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movie 『EVERYTHING SUCKS!』

『EVERYTHING SUCKS!』 Ben York Jones,Michael Mohan(Netflix  Original)


好きすぎて3回くらい見てる。まず目にいい。90年代のオブジェクト全てがかわいい。どのシーンを見ても、ティーンだけが発する気怠さや自覚のないキラキラ、怯えるような繊細さで、もったいないほど濡れている。そしてそれらは全部「EVERYTHING SUCKS!」の一言で完全にラベリング/名付けが成功している。

1話目のタイトルもまた良い。「プルトニウムのような彼女」。


そして、キャラクターもいいの。エマラインが最強にかわいい。この子は強気な女の子で、ヒロイン(ケイト)に意地悪したり、彼氏にフラれて中指立てたりするけど、弱気な女の子でもあって、恋人に自分のアイデンティティが全部浸かっている事を認知していたりする。シーズン1の最終話、指輪のキャンディを渡す時の登場の仕方、返答、仕草、あまりに良いので泣きたくなった。松ぼっくりを電話に見立てておどけるシーンも、強がってない健気な素直さが自然体って感じで良かった。私もあれをやる女の子になりたい。最も良いのは変化していくケイトとの関係性だけど、ネタバレになっちゃうから話せなくて残念。

「勉強が得意なオタクです!」みたいな雰囲気を出してるマクウェードはかわいいので、無邪気に意地悪してからかって付き合いたい。

校長先生もよかったな。相手への思いやりに溢れる言葉を選んでいるのに、それが自分の本心を隠すわけではなく、嘘偽りのない思いの限りを伝える役目も果たしている。こんな大人な発言ができるようになりたいよ〜〜〜。幸せになってね。




それから、話の中で高校生たちが映画制作をするのだけれど、その映画自体もめっちゃいい。真っ青宇宙人の地球侵略ラブストーリー。90年代×高校生クオリティの工作みたいなSF映像がオシャレ。現代のCG技術では、本当にこの世界が実在すると即座に思ってしまうくらいの映像がバンバン生み出されていてすごいけれど、「この星、どう見てもグシャグシャに丸めた紙を糸でぶら下げてるだけじゃん!」とか「これじゃあ敵倒しじゃなくてただのスイカ爆発大作戦じゃん!」とか思うのに、思わず見入っちゃうような、気づいたらその世界に入り込んでしまっているような映画は作れるんだなと思って、技術だけではない引き込みのエネルギーを再発見した。あとはシンプルに、工作感の強い映像は漫画と動画の融合みたいだ。「それってアニメじゃん」って感じだけどそうではなく、二次元の世界が三次元として存在するような・・・。もっとハイクオリティにではあるけれど、ミシェル・ゴンドリーの『恋愛睡眠のすすめ』という映画を見た時にも似たような事を思った。(この映画もめっちゃ好きなので、いつかそのすごさをちゃんと言葉にしたい)。



そして何より、このドラマは曲の使い方が最高に良い。各話の終盤にそのシーンにぴったりな曲が流れて感動した瞬間、「Everything Sucks!」とタイトルに切り替わる。かっこ良すぎて痺れる。特にこの2曲が使われる回が最高にキマッていた。


Oasis『Don't Look Back In Anger』


Weezer『Pink Triangle』





でもね、こんなにこんなに大好きなのに打ち切りになってしまったの。

なんでなの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Netflixのバカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


だけど、シーズン1だけでも作ってくれてありがとう・・・・・・・・!



ばばみお


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