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温泉コワイ

私は温泉が苦手である。
(まんじゅうコワイ的なお話じゃありません)

保護者会の役員をしていた頃、年に2回ほど、大会などで他県に出かけた。
会議以外は観光もできたので、そこは楽しく過ごすのだが
お宿に帰ると誰からともなく「温泉行かない?」と声が上がる。

「そうだね、ご飯の前に行こうか」
「私、着いたときすぐ入ったけど、また行こうっと」


ははーーー!

温泉好きな人って、ほんとにマメに往復するよなぁ。
一泊して帰るまでに5回入ったというツワモノもいる。いつ服を着てるんだ?
私は、「温泉か」と、内心ではため息ついている。
けど、「そうだね~~♪」というリアクションはできる大人ではある(笑)


私はお風呂嫌いというのではないが、大勢で浴場に居る状況ってのがどうも苦手である。
なぜかと言うと、不安なのだ。

入浴時はメガネを外すので、外界は薄ぼんやりとなる。浴場は大概、薄明るく、広く、区切りが少ない…そこに肌色のモワモワした塊(入浴者さん達ですね)が、ウヨウヨ、ウロウロしている。

とても不安である。

他の人たちも、私みたいに視界がモーロウとしているのならいい。
でも、モーロウは私だけで、他の人たちはそこそこ見えていて、誰彼の判別もそこそこついているわけで。

極めて不利なのだ。

何が不利って、特に不利だった事例はないが…しかしなんとなく、風呂場での立場が弱く感じるのである。

風呂場の立場ってなんだよ!って話だけど、実際、スッポンポンであの不安な場所に立つと、ああ、慎ましくしていよう、わがまま言いません、真面目に洗って出て行きます的な態度と振舞いになってしまうのだ。

全然、のびのびしない。

風呂場でイジイジ。

しかも隅っこの安全なところに行きがち。


今朝もつぶやいたが、メガネがないとぶつかる。

きっとお風呂場でのびのび動くと、お風呂のフチとか手すりとか誰かの洗面器とかに躓いて、スッポンポンですってんころり、運が悪いと頭を打ってスッポンポンで伸びてしまうかもしれない。

そう、なんといってもスッポンポンがまずい。

無防備だ。

お風呂だから当たり前なんだけど。
無防備な上、自分だけがぼんやりしている。

ぼんやりで無防備。

危険しかないじゃないか!


無事、洗って浴槽に入って、頭にタオルを乗っけて「ふへぇ~~」などと、やっと温泉気分になっていると、あっというまに茹で上がる。

そうだ、温泉が苦手な理由のもう一つは、すぐに茹だるということだ。
長湯が出来ない。
誰もいなけりゃ泳ぎたいのに、茹でダコになってしまう。

露天風呂やいろんな種類の薬草風呂なども、前述の理由から、
あちこちめぐるのは不利で危険である。

試しに何度か、メガネをかけて入ったことがあるが
これがまた不便このうえない。
レンズが曇って、裸眼よりもべったり見えないもんで
曇るたび人目をしのんでお湯につける。
クリアになるのは一瞬で、あっという間に曇っていく。
だれかワイパー付きのメガネを開発しないかなぁ。
(それも邪魔かな…)


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