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真冬の北海道に行ったときの話(2019/2)【旅行#1】《北海道》

真冬の北海道に行ったときの話をします。こんにちは、ベネディクト・缶バッチです。

スマホの写真フォルダを見返すためにスクロールすると、写真がサーッと流れていく中でたまにやたら白い区間があるんですよ。果てしない雪景色、真冬の北海道。私は過去に3度、冬に北海道旅行をしたことがあります。これはその3度目、2019年2月の話です。

1日目(2/6):東京→札幌

よくやることなのですが、旅先での活動時間を稼ぐために「前日入り」は有効です。首都圏発であれば、平日の仕事終わりに東京駅から最終間近の新幹線、もしくは羽田空港から最終間近の飛行機でギリギリ現地入りしてしまうという方法です。そうすれば翌日は朝から旅行を楽しむことができますね。

この日は20時頃の飛行機で羽田空港を出発。新千歳空港には21時半頃に到着し、23時頃に札幌のホテルにチェックインしました。

新千歳

2日目(2/7):札幌→帯広

午前中はさっぽろ雪まつりを見物。冬の北海道へは毎回この時期に合わせて来ています。大粒の雪の降る中、多くの来場者で賑わう大通公園。この年は『USA』や『チコちゃん』の雪像が目立ちました。思い返せばこの頃は外国からのお客さんが大勢来ていたんですよね。その翌年にはあの有様で……まさに隔世の感です。

雪まつり

昼前には特急列車で一路帯広へ。特急でも2時間半とは北海道おそるべし。帯広では市内の六花亭本店を訪問。鮮度重視のためテイクアウト不可のお菓子として知られる『雪こんチーズ』をその場で食べました。チーズケーキとアイスクリームの中間のような生地をビスケットで挟んだお菓子です。その他、凍てつく十勝川を眺めたり、静まり返った帯広神社に参拝したりして午後を過ごしました。

六花亭

夜は帯広駅前のビジネスホテルに宿泊。十勝地方最大の市街地ではありますが、内陸部ということもあり夜はマイナス15度と相当冷え込みました。しかしこの寒さがほんの準備運動に過ぎないことを私は数日後に知るのでした…

3日目(2/8):帯広→阿寒湖

冬の北海道(特に道東)は雪に閉ざされるため、道外からの観光客は移動に難儀しがちです。そんな状況に対して知る人ぞ知る切り札、その名は『ひがし北海道エクスプレスバス』。道東を中心に複数の観光地を結ぶ、長距離路線バスです。この旅行で大変お世話になりました。

その『ひがし北海道エクスプレスバス』で朝8時頃に帯広を出発。途中で阿寒国際ツルセンターに立ち寄ってタンチョウヅルを観察しました。移動中に観光時間が設けられているのもこのバスの特長です。その後引き続きバスに揺られて正午頃に阿寒湖に到着。ここまで約4時間の移動でした。やはり北海道おそるべし。

つる

阿寒湖といえば温泉・マリモ・アイヌコタンが有名です。アイヌコタンはアイヌの文化を伝える集落で、通り沿いに工芸品店や飲食店が軒を連ねています。お昼ご飯はアイヌの芋餅とエゾシカのロースト、素朴な味で気に入りました。その他、全面凍結している湖でワカサギ釣りに挑戦しましたが、釣果はゼロでただ手が凍り付くだけでした。(釣り下手)

アイヌごはん

夜は阿寒湖畔の温泉旅館に宿泊。冬の阿寒湖は夜にも見るべきものがあります。アイヌシアターの上演、そして湖上の花火大会。気温はマイナス20度と前日以上に冷え込みましたが、イベントを楽しんで心は温まりました。

4日目(2/9):阿寒湖→標津→羅臼

実はこの数日間、数十年に一度の大寒波が北海道を直撃していたらしく、この朝の気温はなんとマイナス30度。「こ…!凍るッ!」とはまさにこのことで、外で呼吸をすると喉と鼻が痛みます。空気が澄んで景色も綺麗でしたが、朝の湖上散歩はものの数分で断念。

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この日も『ひがし北海道エクスプレスバス』を活用です。朝9時頃に阿寒湖を出発し、さらに東へ。道中で双岳台や開陽台といった展望所に立ち寄って雄阿寒岳・雌阿寒岳や根室海峡、根釧台地の景色を楽しみました。正午頃には標津町の先端部分である野付半島に到着。知床半島と根室半島の間にある、チョロリと飛び出したゼンマイのような半島が野付半島です。ゼンマイの内側は浅瀬なので凍結し、対してゼンマイの外側の海は凍りません。真っ青な海の向こうに知床半島と国後島がはっきり見えます。

実は野付半島には前々から憧れていました。というのも、私の愛読している漫画『宝石の国』で描かれる冬の景色が、野付半島の内側にあるトドワラにそっくりなのです。界隈では本当にここがモデルなのではないかとの噂もあります。どこまでも続く雪原と、立ち枯れたまま凍り付いた樹木。アンタークチサイトに会いに来た…そんな気分です。

トドワラ

夕方には最後のひと頑張り、バスで一気に羅臼まで。到着した頃にはすっかり日が暮れていました。冬の北海道は夜明けが早く、日暮れも早いのです。最果ての港町、そこで食べる魚はきっと美味しい、ということで夕飯は町内の寿司屋で食べました。某元総理大臣にそっくりな顔の板前さんの握る寿司は絶品でした。顔関係ないですね。

夜は町内のゲストハウスに宿泊。冬の羅臼は外国人の長期滞在客が多いそうです。その訳は翌朝に分かります。

5日目(2/10):羅臼→釧路

この日の朝は4時に起きました。もちろん外はまだ真っ暗です。しかし何やら人の気配。天気は良好。ワクワクする気持ちを抑えて羅臼港へ向かいます。もう寒さは気にならなくなっていました。

早朝の港にだんだん人が集まってきました。おそらく私以外は全員外国人です。さて、この旅行のメインディッシュ、流氷バードウォッチングが始まります。羅臼は世界的にも珍しい「流氷×バードウォッチング」の地であり、世界中から写真愛好家が訪れます。そんな彼らに交じって私も船に乗り込みました。

絶景とはこの景色のことをいうための言葉なのではないでしょうか。船が進むにつれて深い青紫色の空を赤い水平線が照らし、次第に明るくなってきます。やがて船は流氷帯に突入するとしばらく停止し、一同固唾を飲んで夜明けの瞬間を待ちます。餌を期待して集まってくるオジロワシやオオワシのような大型鳥も流氷の上で佇んでいます。そして夜が明け、正面の国後島のシルエットが大きく浮かび上がり、背後の知床連山は桃色に染まります。夢中でシャッターを切る一同、しかしどんなカメラでも実際に目に焼き付けた景色には敵わないでしょう。アップロードした画像で表現しきれないのは口惜しい限りです。

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港へ戻った頃には日は高く昇っていました。あとは町内を散策したりお土産の昆布を買い込んだりし、13時頃にバスで羅臼を後にしました。釧路までひたすら走って3時間半、相変わらず北海道おそるべし。 

釧路では名所の幣舞橋の夜景を眺め、夕飯に名物の炉端焼きを食べました。この日は早起きしただけにとても長い一日でした。夜は市内のビジネスホテルに宿泊。

炉端焼き

6日目(2/11):釧路→東京

最終日のコンテンツは東京に帰るだけでした。前の晩に訪れた幣舞橋を再度訪れて市内の昼間の風景を見た他は特に何もしていません。8時半頃には釧路空港に着き、10時頃の飛行機で北海道に別れを告げました。

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まとめ

真冬の北海道の東部という、おそらく日本で最も最果て感の強い地域への旅行でした。極寒、野鳥、流氷、ここでしか出来ない体験がありました。皆様も是非。

お読みいただきありがとうございました!

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