見出し画像

時間よ止まれ


本当に楽しい時、待ちに待った機会が訪れた時。
そんな時は本当にあっという間に時間が過ぎてしまうものだ。

私はコンサートに行くのが大好きだが、不思議と自分の席の周りに気になる人が集まって集中できない事がよくある。

自分が気にし過ぎているのだろうけど、どうにもこうにも視界に入ってしまいコンサートに集中できない状態になってしまう。

あるコンサート会場で隣りに若い女性が座っていた。一人で来ていて、開演するまできちんと姿勢よく座り大人しい感じの人だった。

いざ、開演し私のボルテージは上がっていく。
ふと視界に隣りの女性の動きが入ってきた。

何というか、リズムに合わせてるんだか合ってないんだか独特のノリ方をしている。

こうなると、もうだめだ。
隣りが気になって気になって仕方がない。
ステージに集中したいのに、どうしても横目で確認してしまう。

これでは、この人を観に来た様なものだとステージを一心に見つめる。

その日は2階席。会場の盛り上がりは最高潮だった。1階席の人達を何気なく見てしまった自分が悪い。

1階席、どんな曲でも微動だにせず腕組みをし、時折頷きながらステージを観ているイカつい男性。対照的に隣は踊り狂う不思議なお召し物の年配女性。

ステージを観るために持ってきた双眼鏡で覗きたくなる衝動を必死に抑える。

もう、今日は集中出来ないかもしれない。そんな風に思っていた私をアーティストはしっかり連れ戻しにやってくる。

あぁ何て最高なんだ。ずっとこのままコンサートが続いていたらいいのに。
毎回そんな風に思えてしまう。

すると、今どの位の時間が経ったのか無性に気になってくる。
コンサートは大体2時間くらい。
私はあとどの位、この幸せを感じる事が出来るのか。
あと30分?それとも案外1時間くらい残っているのだろうか・・・

たまにステージ脇に時計が設置してある会場がある。それだと、本当に何度も時計を見てしまう。

あぁ、もうこんなに時間が経ってる!
頼むから終わらないで!時間よ止まれ!!

コンサートはやっぱり最高だ。会場の一体感やステージ構成、そして最高のアーティスト達。

頑張ってきて良かったなー!と思える瞬間だ。
また行こうと何度も思う。

そして、絶対に次は全集中で取り組むと誓いを立てるのだ。

言うまでもない事だがコンサートの観覧の仕方は人それぞれです。その人がどう観るかは個人の自由であると言う事を追記しておきます。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?