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男性産休・育休。企業はどう考える?【※お知らせあり】

我が家の「産休・育休」について、以前noteを書いたのだけれど、

その裏側と言うか、勤務先と夫との間でどんなやりとりがあったのかを夫にヒアリングしたので、今日はそのことを書いていきたい。

第一子の出産時期、休暇を取得したのは私のみ。
が、私の育休明けに夫が働き方を見直し、ほぼ交互に早帰りをするようになった。

当時の夫の勤め先では、いわゆる時短勤務か通常勤務(夜の会合が多い職場だった)かのいずれかしかなかったが、夫はその中間の働き方をしたかったのだ。
つまり、自分の担当する会合のある日は通常勤務、それ以外の日は時短勤務というスタイル。
「こんな働き方はできないだろうか?」と、夫は一石を投じた。

「前例がないから無理」とならずに、夫の悩みや提案を受け容れて一緒に考えてくれた当時の職場管理者や、それに理解を示してくれた同僚の皆さんのおかげで、新しい道が拓けた。
初めてのことで前後の事務作業なども一時的に増えたようだが、その後同様の働き方をする方もいらっしゃったとも聞き、夫の時に対処していただけたことが生きたんだなと嬉しく思った。

第二子妊娠発覚時にも、夫はこの職場に勤めており、私には「今度は育休を取る」と話していた。
まだ周囲に妊娠のことを話していない時期だったので、具体的に育休取得の相談を職場にしていたわけではなかったが、第一子のときの働き方の変革に手ごたえを感じていたからか、夫は前向きだった。

けれど、実はこの後夫は転職することに。
タイミングはちょうど、私の出産予定日前後(12月末~1月頭)だった。

第一子のときの苦い経験から、夫は「出産からしばらくは仕事を休んで育児に専念する」と決めていたため、転職先にこう話したという。
「転職とほぼ同時に、第二子が生まれる。転職早々職場を離れることになって迷惑をかけそうなので、入社を2月頃に遅らせられないか?」

すると、社長から返ってきたのは、考えてもいないことば。
「そんな、関係ないよ。入社してすぐでも、育休取ったらいいでしょ。休むことで、みねくんがその制度を作ってよ」

そんなわけで、夫は転職と同時に「半育休」(育休制度の範疇で、臨時的な仕事のみに取り組む)を取得することになったのだ。
以降、男女問わず、この会社の(半)育休取得率は100%と聞く。

どちらの職場でも、制度利用する夫本人だけではなく、企業側が嫌な顔せずそれに対応してくれたからこそかなったことだった。

2021年6月3日、改正育児・介護休業法が可決、成立した。
「男性版産休」が新設され、企業側に対象者への取得周知などが義務付けられることとなった。(詳細は本日割愛)

「とかなんとか言って、うちの会社で休むなんて無理無理…」
「ええ?前例がないしな…」
「産休とか育休取って、家でダラダラされたって迷惑なんだけど…」

法改正に「おお、やったじゃん!」なんて思っていた私とはまっっっっったく異なる反応が、巷でちらほらと聞こえる。
それを否定したいんじゃない。それがあるのが、現実だってこと。

でも、「無理無理…」ではなくなるためには「前例がない」を打破する必要もあるし、もちろん「産休とか育休取ってダラダラ」するんじゃなくて本来すべきことをしていく時間にする必要がある(パパも、ママもね)。
それを成し遂げるためには、パパの力、ママの力、そして企業側の力がどれも欠かせない。

「え?義務化?何をしたらいいの?男性に休み取らせて、業務ストップしちゃうんじゃ?」と思っている企業の方は、実は男性が産休・育休を取得することで企業にもメリットがあるということに気づいていないと思う。

育休中の経験は、確実に仕事に活きる。
育休明けに業務効率をぐんと上げ、職場全体の残業時間を大幅削減させたパパも知っている。
それは、職場にとっての恩恵でもある。

産休・育休のように予測できる休みだけでなく、予測不能な様々な事情(病気や怪我、介護など…)による休みだってある。
そんなときには「お互い様」で心置きなく休みたいところ。
産休・育休取得者が出たときに体制整備が出来るのだから、企業側にとっても悪い話ではないはずだ。


育児・介護休業法の改正成立を受け、所属するファザーリング・ジャパン九州で、緊急フォーラムを開催することとなった。

企業の方にはぜひ聴いていただきたい!というプログラムだが、制度利用を検討しているプレパパさん・そのパートナーさんも、ぜひご参加いただきたい。
会場は入っていただける人数も限られるので、気になる方はお早めに(オンラインでも同時開催)。

いただいたサポートは、夫のしあわせのためにありがたく使わせていただきます!