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柿のバウムは、意外にない

 柿の味が生地に練りこまれているバウムクーヘン。食べるとほんのり完熟の柿——わくわくしませんか? でも、これはわたしがバウムクーヘン愛好家の名にかけて何年も検索してみたかぎり、存在しないのです。

(実は同じくらい存在しないものが「梅」なのですが、今回は「柿」の話を書きます)

 この何年もずっと、複数回にわたって「どこかの店で柿のバウムを開発していないか?」と検索していますが、いっこうに見かけません。

 理由はいろいろあると思われます。

 たとえば
A. 柿は加熱すると渋くなる危険性がある。
B. 煮詰めて美味しい柿ピューレができたとしても、それを生地に入れて焼成したら、甘さや水分のバランスが従来と異なるため、焼き方を変えなければならなくなる。
 しかもそうまでして焼いてみても、柿の味がさほどしない可能性もある。
C. だいたい、手間と原材料費がかかりすぎる。
D. どこかの食品会社で「さっと混ぜれば柿の味」のようなフリーズドライの製菓用パウダーでも出してくれたら、考えないでもない。
E. そもそも需要はあるのか?(←作ってくれたら当サイトが全力で宣伝します!!)

 現状でもし望めるとしたら、シュニッテンタイプのバウムクーヘンで中央と表面に柿ピューレを使うものかもしれません。柿が生地に含まれているバウムを、食べられる日がいつか来るでしょうか。

 柿といえば、古くからの日本の味であり、秋の実りを象徴する赤い色合いが、美しい果物です。

 どうぞ、全国のお菓子屋さんには、柿バウムの開発に挑戦していただきたく……。七夕はとっくに過ぎてしまいましたが、わたしの心の短冊に「柿バウム」と書いておきますので、ご検討をお願いいたします。



なかなか遠出も難しくなったご時世ですが、落ちついてきたら、普段は電話やメールなどでお世話になっている洋菓子店さんの訪問をしたいと思っています。交通費などに使わせてください。