見出し画像

Vo.7:片田舎の無線機メーカーが新トレンドを創出すべく、スポーツ業界へ殴り込み!?

「B-EARさんなら、作ってくれそうな気がして」

今から6、7年前、神奈川県のとある高校教師のHさんがベアリッジの事務所を訪れました。彼の訪問がB-EARにとって新たな挑戦の扉を開くことになるとは、この時は夢にも思っていませんでした。

その一言で少しずつ何かが動き出した

Hさんは高校教師として働きながら、神奈川県ハンドボール協会の審判委員会でレフェリーのお仕事もされており、B-EARに求めたのは、ハンドボールの試合でレフェリングをする際に装着するイヤホンマイクでした。

ハンドボールのレフェリーの方々は、試合中のコミュニケーションの手段としてバイクのライダーがツーリングで使う通信機を使用するのが主流になっています。
しかし、バイク用のものは基本的にヘルメットに装着する造りになっているので、ヘルメット内部に取り付けるイヤホンマイクしか種類がなく、レフェリーの方たちが使用するには別でイヤホンマイクが必要になります。

また試合中、激しく動き回っても音をしっかり拾い、装着が耳から外れず、口元からマイクがズレず、雑音が入らず、また耐久性にも優れたマイクイヤホンが彼らには必要でした。しかしながら、当時どこのメーカーにもそのような製品は日本には存在しませんでした。

ちなみに、現在でも国内においてレフェリー用の無線機やイヤホンマイクを製造・販売しているのは、B-EARのみです。
すみません、ちょっとドヤ顔🥸しました。

当時弊社はバイク用通信機をネット販売しておりました。バイク用通信機はB-EARが生まれる前から取り扱ってました。

バイク用通信機を、一般的に市販されているマイクイヤホンと接続するにはプラグを変換する必要があり、ただ変換できるプラグが市場ではどこも販売されていなかったので、「変換プラグケーブル」を弊社で製造販売しておりました。

Hさんは、こんなニッチもニッチな製品を製造するメーカーなら、レフェリーに適したイヤホンマイクも開発してくれるのではないかとたぶん思われ、「B-EARさんなら、作ってくれそうな気がして」と直談判しに遠路はるばる弊社に来てくれたんだと思います。

当時弊社は、「BRIDGECOM X5」を発売し出したばかりで、従業員数はわずか4、5名。

しかし私は、Hさんの要望に「何か面白いことになりそうな予感」があり、またこの時はただ頼られること、期待されることが純粋に嬉しかったです。
彼の要望に応えたいと私は思い、レフェリー用イヤホンマイクの開発を彼に約束をしました。

そしてこの約束をきっかけに、人知れず、私自身すらも気づかないまま、片田舎の小さな無線機メーカーは、スポーツ業界というフィールドへと足を踏み入れ、そして、のめり込んでいったのです。

ネーミングがスナイパーなのに的外れ

レフェリー用イヤホンマイクの新製品は、製作に取り掛かる前に名前だけ先に命名しました。

スポーツイヤホンマイク
『ⅤoiSniper
ボイスナイパー』

確実に声を狙い撃ちするというイメージを元に、ネーミングしました。

我ながら「カッコいいネーミング」...と思いませんか?😉
名前はすんなり決まったのに、実際の開発は想像以上に時間がかかり、なかなか苦労しました。

ネットで検索しても日本国内でレフェリー用のイヤホンマイクに合いそうな製品がまったく見つからず、参考にしようと思い、ネットの検索先を広げ、中国や台湾からさまざまな製品を取り寄せました。

しかし、さまざまな製品を購入しましたが、ブームマイクが振動でどんどん垂れ下がってしまったり、簡単に耳から外れてしまったり、オモチャのような造りで数回使用したら壊れそうだったり、どれもイマイチな的外れな製品ばかりでした。

そこで韓国のスティーブン社長に相談したところ、開発に協力してくれることになりました。
今度は彼らとここでもまた、何度も何度も的外れな試作品を造り、時間と費用をたっぷり使い、試行錯誤を重ね、Hさんとの約束から数年を経て、
ようやく「ⅤoiSniper ボイスナイパー」が完成しました👏🎉

スポーツイヤホンマイク『ⅤoiSniper ボイスナイパー』

初めて手掛けたわりにはとても良い製品ができたと思います。
今ではこの製品はハンドボールのプロリーグ JHLで、ほとんどのフェリーの方々にご愛用頂いております。

余談ですが...
ボイスナイパーを販売して数年たったある日のこと、帰宅してテレビをつけると、サッカー選手に扮するベテラン俳優Tさんがスライディングをして、そのプレーにレフェリーに扮する俳優Hさんがイエローカードを出すという赤と緑の某カップ麺のテレビCMが流れ、それとなく見ていたら俳優Hさんが装着しているモノに目が留まりました。

一瞬だったので、すぐには見分けがつかず、すぐにYouTubeでこのCMを見つけ、再生し一旦停止し、そのモノが映る箇所をズームアップすると、一人ニンマリしてしまいました😏
そのモノはボイススナイパーでした👍

某CMでボイススナイパーが・・・

Fリーグと5年のご契約

必死になって動き出していると、さまざまなご縁やチャンスが広がっていくものです。

知人の紹介で、ビーチサッカー日本代表のO選手と知り合い、彼の夢に協力したいと思い、彼のクラブチームのスポンサーを弊社が数年引き受けさせて頂きました。

そして彼から日本サッカー協会の方を紹介して頂き、そのご縁で、2021年からFリーグ(日本フットサルリーグ)でのBRIDGECOM X5とボイススナイパーが導入となり、2026年シーズンまで全試合でご使用頂くこととなっております。

B-EARは、Fリーグのオフィシャルサポートカンパニーです

日本が誇るレジェンドレフェリーとの出会い


Fリーグに納めることが決まって間もないある日、弊社代理店から、
「レフェリーのNさんがベア社長に一度お会いしたい」との連絡を受けました。私は特に断る理由もなかったため、快くOKを出しました。

せっかくなら、そのNさんについて調べておこうとネットで検索してみると、ものすごい実績の数々。

なんとサッカーW杯の開幕戦で主審を務めたこともあるトップレフェリーの方だったのです。(私自身、それまでサッカーは日本代表戦を観るくらいの俄かでした🙇‍♂️)

次回、「続・片田舎の無線機メーカーが新トレンドを創出すべく、スポーツ業界へ殴り込み!?の巻」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?