輝かしい日々よ

　束の間の休息である。
　カレンダー通りの私は最大連休は５日であり、あっという間の日々であった。しかし天候に恵まれ、光の粒が通り過ぎるような美しく輝く日々はまさにゴールデンウィークにふさわしく、目を細めながら幸福を噛み締めていた。

１日目／５月３日
　私の地元に帰り家族と食事。
　幼い頃から通う町中華である。上品な味で美味しく、家族全員が好きだ。普段アルコールを飲まないのでグラスだけでふわふわとした気分になる。
　姉夫婦も来ており、姪の成長した姿を見るのも楽しい。夫は柔和な雰囲気を持つので姪らは即懐く。
　良い時間だった。そして私の地元は微妙に遠く帰りは少し疲れた。

２日目／５月４日
　暑い日であり半袖で出掛ける。
　吉祥寺散策。三鷹で降り吉祥寺へ向かう計画だ。住宅街を歩き、その中にぽつんとある日常雑貨を取り扱う店に入る。あれもこれも欲しいが全ては手に入らない。吟味してまた店に行くつもりだ。
　井の頭公園は幸福と日常がうまい具合に混じり合い、平和という言葉が相応しい風景が広がっていた。

スワンボートが軽快に泳ぐ

　早い時間から酒を出す店に入り、軽くビールと焼き鳥を食べる。太陽がある時間からアルコールを入れるのはなんて嬉しく気持ちが軽くなる行為なのだろう。

３日目／５月５日
　この日も良い天気で今年初のサンダルを履く。世間で大人気のOOFOSのリカバリーサンダル。確かに履きやすい。

カフェ入店待ち

　そしてこの日は結婚記念日でもある。ささやかなお祝いとして近所のうまいピザ屋でピザを食べる。

アンチョビって美味

４日目／５月６日
　この日も初夏のよう。そろそろ連休が終わりを見せ始め気持ちが翳ってくる頃合い。
　西荻窪の古民家カフェへゆく。住宅街にぽっとそれはあり、雰囲気の良さは完璧であった。

併設のショップ

　中庭があり、立派なツツジが生えていた。非常に時間がゆっくり流れているような、安穏とした場所だった。プリンを頼んだのだが、洋酒が効いており大人の味がした。
　そして何年かぶりにラーメン屋に行きラーメンを食べた。あまりラーメンは得意ではなく、自分からは進んで食べることは絶対にない。それを言うと熱狂的ラーメンマニアに「ここは美味しいから」と一押しの店に連れて行かれるのでラーメン初心者なのにも関わらず名店しか食べたことがない贅沢なラーメン歴なのである。

５日目／５月７日
　悲しみの最終日。天気も崩れて朝から雨が降った。連休最終日にふさわしい天気だと感心する。
　ベッドに転がり目を開けたり閉じたりを繰り返す。Netflixでスキップとローファーを公開している分だけ一気に見る。誰一人として嫌なやつは居らず、進学校ならではの理性が働いた生徒たちの心の揺れ動きアニメ。優しいアニメだなあ。
　そういえば私は彼氏彼女の事情という漫画が大好きで子供の頃はこういう高校生活を送れると信じていた。実際はそうでなかったのでこのアニメを見ながら憧れを追体験をすることにする。

　明日から仕事だ。
　ようし、明日からまた頑張るぞう！　なんて気持ちには微塵にもならず、この平和で穏やかな日々が続けば良いのに、と思う。けれど普段の仕事があるおかげでこの休みが貴重で尊いものになるのだろう。
　今日は早寝しないとな。