読書日記『河童』

 芥川龍之介の河童を読みました。
芥川龍之介さんは河童がお好きだったようですね。彼の命日が「河童忌」と呼ばれているのもそれ故みたいです。

  ざっくりというと、河童世界に転がり混んでしまった人のお話でした。急に現れた人間に対し河童が意外にも友好的です。というよりかは、いい意味でそこまで興味ないといった感じでした。いい距離感。
人間の世界に河童が現れたら解剖とかされちゃいそうですけどね。少なくとも他の人間と同じように接し、河童が人間界に馴染むことはないでしょう。でも「河童」の河童達は主人公に対して友達のような距離感で接してくれるんです。

 河童達の世界は人間界以上に文明が出来上がっています。それどころか、全てにおいてとても合理的な世界でした。河童の赤ちゃんはなんと母親のお腹にいる時点で生まれてくるか、否か、自分で決められるんです。
 その他にも廃業者はお肉にされて他の河童に食べられます。作中の河童曰く「餓死や自殺の手間を省ける」そうです。しかもこれが法律で決まっていることなんだそう。なかなかですね。

 そして主人公は人間世界に帰るのですが、河童世界に馴染みすぎて人間世界に適合できなくなってしまいます。精神病棟に入れられるのですが、そこで河童の話をしても誰も信じてくれません。
そもそも、このお話自体精神患者の回想という設定みたいです。
でも妄想にしては、よくできすぎているお話ですね。ファンタジーというか、不思議なお話です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
「河童」は河童を愛した芥川龍之介さんから見た河童を垣間見れる、面白い作品でした。
まだ読んでいない方は是非。読書感想文とかにも良さそうですね!

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