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ピロウズ短歌まとめ その2(2023年3月〜4月)

the pillowsの楽曲を基にした「ピロウズ短歌」、3月と4月にツイッターに投稿した分をまとめます。その1は下のリンクからどうぞ(ピロウズ短歌を始めるに至った経緯なども書いています)。

ここ最近、特に4月が忙しくて精神的にも余裕がなく、毎週日曜日に更新していたのを一度だけお休みしてしまいました。ある程度ストックがあるのでしばらくはただ機械的に更新することも可能なのですが、どうしても気が進まない時はダメですね。ツイッターでは楽しみにしてくれたりいつもいいねをくれたりしてくれる方もいるので(ありがとうございます)、こちらとしても良いものを作って発信していきたいです。

短歌ひとつひとつにわざわざ解説を付けていくのは邪道なのかもしれませんが、まぁ僕が書きたいことを書いているだけ、と思って読んでいただければと思います。

それではゆっくりご覧ください。


いたずらなキミとの甘酸っぱい夢は現実さえも飲み込む魔力
(『オレンジ・フィルム・ガーデン』より)

ピロウズ短歌で、ちょっとした三部作を作ってみようと思いました。題して「夢の中のキミ三部作」。オレンジ・フィルム・ガーデンはその1作目です。
夢の中に出てくる"キミ"、相当からかい上手で罪な女ですね…。でもそんな子にあえて振り回されたいとか、そうされることで満たされる何かがある、という気持ちはよく分かってしまいます。


幻に触れられずともその歌で心の涙を拭ってほしい
(『Kim deal』より)

「夢の中のキミ三部作」の2作目。憧れに触れようと精一杯手を伸ばしている様が痺れます。
この三部作、1作目と3作目にする曲は発案当初にすぐ決まり、しかし間の2作目をどうしようかと少しばかり悩んでいました。ぼんやり歌の形が見えていたことと、3月の荻窪Top Beat Clubでのワンマンライブを観た影響で、やっぱりこの曲がいいと決めました。夢と現実を繋ぐいい短歌になったと思います。


「ひとりでもどうにかなるさ」と強がれる キミのエールを受け取ったから
(『ノンフィクション』より)

「夢の中のキミ三部作」の3作目。ハッキリとしたストーリーなどは考えてないのですが、最後に夢が少しだけ現実になる、という小さなハッピーエンドをイメージしています。
このノンフィクションの短歌には、僕自身のちょっとした感動を盛り込んでいます。細かいことは恥ずかしくて書けませんが、短歌の言葉とほぼ同じような経験がありました(リアルの人からではなく少し変わったベクトルのものですが)。三部作すべて合わせて、自分の中の感情を上手く表現出来てよかったです。


同じ傷を持つ誰かと出会うため残酷な世界に立つリバイバル
(『Revival』より)

2月にトライアルの短歌を作った繋がりで、最近この曲を聴く頻度が増えました。この曲の山場はCメロの部分だと思っていて、歌詞の言葉を極力使わず自分なりの解釈を表現してみたつもりです。足跡の主が必ずしも同じ傷を持っているとは限りませんが、久しぶりに心を動かした人に会ってみたい、という気持ちを想像して詠みました。


投げやりに悲劇のヒーロー演じても実のない言葉に風が抜けてく
(『Skeleton Liar』より)

エイプリルフールの直後だったので、嘘つき=ライアーということで若干おふざけも交えました。でも歌詞の中身は普段の考えと一致しているところもあるので、歌の言葉が思いのほかすんなり出てきたな、という印象です。
自分が利用していた短歌投稿アプリ「うたよみん」が3月いっぱいでサービス終了してしまったので、4月から新たに「sikanote」というアプリを使うことにしました。うたよみんと同じく画像を生成してそのままツイート出来るという機能が良いのですが、デフォルトの背景が少なくなったのが残念なところ。アルバム内の写真を背景に出来るという、あちらには無い機能を上手く活用していくしかないかなと思います。


崩壊のさだめに背き笑い合う二人を黒い風が包んだ
(『Last Holiday』より)

この短歌は、結構早い段階で完成していました。「ラストホリデー」ということでゴールデンウィークの終わりごろに公開する予定だったのですが、結局待ちきれず早めにリリースしてしまいました。新年度になり、仕事量がいきなりドッと増えてこの世の終わりを感じていたからかもしれません。
この曲は「終末」「孤独」「”キミ”への渇望」など色々エモい要素が混ざり合っていて、ピロウズの中でもとりわけ”美しい”と感じている曲です。ギターソロによる間奏後の、世界が崩壊していく様を描く歌詞やメロディは、いつ聴いてもうっとりしてしまいます。調子のいい時も悪い時もストレス無く聴ける、ある意味唯一無二の曲だと思っています。


ベッドから出るたび未来は塗り替わる そうして一年、また一年と
(『ハッピー・バースデー』より)

4月は僕の誕生日でもあり、以前からこの曲の短歌を作ろうと決めていました。ピロウズのバースデーソングといえば真っ先に『アナザーモーニング』が浮かぶかもしれませんが、あちらは「生まれ変わる日だ!皆祝ってくれ!」というような”ひとつの大きな点”であるのに対し、こちらは「色々あったけど、そういえば生きて来たんだよなぁ」という”長い線の中の小さな点”みたいなイメージがあります。
自殺未遂の気持ちを考えて作った、というインタビューでの言葉もすごく印象に残っています。これまでを顧みつつ「今も生きている、これからも生きてやる」という弱くて強い意志を感じるハッピー・バースデーの方が、僕は好きですね。何気に初めて買ったピロウズのCD(シングル)でもあります。


風まとい望んだ空へ誘い込む天使の愛は五月雨の如し
(『バビロン天使の詩』より)

アニメ『惑星のさみだれ』の特別エンディングに起用されていて、曲そのものというよりかはアニメの方を強くイメージして詠みました。歌詞が物語と絶妙にマッチしているなと思います。いかにもピロウズらしい曲のひとつですよね。ちなみに惑星のさみだれは、新型コロナに感染して寝込んでいた今年の1月にアニメを一気見しました。


3月と4月は以上でした。暗めの曲をモチーフにした短歌が溜まりつつあるので、ジメジメした梅雨の季節に放出するかもしれないです。仕事も忙しい状態が続くかもしれませんが、どうにかモチベーションを維持しなければ…。

最後に、短歌絡みでちょっとだけ身内ウケしたツイートを載せておきます。

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