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現職教員の教職大学院での学び⑤〜学卒院生から学ぶこと〜

学卒院生と現職院生

 教職大学院には大学を卒業してそのまま大学院に進学してきた、いわゆるストレートマスターと呼ばれる大学院生と、教員の身分を有したまま教育委員会の派遣や休業制度を用いて大学院で学ぶ大学院生がいます。
 私が通う教職大学院では前者を「学卒院生」、後者を「現職院生」と呼びます。講義の多くは学卒院生と現職院生が混ざり合いながら進められることが多いです。

それぞれから学ぶこと

 現職院生同士の学びはそれぞれの学校の実情や、ある程度の年数を重ねた教員個人の悩みを共有するといったピアカウンセリングのような効果が大きいなと感じます。時折、愚痴っぽくなってしまうこともありますが・・・。学卒院生と現職院生の学びは、学卒院生にとっては学校現場の教員が何を考えてどのように動いているか、特に授業作りや生徒指導についての具体的事例を知れるというのが一番のメリットだと思います。教職大学院にいる現職院生は教育に対する強い思いや課題意識をもつ方、一定レベル以上の授業実践をされてきた方がほとんどです。そのような現職院生からの学びは学卒院生にとって大きな財産になると考えます。

現職院生が学卒院生から学ぶ価値の大きさ

 一方で、私は現職院生が学卒院生から学ぶことの価値も非常に大きいと感じています。特に下記の2点です。
①新鮮な教育的示唆をもらえる
②自分が取り組んできた実践を丁寧に振り返ることができる

①新鮮な教育的示唆をもらえる

 ある程度の教員経験を重ねると、「授業とはこのようなもの」、「生徒指導のコツは〜だ」といったようなそれぞれの型ができてきます。また、配属される学校の状況によって、共通した型が強制的に求められる場合もあるかもしれません。学卒院生との対話では、その型を良い意味で壊してくれるような刺激があります。極端な例で言うと、ドリル的な学習は一切必要なく、グループワークのような協働作業や対話の時間を学校では保障すべきだといったことや、自由進度学習を全ての教科に取り入れることが可能なのではないかといった話をいただきました。最初は「う〜んどうかな〜現実的には厳しいかもな」なんて思いましたが、法的には何ら問題ありませんし、よくよく考えると絶対に無理だとも言い切れません。もしかしたら既存の学習スタイルよりも学習効果(定義は曖昧です)が高い可能性もあります。自由進度学習は特別支援学校などではすでに取り入れられている部分もあります。
 こういった斬新な意見、新鮮な教育的示唆は学卒院生からもらえることが多いです。

②自分が取り組んできた実践を丁寧に振り返ることができる

 授業の中では、現職教員が主導となって、自分の現場経験や授業実践をもとに学卒院生と一つの課題解決に取り組むこともあります。その際に必要なことは、自分が経験してきたことや実践してきたことを、現場経験のない、もしくは少ない学卒院生に、噛み砕いたり具体例を示したりしながら話していくことです。いくら話したところで伝わらなければ意味がありません。相手に伝わるように、一つ一つの事柄を言葉を選びながら語っていくことは、自分の実践を細かく振り返ることにつながります。その中でうまく伝えられないこと、言語化できないこともあるでしょう。きっとその部分は「何となく」やったこと、「辻褄合わせの指導」があったのではないかと自分を省みることにもつながります。これらを繰り返し行うことで、自分の成長につながります。現場に戻った際に初任者指導教員や校内OJTを担った際にも生きてきます。
 時折学卒院生から実際の指導について質問をもらうこともあります。その際も具体的な事例をいくつかスラッと言える位になりたいと思います。正直答申や学習指導要領に書いてあるからといった語りは響きません。ここは自分を根拠に話したいですね。

おわりに

 秋学期の授業も本格的に始まりました。私が受けている授業は、春学期に比べアウトプットする機会が一層増えました。また、同じプログラムに所属する現職院生の学校を訪問したり、読書会を行ったりと慌ただしさが戻ってきました。あっという間に今年も残り2ヵ月程度です。今年中に仮の課題論文をまとめなければ・・・。

 今日は娘の運動会です。何だか色々な役割があたっているようで、見ているこちらが緊張しそうです。
 皆さん良い週末をお過ごしくださいね⭐️お読みいただきありがとうございました。

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