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0歳からの頭のかたちクリニックを選ぶ理由

0歳からの頭のかたちクリニック 東京日本橋の梶田です。

2024年6月は、ヘルメット治療に関する研修会・学会・研究会等のイベントが多い月でした。
6月2日には第4回ヘルメット適正治療研修会が開催されました。
堀越先生が当院(以下 ゼロクリ)の最近の note でも少し紹介しましたように、クルムを製造・販売する株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーが主催する医師向けの研修会です。
私も講師のご依頼をいただき、ゼロクリの診療の実績についてデータをまとめて紹介する機会をいただきました。

6月7〜8日には第52回日本小児神経外科学会が開催され、7日のイブニングセミナーでは、
株式会社 AHS Japan Corporation (本邦でスターバンドを販売している企業)、
グンゼメディカル株式会社(ミシガン式頭蓋形状矯正ヘルメットを販売し、現在はリモベビーの製造・販売も行っている企業)、
株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーの3社が登壇し、
医師が主体の学会としては珍しい場となったようです。
私は残念ながら現地には伺えませんでしたが、抄録集を興味深く拝読しました。

6月28日には第9回頭蓋形状誘導療法研究会が開催されました。
こちらはミシガン式頭蓋形状矯正ヘルメット(リモベビー)やスターバンドを用いた診療を行っている医療者向けの研究会です。
昨年は参加できませんでしたが、今年は私も聴講させていただくことができました。
使用するヘルメットが異なっていても、治療の本質は共通しており、治療効果が大きく異なることは無さそうに感じました。
これらの学会や参加すると、国内にヘルメット治療が急速に浸透しつつあることを実感させられます。
メーカーのホームページを確認すると、2024年6月29日の時点で、167の医療機関がヘルメット治療を実施しているようです。
一番多いのが株式会社 Berry のベビーバンドで 79の医療機関、
次がスターバンドで 41の医療機関、
次がクルムで 34の医療機関、
次がリモベビーで 18の医療機関が掲載されていました。
(複数のヘルメットを取り扱っている医療機関がありますので、合計は167より少し多くなります)
これらの医療機関を地図にまとめてみました。

地域の方にとって、必要な医療にアクセスしやすくなることは良いことですので、良い診療が提供されるのであれば望ましい状況になりつつあるのだと思います。
心なしか、ゼロクリにご来院される方についても、北海道や沖縄など遠方からいらっしゃるご家族の数は以前よりも減ってきているように感じます。
ヘルメット治療は複数回の通院が必要となりますので、通院のしやすさは重要なポイントだと思います。
そんな中、あえてゼロクリを選ぶとしたら、どのような理由が挙げられるか、考えてみました。

①圧倒的な診療実績
これまでに少なくとも8,500人の乳児がゼロクリを受診し、3,500人の治療を実施してきました。
ヘルメット治療に限った話ではなく、提供される医療の質は医療者の経験に依存する部分があります。
開設されたばかりの医療機関では、はじめは手探りで診療が行われ、徐々にクオリティが安定してきます。(医師ではなくメーカーの担当者や義肢装具士の方によってヘルメットの調整が行われている施設もあるようです)
クオリティを高めるためには、もちろん期間だけでなく症例数も重要です。
ヘルメット治療は赤ちゃんの月齢や重症度によって期待される効果が異なります。
経験の多い医療者のほうが、的確な見立てをつけることができます。
ゼロクリではさらに、経験だけではなく蓄積された診療データにもとづいた見立てをつけられますので、より客観的な判断ができるものと考えます。

②毎回の3Dスキャン
どの医療機関もヘルメット作製時と卒業時には3Dスキャンを行っていると思いますが、ゼロクリでは初診時と治療開始後の毎月の通院時にもスキャンを行っており、当日に解析結果をお見せしています。
多くの医療機関では、初診とスキャンが別日になったり、スキャン結果は後日に見せられたりします。
ゼロクリでは治療前から数字で重症度を把握できますので、治療をすべきかどうかの客観的な検討材料として利用いただけます。
また初診時のデータでヘルメットを作製できますので、スムーズに(最短2週間程度で)治療を開始することができます。
治療中にも毎月のスキャンが見られますので、形態の改善の有無が確認しやすいです。
数値での評価がデータとして蓄積されますので、治療経過の傾向を詳細に把握することができます。
例えば治療期間について、多くの医療機関では半年間が一般的とされているようですが、ゼロクリでは平均で4-5か月程度です。
それは、過去の診療データを見ると、多くの症例で4-5か月程の治療後には改善が乏しくなることが確認されており、実際のスキャンデータを見れば、実際に形も数値も大きく変わらなくなってきたことが保護者様にとってもタイムリーに確認できるからなのだと思います。

③多診療科の医師による診察
ゼロクリでは形成外科、脳神経外科、小児科、小児外科の医師が診療に当たっています。
頭蓋縫合早期癒合症を見逃さないために、レントゲン画像は小児脳神経外科の医師がダブルチェックする体制を取っています。
多くの観点でお子さんを拝見できますので、ご安心いただきやすいのではないかと思います。

④地理的・時間的なアクセスの良さ
多くの医療機関では、ヘルメット治療に関する外来は週の限られた曜日・時間帯で提供されています。
ゼロクリは通院のしやすさを考慮して、主要駅から徒歩圏内に立地しており、特に東京日本橋院では休日も含めて午前・午後と開院していますので、比較的通院しやすいのではないかと思います。

⑤クルムでの治療
他の製品と比較して、クルムでの治療を希望されて来院される方もいらっしゃいます。
クルムの売りは日本製で軽くて通気性が良くて水洗いできること(最新のクルムフィットでは、さらに改良されヘルメットがズレにくくなりました)ですが、最近では他のメーカーからも同様の特性を有する製品が登場しているようです。
個人的には、治療効果の観点では、オーダーメイドの設計であれば、ヘルメットの種類は何でも良いのだろうと思っています。
(治療効果を科学的に比較するためには、そのようなデザインの臨床研究が実施される必要がありますが、質の高い研究の報告はこれまでに無いと思います)
おそらく、ヘルメットの種類よりも、治療を開始した月齢や、ヘルメットの装着時間のほうが重要なファクターだと思います。
複数の医療機関を受診して話を聞くご家族もいらっしゃいますが、そのことで治療開始が数週間も遅れるぐらいなら、早く治療を開始したほうが良いと思います。
ただし、医療機関によっては主観的な評価にもとづいて重症でない赤ちゃんに高額な治療を押し売りしている可能性は否定できません。
重症度について疑念があるようでしたら、ぜひゼロクリでのスキャンを受けてみてください。
客観的な重症度を確認し、あらためて治療の必要性についてご検討いただくと良いと思います。
また表参道神宮前院ではセカンドオピニオン外来をおこなっていますので、他院で治療を開始された後であっても、お気軽にご相談ください。

⑥クッションのスペアの用意
ジャパン・メディカル・カンパニーのヘルメットでは、クッションのスペアを用意する際に、多くの医療機関では保護者が自身でクッションを切って作成されるようです。
ゼロクリでは調整担当のスタッフがスペアのクッションもご用意しますので、手間が少し小さくなります。

⑦追加の再診料なし
ゼロクリではヘルメット装着時にお支払いいただく金額に通院の料金を含めていますので、通院のたびに診察料をお支払いいただくことはありません。
医療機関によっては、通院のたびに料金を請求している場合があります。その場合、治療効果が期待できないのに、長期の通院が促される可能性が懸念されます。
特に頭蓋変形は自然経過でも徐々に改善しますので、通院で見られる「改善」が、本当にヘルメットの効果として得られたものなのか、被っていなくても同じように改善したのではないか、と疑ってみることも重要だと思います。

⑧乳児に特化したクリニックならではの設備
ゼロクリは赤ちゃんやご家族になるべく快適に過ごしていただけるような空間となるように設計・管理されています。
もちろん、他の医療機関にもそれぞれ一長一短があると思いますので、受診の際の観点としても、ご参考になりましたら幸いです。

以上、長文となりましたが、ゼロクリは業界のリーダーとして業界全体の診療のクオリティを向上すべく、今後も精進して参ります。
ゼロクリは治療を前提としたクリニックではありません。
一人ひとりのお子さんやご家庭の状況にとって、最善の未来に向けたご提案をいたします。
もしお子さんの頭のかたちについてご心配があるようでしたら、まずはぜひお気軽にご来院ください。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

東京日本橋クリニック 院長・医師 梶田 大樹

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