれません。

今後も作品を出版するときには、国立国会図書館への納本を目標としていくつもりです。
公式ISBN及びJANコード取得には、代行会社を通じての費用がかかります。
よろしければサポート等でご支援いただければ、有難く存じます。

  2022年10月4日 琥珀ベイビー


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