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医療機関の転院手続き

引っ越しを考えるとき、まっさきに頭に浮かぶのは、現在お世話になっている医療機関が変わることではないでしょうか。以下に転院に関する手順を説明していきます。

■転院の手続き

引っ越しが決まったら、すぐ担当医にその旨を連絡します。病院の規模によりますが、地域連携部(または地域連携診療部といった名称の部門・組織)が窓口になり、転院先をコーディネートしてくれます。また、病院だけでなく、訪問看護やリハビリ、訪問歯科、往診医など、利用している他の医療機関の転院もまとめて相談できると思われます。その病院以外の紹介で利用し始めた医療機関・サービスであっても大丈夫です。その際、各医療サービスの利用状況について地域連携部所属の担当看護師さんから聞き取りがあります。そのヒアリング内容に基づき、地域連携部が中心となって転院先を選定し、紹介状を準備してくれます。訪問看護ステーションに対しては看護サマリーの作成を依頼してくれます。紹介状が出来上がったら受け取り、なるべく早い段階で新しい病院に初回受診をします。担当医への連絡からここまで早くて1ヶ月半ほどかかりますが、余裕をもって2ヶ月ほどみておくとよいでしょう。訪問看護や訪問リハビリ、訪問歯科は電話連絡をして初回訪問日を決め、初回訪問の利用契約時に紹介状または看護サマリーを手渡します。

■事前に情報収集する

転院先についてこんなことがあるかも、ということで自分の経験に基づいてお話しすると、次のかかりつけ医を探すには、引っ越しが決まる前になるべく早い段階で現在のかかりつけ医に相談しておくことをお勧めします。その際、どの辺りへの転居を考えているか、できる範囲でいいので具体的に伝えられるとなお良いです。担当医が転居先候補の在宅診療事情について何か知っているかもしれません。都内だから医療環境が整っているだろうと安心していたら、意外と受け入れ可能な医療機関がなかったり、といったこともあります。転居先を決める前に、引っ越した後の医療機関への受診が、今と比べて便利になるのか不便になるのか、不便になるとしたらどの程度か、について情報を得ておくことは大事です。不便さの程度によっては、転居先を再検討する必要が出てくるかもしれません。また、かかりつけ医だけでなく、訪問看護師さん、リハビリの療法士さん、相談支援事業所の担当者さんなどできるだけ幅広く相談して情報を集めると良いと思います(もちろん、他の自治体の事情についてはご存知ないと言われる場合もあると思います)。実例としてわが家の場合は、引っ越し前は、風邪での入院と往診を1件の病院が受け持ってくれていましたが、都内引っ越し後は、入院も往診も1件で可能な病院が近くになく、2件に分けざるをえなくなりました。

■まとめ

・手続き:かかりつけ医に連絡→地域連携部からの聞き取り→紹介状・看護サマリー受け取り→病院初回受診、訪問サービスの初回訪問アポ取り・利用契約

・手続き開始時期&要する期間:引っ越しが決まったらなるべく早く。2ヵ月ほどみておくとよい。

・必要書類:特になし(紹介状、看護サマリー、各種指示書は医療機関が準備してくれる)

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